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●「今日の言葉」
~不安な時代だからこそ「覇術」ではなく「王道」を語る珠玉の言葉を~
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“日本は欧米諸国と異なり、建国の歴史も異なり、国家組織も異なり、人民の
階級もまた異なる。
それで、日本には浪人という一種の階級がある。その中心となる物は、真の
国士であって、今回問題の中心人物たる頭山はこの浪人の巨頭である。
国家大事ある毎にこの浪人が特殊の活動をして、義勇奉公の誠を致すので
ある。
往年三国干渉の時などもこの浪人が奮起して遂に焼き討ち事件なるものを
生じた。
政府といえども、これを奈何ともしがたい場合がある、これを強いて圧迫
しようとすると、大動乱が起こる。
故に、この内情をとくと考慮に入れてもらいたい”
(頭山満・談『頭山満直話集』(書肆心水)より抜粋)
……IISIA代表・原田武夫のコメント:
─「無頼」という言葉がある。
個人的に大変好きな言葉だ。
─一般には任侠と解釈されているが、まずは字義に戻って解釈すべきだろう。
「頼るところが無い」「だから自らのみを軸に生きる」とでもいうべきか。
─かつて我が国には浪人と称する人たちが大勢いた。
これもまた現在では大いに誤解されている一群である。
─浪人たちは直感的に動いているように見えて、一つの大きな行動原理に
よって統率されていた。それはすなわち「反列強」である。
─全てが西洋かぶれになったように見えた維新の日本において、だからこそ
それと「陰陽」の関係にある存在が生まれた。これが浪人である。
─浪人は列強が動かし、そのルールに則って維新政府が動こうとする度に
その道を阻む。そこでの大義はただ一つ、「アジアの連帯」である。
─西洋列強はさぞかしこれには悩まされたと見える。
時々の外務省に苦情を言うが、全く埒が明かない。
─なぜならば維新政府にも分かっていたからである。
彼らの多くが不平不満を抱く武士階級が洗練された存在である、と。
─だから無理やり押し込めると再び動乱になってしまう。そしてその力が
巨大なことは、どこからともなくカネが集まることからも分かって
いたのだ。
現代日本に必要なのは真の意味における「浪人」である。
何かにすがるのではなく、己の信念だけで行動する。
しかしその先にあるものは私益ではなく、公益であり、義憤である。
さらにいえばそれは米欧流の金融資本主義に抗することでなければならぬ。
正に神出鬼没、圧倒的な治安能力によって抑え込めそうで決して無理である
アメーバのような勢力。それが浪人である。
何物にもおもねない。
そして権力とは距離を置きつつも、人々の心を動かしてやまない。
そんな「浪人」に……私はなりたいと思っている。
(メールマガジン 2012年8月16日号 より)
http://archive.mag2.com/0000228369/index.html
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