皆様! そういえば・・・コラム連載中のナイルスナイルさんのところで、Web版にコラムが掲載されたのでした★
こちらも是非(^^)/
姉妹企画で講演会も実は企画中なんです。。。
http://www.web-nile.com/article/article.php?category=09&article=000208
https://www.facebook.com/iisia.jp/posts/670407516363806
(2014.5.26)
今年の幕開けと同時に、「日本は世界から見放されたのではないか」という疑念が広がった。実際、日本株は1月の終わりから2月の頭に突如下落し、それに中国のデフォルト危機やアルゼンチン・ペソの暴落、ウクライナの騒動などが追い打ちをかけ、「日本売りが始まる」と思った人は多い。しかし、そんなことはない。冷静に分析すれば、それはリーマンショックの時に大量に日本株を買った外国人がようやく手放せたということ。一方で、日本株が大量購入されている現実もある。目先の現象で判断し、振り回されても疲れるだけ。やめたほうがいい。
一つ確実に言えるのは、4~9月のフェーズは、世界全体が「債券から株式へ」という大きな潮流の中にあることだ。クリミア半島のロシア編入に端を発し、スコットランドがイギリスから、さらに先にはカタルーニャがスペインから分離独立の住民投票を行うなど、ヨーロッパは分裂に動き始めている。実は、ヨーロッパを皮切りに世界はデフレに向かっており、その中で債券は非常に危険なのだ。
このように、先半年を予測しただけで、各金融マーケットの変数要素はてんこ盛り。現象が起きてからあわてるのではなく、ここ5年の見通しを立てて、何が起きても受け入れられる構えを整え、かつ先手、先手を考えて運用することが求められる。投資対象が何であれ、とにかく「乱高下の中で、下がったらその都度買う」が鉄則である。
また、見通しを立てる際のポイントは、「未来を知るために過去を知る」こと。とりわけ今の状況は、1970年前後と、90年前後に起きたことと重なる。オイルショック、北海油田、イランが悪者になった中東戦争、アメリカの小型偵察艇が北朝鮮に拿捕されたプエブロ号事件などを彷彿とする様相を呈している。当時の国際政治とマーケットの動きを想起すると、おのずと見えてくるものがあるはずだ。
では、騒動続きの5年を経た後、マネーゲームはどう進むのか。これまでの勝ちパターンは、アメリカが大量にドルを発行する中、それにうまく乗るのが鉄則だった。けれども来春以降は、アメリカから資本の逃避が始まり、欧州では分裂騒ぎが続き、87年のブラックマンデーと同じような状況になりそうだ。そして結果として、日本円・日本株・日本国債が安全だと世界のお金が日本に流入する可能性がかなり高い。マネーが入り込んでも使わず貯め込む国・日本は消極的に選ばれる。もちろん、税収を増やすような新技術のイノベーションに失敗するとか、日米が同時破産する、富士山の大噴火や南海トラフなど、不安要素もあるが、もろもろの可能性を視野に入れて考え、行動する。それがこれからの日本をリードする富裕層の役割でもある。だからこそ、あらゆる状況を受け入れられるだけの健康な体と平穏な心を養うことにも心を砕いていただきたい。
http://www.web-nile.com/article/article.php?category=09&article=000208
5年後に世界のリーダーになる
日本経済
アベノクス効果かどうかはさておき、この2年で大筋、私が“日本的なるもの"と呼んでいる日本円、日本株、日本の不動産、日本の債券が国内外で買われ、世界のマネーが日本に集中する。国際的資金循環の中心に日本が据えられる。
ただ、そう手放しで喜んでもいられない。問題は、個人が儲かっても、国としての税収は増えないことだ。日本では産業が税収を増やしてきた。技術のイノベーションが活発に行われることが大前提だ。ところが日本人は、追い詰められないと新しいものを受け入れない。だからこのままいくと、イノベーションは日本で進まない。実際、成長戦略といっても医療や介護の話ばかりがされている。日本が勝ち組になるには、資源関連で新しい技術が出てこなければダメなのに、である。今のところ、皆がその方面の技術を互いにつぶし合ってしまっている。
だから、このままいくと資産バブルを越えて、ものすごいインフレ懸念が高まる。それが2016年後半以降。多くの人が「これはまずい」と思い、預金の引出に走るなど騒動に発展する恐れもある。へたをすると、またデフレに転落する。そうなった時、果たして日本は耐えられるのか。
そこで重要になってくるのが、例えば「100万円を3人から取って300万円」ではなく「3円を100万人から取って300万円」というような、これまでとは全く違う新たなデフレ対応のビジネスモデルに転じること。また、今後益々海外からやって来る人々とビジネスを立ち上げるなど、国内を舞台にした本当の意味での国際化を図ることもポイントとなる。さらには、富裕層が富を社会に還元しながら総じて運用していく形で、富を「守る」のでなく「保つ」ことへの転換を図るべきだ。日本人がそのくらい覚醒すれば、5年後に世界経済のリーダーになるのも夢ではない。
http://www.web-nile.com/article/article.php?category=09&article=000208&page=2
政府は価格を上げようと必死
株
安倍総理は「消費税10%へ引き上げは、7 ~ 9月期における経済指標を見て判断する」と明言している。ということは、その間は株価が下がるわけはない。今は外国人からさんざん売り浴びせられ「やはり日本はダメか」と思われる状況で、他の金融商品にシフトする、あるいはキャッシュで保有する、といった状況ではある。しかし、総じて債券に対するリスク度が上がっている今、やがて株式に流れるのは自明の理。目先では4月に株高転換へと政府・日銀が舵を切らなかったため、6月まではさえない展開になる。世界中のリスクが追い撃ちをかけるかもしれない。だが、遅くとも6月から絵柄が大きく変わる。
いずれにせよ、政府は株高にしようと懸命だ。財界にも「よろしく」となるだろう。それを受けて、昨年かなり儲けた大企業が増えた内部留保をどう使うか。「給料は上げられない、設備投資はすでに終わった」という中で、6月以降に自己株取得に走る公算が大きい。実はすでにこの動きは始まっており、株高にとって追い風だ。目先は乱高下し「下げたところ」で買い増すべき時である。
では、その先はと言うと、国際情勢がキナ臭くなって、世界のマネーはいったんコモディティに流れ、日本株も秋口に一度暴落する。だがその後、我が国では、2015年春には日本郵政の上場があり、翌2016年には政府の東電株売却がある。1986年にNTTが上場した時と同じような状況になり、皆が「郵貯の株、当たった?」と言いだすはずだ。
このように、日本株はいわゆる内需株を中心とする「官製相場」へと向かう。政府の動きを見ながら、先を見通して「下がったところでガサッと買う」人は勝つ。そういうセンスのある人たちが新富裕層として台頭するだろう。
http://www.web-nile.com/article/article.php?category=09&article=000208&page=3
大暴落か、有事で高騰か
金
注目は中央銀行による金取引の自主規制であるワシントン合意が9月26日に切れるか否か。これはヨーロッパの中央銀行が中心になって、「金を一定以上売らない」と取り決めたものだが、その第3次合意の期限を延長するか否かが決められる。もし、延長しないとなると、各中央銀行は好きだけ売れることになる。
もっとも現実問題、金を売っていないというのは建前だ。どの国もBIS(国際決済銀行)に金を預けて借金し、BISは預かった金を“質流れ品"のようにして売っている。ようするに、BISを通したロンダリング。実は去年だけで44トンもの金が売られているのだ。では、金は世界的にどんな流れになっているか。ロンドン・シティーが去年1年間で、相当量をスイス経由で中国に流している。これをどう捉えるか。今年の第1四半期は1オンス当たり1200~ 1300ドルで推移してきたが、もしワシントン合意が危ない、延長されないのではないかとなると、その場で大暴落することは必至だ。
そこを見越して、その前に金の価格を上げようという思惑がある。どうやって? 答えは明快。「有事の金」といった状況になるなら中東戦争を起こすことが考えられるのだ。「消息不明のマレーシア航空機に核関連物質を積んで、イランかイスラエルに突っ込ませるのでは」という人すらいる。それを理由に、たとえばイスラエルがイランを攻撃する、というシナリオ。そう考えると、3月にハーグで行われた核安全サミットで、オバマ大統領が「私はマンハッタンで核爆弾が爆発することを心配している」と発言したことが妙にひっかかる。いずれにせよ、中東で戦争になると、当然、金の価格が上がる。原油やガスの価格も上がる。9月からの局面では、だから「株式からコモディティへ」という流れになることが予想される。金取引ではこのことを踏まえておきたい。
http://www.web-nile.com/article/article.php?category=09&article=000208&page=4
ポンド、ユーロ、元、米ドルが危ない
外貨
世界経済が大きな転換期を迎える際の引き金となるのはポンドの暴落だろう。もしスコットランドが住民投票で独立するとなると、ポンドの価値を高めてきた北海油田の原油利権を失ってしまう危険があるからだ。独立をめぐる住民投票が行われるのは9月18日。ポンドは9月が山場になり、独立となれば暴落する。
そのポンド危機にユーロがどの程度連動するか。マネーがそこでユーロに逃げるかどうかがポイントだ。他方で、ロンドン市場が中国元の取引センターであることからこうした動きに、中国元が巻き込まれて暴落する可能性もある。
ユーロについては、2002年にデフォルトしたアルゼンチンの動きに注目したい。アルゼンチン国債の一部保有者たちが満額支払いを求めアメリカの最高裁に訴えている。「それを認める判決は出しちゃダメだ」と猛反発しているのがフランスやブラジルだが、何といってもアルゼンチン国債を一番持っているのはイタリアだ。5月19日の債権国会議までは大丈夫なものの、成り行きによってはアルゼンチンがデフォルトとなる可能性もあり、玉突きでユーロは危ない状況だ。
他方で米ドルは中東戦争により米国内でテロにならない限り、当面安定する。危なくなるのは、来年の春以降。特に中間選挙後、一時休止していた連邦レベルでの公的債務の上限枠に関する議論が復活すると、国債が売れなくなる。中国・日本を中心に、民間ベースで大量に米国債がすでに売られているという問題もある。そこへきて2015年7月15日に「NY市場を使うなら、米国債を買え」というボルカー・ルールが施行されると、資本の逃避が始まる。2016年には雲行きが相当怪しくなるだろう。米国債を大量に保有している日本にとっては他人事ではない。「日米同時破産」さえありうる。
http://www.web-nile.com/article/article.php?category=09&article=000208&page=5
経済、教育、医療などの未来を考える「ナイルス未来塾」を計画しています。講師には原田武夫氏などを迎えます。このセミナーでお知りになりたい内容など、お聞かせください