タイ語板  5枚目~!!  

ドラマ板 ~ ごちろうさん

ドラマ板 ~ ごちろうさん 連続ドラマ小説

 2013年後期 NHK大阪制作 全150回

「あまちゃん」の後に放映されたシリーズです。。  「おしん」板のときのように長くなりそうなので分割します。

 渡辺謙さんのお嬢さんが主演なのですね。     各回が終了する時にフラッシュで主に子供がご飯を笑顔で食べている写真があります。

-- ※先生作 ※先生作

 

 

ーーーーーーーーー                        M:【ごちそうさん 】 とは

『ごちそうさん』は、★2013年(平成25年)度後期放送でNHK大阪放送局で制作の連続テレビ小説・第89作目のテレビドラマ。

 企画・制作について、2012年11月12日、NHKによる記者発表で概要およびヒロイン役に杏が起用されたことが明らかとなった。脚本は森下『ごちそうさん』は、★2013年(平成25年)度後期放送でNHK大阪放送局で制作の連続テレビ小説・第89作目のテレビドラマ。
企画佳子の書き下ろしで、森下にとって初めてNHKに携るドラマとなった。

時代設定は大正・昭和期。チーフプロデューサーの岡本幸江は「東京生まれの江戸っ子で洋食屋で生まれ育ったヒロインが、大阪生まれの男に恋をして、大阪に嫁入りします。そこで家風の違いや家族の問題などを、おいしいご飯で解きほぐしながら、家族の絆を再生させ、やがて来る戦争、食べ物が無いような時代も、彼女の愛と、精一杯の真心で乗り越えて、力強い母として、一回りも二回りも大きくなっていくという女性の物語です。“食”を切り口にした女性の生き様を描かせていただきたい」とコメントした。

森下は本作の脚本担当にあたり、1992年度上半期の『おんなは度胸』を参考にした。

杏はオーディションなしでの直接オファーでヒロインを演じることが決まった。

2013年2月18日には、杏以外の主要キャストが発表された。

2013年5月17日に兵庫県姫路市八葉寺にてクランクイン、翌2014年2月25日にNHK大阪局にてクランクアップした。



ジャンル  テレビドラマ
作  森下佳子
演出  木村隆文 小林大児 福岡利武 盆子原誠 渡辺哲也 佐々木善春                     出演者  杏 東出昌大 財前直見 原田泰造 キムラ緑子 高畑充希 和田正人 山中崇 波岡一喜 前田亜季 中村靖日 ムロツヨシ 菅田将暉 西畑大吾 松浦雅 宮崎美子 吉行和子 近藤正臣
ナレーター  吉行和子
オープニング  ゆず「雨のち晴レルヤ」
時代設定  1911年(明治44年)春 - 1947年(昭和22年)春
製作
製作総指揮  岡本幸江(制作統括)
プロデューサー  内田ゆき
制作  NHK大阪放送局
放送
放送国・地域   日本
本放送放送期間  2013年9月30日 - 2014年3月29日
(12月29日 ‐ 1月5日は休止)
放送時間  月曜日 - 土曜日 8:00 - 8:15(総合)7:30 - 7:45(BSプレミアム)
放送枠  連続テレビ小説
放送分  15分
回数  150
アンコール放送
放送期間  2016年10月3日 - 2017年3月25日
放送時間  月曜日 - 土曜日 7:15 - 7:30(BSプレミアム)
放送枠  連続テレビ小説#アンコール放送
放送分  15分
回数  150
番組年表
前作  ★あまちゃん
次作   花子とアン


あらすじ

1945年(昭和20年)夏、戦争で焼け野原となった大阪で、子供たちに炊き出しをふるまう一人の女性がいた。この物語の主人公・西門(卯野)め以子である。
東京編

遡ること1911年(明治44年)。東京・本郷の西洋料理店「開明軒」に生まれ育っため以子は、明るく活発だが無鉄砲でいつも食べ物のことばかり考えている。ある日、祖母の卯野トラが病で倒れ心配しため以子は、以前トラが食べたがっていた「いちご」を探し奔走。いちごを入手したものの、帰り道に損失してしまいひどく落ち込む。そんなめ以子にトラは「ごちそうさま(ご馳走様)」の意味を教え、め以子に感謝するのであった(第1週)。

トラが他界後の1922年(大正11年)、高等女学校5年生のめ以子は、いずれ自由恋愛で条件のよい結婚をしたいと考えているが、料理はおろか家事にも勉強にも全く関心が無い。ある日、帝大生の西門悠太郎が下宿生として卯野家にやって来る。自分には毒舌な悠太郎をめ以子は面白く思わないが、彼から勉強を教わったことを機に無意識ながらも恋をする(第2週)。納豆嫌いの悠太郎のために試行錯誤して作った納豆料理を美味しく食べてもらえたことをきっかけに、め以子は料理に目覚め、毎日彼と自分の弁当のおにぎりを考え作るようになる(第3週)。め以子は条件の良い縁談が舞い込んだものの、悠太郎への思いに気付き、見合い途中で抜け出し悠太郎に求婚する(第4週)。自らの複雑な家庭事情にめ以子を巻き込みたく無い悠太郎はその場は求婚を断るが、後日思い直し改めて彼女に求婚する。それぞれの学校を卒業した1923年(大正12年)の春、二人は悠太郎の郷里である大阪に向かう(第5週)。
大阪編(第6週 - 第13週)

西門家で義母・小姑たちと同居を始めたものの、め以子は、義姉・西門和枝からの極端な「いけず」[注 2]に苦悩する。和枝は、め以子を悠太郎の妻として認めず、祝言も挙げさせず女中扱いにする。和枝に認められたい、西門家の食卓を楽しくしたいと願うめ以子は、再会した幼馴染みで肉屋の泉源太の協力で、彼の知り合いである「酉井捨蔵」なる人物や天満天神市場の人々から、関西流の味付けや食材を余すことなく使い切る「始末の料理」などを教わり、努力と探求を重ね会得していく。そんなめ以子の姿に、義母・西門静と義妹・西門希子は心動かされ、次第に協力的になる(第6週、第7週)。

め以子は偶然、捨蔵の正体は故人とされていた義父・西門正蔵と知る(第8週)。め以子は正蔵の受け入れを懇願し、家族を捨てた正蔵を憎む和枝・悠太郎と対立するが、め以子と話し合った悠太郎は家族の気持ちが揃ったら正蔵を受け入れることを約束する(第9週)。間もなく迎えた天神祭は、当初はそれぞれの事情でバラバラになるも、いっときの形のみだが家族全員揃って獅子舞を迎えることが叶う(第10週)。和枝は心新たに再婚を決めるが、相手が結婚詐欺師と判り失意で自殺を謀る。その直後、め以子の妊娠が判明する。どれほどのいけずな仕打ちを受けても慕ってくるめ以子を前に居たたまれなくなった和枝は、家族ぐるみの知人である倉田義男の薦めで西門家を離れ他所に嫁ぐことを決め、出発の日め以子と清々しく言葉を交わし去っていく(第11週)。

関東大震災が発生し、め以子は、近所の救護所の炊き出しに参加する。女学校時の恩師・宮本先生の死を知っため以子は先生の言葉を思い出し、食べることは生きる力を与えると信じる(第12週)。年の瀬が迫り、父・卯野大五ら卯野家の人々が西門家を訪れる。大五は源太を通して正蔵とほどなく打ち解け、正蔵の人となりを知った大五は仕事で悩む悠太郎に、彼を父親として頼るよう助言する。め以子が産気づくなか正蔵からの手紙を読んだ悠太郎は、彼が仕事で背負った罪悪感を初めて知り和解。大晦日に長女・ふ久が誕生し、1924年(大正13年)、家族全員で正月を迎え、め以子の願いを込めたおせちが家族を喜ばせた(第13週)。
大阪編(第14週 - 第16週)

その後、め以子夫婦の間に、長男・泰介、次男・活男が誕生。1932年(昭和7年)、め以子は創作料理を投稿したり家族に振る舞うことを楽しみながら、育児に勤しむ日々を送る。悠太郎は職場での怪我をきっかけに女医で幼馴染みの松田亜貴子と再会。二人が逢瀬を重ねていることをめ以子は知り、嫉妬で苛立ち、挙げ句に悠太郎を追い出す。め以子は亜貴子に二人の関係を問いただそうとするが、悠太郎と亜貴子には幼時からの純真で強い心の結びつきがあることを察し打ちのめされる。一方追い出された悠太郎は亜貴子の家を訪ねるが、今の亜貴子には亡夫を想う気持ちが強く、悠太郎は振られた形となり西門家に戻る。悠太郎の話を聞いため以子は納得し、夫婦は仲直りする(第14週、第15週)。

正蔵が突如倒れ、次の発作が命取りになると診断され、め以子は前妻が作っていた料理で正蔵を元気にしようと奔走。また希子は職場の男性との結婚話がトントン拍子に進む。だがその婚礼の当日、和枝をはじめ姉たちが揃った場で希子は、自分ではなく、9年間祝言を挙げないままのめ以子夫妻の祝言を要望する。希子や参列者らに頭を下げられて、和枝は折れ、悠太郎・め以子夫妻の祝言が実現する。その後間もなく正蔵が再び倒れる。悠太郎は自らが取り組む地下鉄建設現場を見学させ、父と息子は絆を深める。家族からの思い遣りで幸せに満ちた正蔵は、翌朝のめ以子の作る献立を楽しみにしながら、静かに息を引き取る(第16週)。
大阪編(第17週 - 第22週)

1940年(昭和15年)、世間は戦時色が次第に濃くなる中、め以子は積極的に節約料理に取り組み、大日本国防婦人会の活動に張り切って参加するが、源太の出征と、食材が入手困難になりつつある現実に鬱然とする。「贅沢は敵」と謳う婦人会の指示通りに小学校に差し入れを作り、不味すぎて返品されて反省しため以子は、どんな時でも美味しい物を人に食べさせる決意を固め、牛肉のステーキを大量に焼き家族と近隣住民に振る舞う。以後、め以子は周囲から「ごちそうさん」と呼ばれるようになる(第17週)。

翌1941年(昭和16年)、野球部の泰介は、甲子園を目指して先輩の諸岡弘士とともに練習に励み、め以子も手料理で彼等を応援するが、地区予選決勝を目前に急遽大会は中止が決まる。同じ頃、病気と診断されて帰還し職場に戻った源太は、生肉を見てパニックを起こし失神する。戦場での記憶が原因で命有る物が食べられなくなった源太は次第に衰弱し危篤状態に陥るが、め以子の呼びかけに意識が戻り、牛乳を口にできるようになる(第18週)。

1943年(昭和18年)、日本が太平洋戦争に突入し食糧はほとんどが配給制になるが、め以子は人々に食物を振る舞う「ごちそうさん」を続け、評判が広まる。そんな中め以子は、闇で購入をしていると密告され家宅捜索を受ける。め以子はこの件で婦人会仲間を疑うが、知人の室井幸斎がラジオで発表した物語をヒントに、婦人会内で持ち寄りの共同炊事を提案する。共に料理し食事をするうちに仲間への疑いは晴れる(第19週)。

1944年(昭和19年)、諸岡が出征前の挨拶に西門家を訪れるが、ふ久は突如「諸岡君の子供を産みたい」と言い出す。断られたふ久は翌日諸岡の家を訪ね強引に彼に迫る。その場を目撃し諸岡の思いも聞いた泰介は、め以子と悠太郎を説得、悠太郎はふ久を諸岡と結婚させることを決める。一方、活男は、海軍の主計課で料理人の修業ができるとを知り、入隊を志願するが、活男を戦場へ行かせたくないめ以子に反対される。しかし、活男は「同じ死ぬ運命なら、好きなことをやって死にたい」と訴え、さらに、ふ久の結婚の内祝いから「兵隊さんの『ごちそうさん』になりたい」と意志を強めていく。そんな活男の考えを聞いため以子は、涙ながらに活男の志願を認める。活男の旅立ちの日、彼が作った「オムレツ」を食した家族は、餞の言葉とともに彼を見送る(第20週)。

戦局が激しくなり、市民は空襲に備えての訓練や準備を進めるようになる。悠太郎は担当する地下鉄駅建築計画の頓挫に伴い防火改修課に異動となり、市民に向けた防火演習を任され、実際の空襲を再現しようと演習用の建物を更に燃やし「逃げろ」と指示する。軍の意に背いたとして逮捕された悠太郎は、め以子達の尽力で釈放されるが、陸軍の軍属として満州へ渡る処分が下り、家族と別れ旅立って行く(第21週)。

1945年(昭和20年)3月、ふ久が産気づくなか、大阪に空襲警報が発令される。間一髪でふ久は無事出産し、め以子やふ久たちは大阪大空襲の戦火の中、悠太郎が残した教えの通り地下鉄駅に逃げ込み命拾いするが、西門宅は蔵を残し全焼。め以子と泰介は和枝の家に身を寄せ、和枝からの「いけず」を受けながらも彼女なりの配慮も感じられる疎開生活を送る。そんな中、泰介に赤紙が届く。め以子は和枝の協力で泰介を手厚く送り出したのもつかの間、活男の戦死の知らせが届く。傷心にくれるめ以子は、和枝から叱責されると同時に独りに慣れた方がよいと説教される。その言葉に従い独り食事をし、畑仕事に打ち込む日々を送っため以子は、やがて8月に終戦を迎える(第22週)。
大阪編(第23週 - 最終週)

め以子は玉音放送で終戦を知り大阪市内に戻る。自宅で家族を出迎えたいと渇望するめ以子は、焼け残った西門家の蔵に居を構え、再会した室井と源太とで、生活のために闇市でくず芋を調理し商売を始める。初日は闇市を仕切るチンピラの香月に脅されるが、その後もめ以子はあらゆる物を美味しく調理し、かつての市場の知人たちの協力も得て店は繁盛、香月から一目置かれるようになる。やがて卯野家や諸岡家の無事が判明、泰介も無事復員し、静も疎開から戻り、それぞれの活動も軌道に乗ってきたある日、闇市が警察に捜査され、身を挺して自らの米俵を守り啖呵を切っため以子は逮捕される(第23週)。

香月が裏で手を回しめ以子は釈放されたものの、以後闇市の商売を禁じられる。闇市の捜査が進駐軍 (GHQ)の差金と知っため以子は、活男の件もあり米兵を憎悪、街頭で米兵たちにチョコレートを押しつけられ更に怒りを募らせる。め以子は希子の勧めで大阪ラヂオ放送でおにぎり弁当を販売する一方、倉田の要望で蔵を改装し、飲食を提供する「お座敷」として営業を始める。め以子の弁当を気に入った進駐軍の大尉・モリスから、希子を通して座敷への訪問を要望されるが、め以子は戸惑い返事を保留にする。そんな折、活男の戦友から、生前の活男の様子や戦死に至るまでの経緯を聞く。活男の死の現実を受け止めため以子は、弔いとして、彼の日記に記された数々の料理を作って仲間と共に食する(第24週)。

ある日、開催が決定していたはずの選抜中等学校野球大会がGHQの指示で一転中止の危機に陥り、泰介と諸岡が中心とする抗議活動を知ったモリスは、め以子の蔵座敷で「最高の日本料理」を提供することを条件に協力を打診する。め以子は渋々モリスの訪問を承諾したが、蔵座敷の席でモリスは、自身も料理好きの息子が戦死し日本に対する憎しみで苦しんでいたこと、しかしめ以子のおにぎりでその心が解されたこと、来訪の真の目的が、め以子の料理で自らの心にあるわだかまりを克服する事だったことを告白し、め以子は彼と打ち解ける。後日、モリスの助言に基づき、泰介たちは、め以子と協力して作ったアイスクリンを携えてGHQ側に説得し、甲子園大会中止は撤回されることとなる。

甲子園の開会式に出かけた家族をよそに、め以子は一人大阪に残り復員列車の到着を待つ。駅前でカレーを売りながら悠太郎を探すが、待ちぼうけに終わり、落胆して帰路につくめ以子の目の前に突然一頭の仔豚が飛び出す。それに続いて「捕まえてください」と叫ぶ声が響き、悠太郎が現れる。彼は三日前に帰国しており、復員列車とは別に帰阪していたのであった。悠太郎とともに帰宅しため以子は、笑顔で悠太郎と語らいながらチョコレートを分け合い、万感の思いで「ごちそうさんです…」と呟くのだった(最終週)。


スピンオフドラマ「ごちそうさんっていわしたい!」

悠太郎が外地から戻って1年が過ぎた1948年(昭和23年)夏、人々は平穏な日々を取り戻していた。

そんなある日、泰介が料理店「まるおか」の娘・真沙子に初恋をした。父の悠太郎をはじめ静、源太や室井らは沸き立つが、彼女はかつてめ以子が縁談を破棄した「まるや」の次男・丸岡真次郎の娘であるという。さらに室井が密かに泰介名義で書いた恋文に怒り心頭の真次郎は、始まりもしない二人の交際に大反対。泰介の初恋は終わりを告げたかのようにみえた。

しかしあきらめきれない泰介は、彼女の気持ちに寄り添うことで挽回しようと、源太のアドバイスから鰯を持参し真沙子を訪ねる。料理上手で弁当屋を経営していた真沙子は、鰯料理を看板としていた「まるおか」の娘にもかかわらず、これまで頑に鰯を食材に使っていなかった。泰介はそのことを、妻と長男を戦争で亡くし店を畳んだ父に代わり店を再建したいという真沙子の強い思いからと察し「『まるおか』の味はあなたの中にあり、僕はあなたの作る『まるおか』の味が食べたい」と告げ、彼女の琴線に触れる。その後、父娘は共同で新しい鰯の洋食の一品を作り上げ、泰介に託す。

一方、喫茶「うま介」は実家の破産で地権が売りに出され、これを購入した和枝は「うま介」を閉め、新しく洋食屋を立ち上げる計画を進めていた。その協力者として、希子が担当するラジオの料理番組を通し和枝が知り合ったのが真沙子であった。泰介が丸岡家を訪問後、和枝は真沙子から「まるおか」再建のため協力できなくなったと告げられていた。そのような折りに、泰介が丸岡家から持ち帰った鰯料理を食しその美味に驚嘆した和枝は、この料理を使うことを条件に「うま介」の継続を馬介に提案。和枝は居合わせた竹元と共同で、焼氷以来の新たな看板メニュー「いわしサンド」を考案する。

いわしサンドが評判となった「うま介」に来店しため以子は、料理を完璧にこなす真沙子をぜひとも息子の嫁にと切望するが、後に泰介が持ち帰った笹の葉寿司から真沙子と和枝との関係を知り、自分と似た女性を西門家に送り込むという和枝流の「いけず」を確信するのであった。


登場人物

登場人物の基本的な説明は公式サイトの「登場人物」に、役名はドラマ内でのスタッフロールの表記に基づく。
 A 主人公とその家族

卯野 め以子(うの めいこ) → 西門 め以子(にしかど めいこ)    演 - 杏(幼少期:豊嶋花)
    本作の主人公。東京で西洋料理店「開明軒」を営む料理人の長女として生まれ育ち、食べることが何よりも大好き。好き嫌いがなく何でも食べ、父・大五や義父・捨蔵(正蔵)らにもその食道楽ぶりを評されている。唯一苦手だった鰯は、後に義姉の和枝の手料理により克服する。祖母・トラの亡き後は、ぬか床をかき混ぜることを日課にしている。
    悠太郎と出逢うまでは人並み外れて背が高いことがコンプレックスであった。
    幼少より考えるより先に体が動く気質で、意固地で無鉄砲な一方、一度決めた事には強い意志と打たれ強さを持つ。美味しい物への探究心は、「開明軒」や食卓のメニュー開発に貢献しており、料理に目覚めてからは「め以子の料理ノォト」と題し、料理に関しての発見やレシピなどを記録している。
    悠太郎とは清明高等女学生時に知り合い、卒業後の春に大阪の西門家に嫁ぐ。結婚後は、東京と大阪の食文化の違いに戸惑ったり、和枝からの嫁いびりや西門家の複雑な家庭環境に苦心するが、関西の味に慣れる為断食を試みるなど四苦八苦しながらも、次第に大阪の料理や風習を身に付けると共に、毎日を楽しい食卓にし、多くの人からの「ごちそうさん」の言葉を聞くことを目標に、西門家の家族円満のために奮闘する。
    母・イクの説明によると、「め以子」の名の由来は「命(いのち=めい)を生み出す子」であるが、そのままでは気恥ずかしいのでひらがなと漢字を当て字に遣ったとのこと。
    後に三児の母となって大阪の生活にもなじみ、話し方も大阪弁に変化している。1940年(昭和15年)時では国防婦人会に参加するが、軍需に伴い身の回りの大切なものが次第に失われていくことに気付き、自身の信念に立ち返って大量のステーキを近隣に振る舞った一件を機に、自身が「ごちそうさん」のあだ名で呼ばれるようになり、以後も近所の子供達に手作りおやつを振る舞い評判を上げ続ける。
    昭和19年、満州に立った悠太郎を見送った後は、彼が残した置き手紙の裏に、毎日の「良かった事」を書き留めて肌身離さず持ち、帰りを待ち続ける。昭和20年に空襲で西門家が焼失した後、長男・泰介と共に和枝の家に疎開する。
    終戦後大阪市内に戻り、闇市で露店を始め、さらに倉田の提案で、知人たちを相手に料理を提供する「蔵座敷」を始める。自分から家族や食べ物など大切な物を奪ったアメリカ軍に対しては強い憎しみと反感を抱くが、モリス大尉を蔵座敷に招いた一件から次第に和解の姿勢を見せる。
西門 悠太郎(にしかど ゆうたろう)    演 - 東出昌大(少年期:細田龍之介)
    め以子の夫。大阪出身。特技は剣道。12歳の時に実母が外出先の火事で亡くなったことをきっかけに、安全で住みよい街を作る夢を抱き、東京帝国大学(現・東京大学)で建築学を学ぶ。
    め以子とは銀座のカフェで初めて出会い、め以子を上回る長身や大阪弁を話すことから「通天閣」とあだ名を付けられる。その背の高さゆえに当初の下宿予定先から受け入れを断られてしまったため、開明軒に当初下宿することになっていた同窓の近藤と下宿先を交換することになりめ以子と再会する。
    論理的な思考の持ち主で、口元に手を当てて考え事をする癖があるが、これは複雑な家庭環境の中で迂闊な事を言わないようにする為に身に付いたものである。開明軒に下宿し始めた当初、悪気はないが偏屈な彼の物言いにめ以子は悪印象を持つ。一方、勉強が苦手なめ以子に親身に勉強を教えるなど、優しい一面も見せる。食べ物については唯一納豆だけは苦手であったが、め以子の手料理で克服する。大好物はカレー。
    帝大卒業後、め以子と結婚。大阪へ帰郷し市役所の建築課に勤める。家族を捨てた実父・正蔵に対して憎悪を抱き続けていたが。後に正蔵からの手紙を読み初めて彼の家出の真相を知り、長女・ふ久が生まれた夜に和解する。
    師である竹元や市役所時代の先輩である藤井や大村によれば、彼の設計は「安全で頑丈」という一点以外にこだわりがなく、これといった個性がないとの事[注 9]。
    父・正蔵の説明によると、「悠太郎」の名は「悠久(ゆうきゅう)」に由来するとのこと。
    昭和7年の時点では御堂筋の高速地下鉄道(現・Osaka Metro御堂筋線)敷設工事に従事する。
    昭和15年時では建築課長に就任。建築中の地下鉄道の安全性保持に加え、軍需における資材不足に苦心する[26]。そのため、デザインを最優先する竹元と折り合いがつかず、絶縁されてしまう。
    太平洋戦争勃発後、地下鉄計画が正式に中止となり、空襲に備え建物疎開をすすめる防火改修課へと異動になる。が、その仕事に疑問を持ち、市民向けの防火演習で「逃げろ」と叫んだことが防空法違反に問われて逮捕、のち釈放されるものの、軍属として満州へ渡る事となる。
    戦後、抑留されて帰国できずにいるらしいとの情報が伝えられるが、ある時、仔豚を追う声と共にめ以子のもとに突如現れる。彼曰く「(再会する)3日前に実は事情があって帰国し博多におり、満州で知り合った養豚家に豚をもらう約束をしており、その豚を使ってめ以子に満州で食べた『豚の丸焼き』を食べさせたかった」とのことだった。
    昭和23年、息子・泰介の初恋を桜子から聞かされ、応援しようとするものの、「うま介」に怒鳴り込んできた相手の父親・真次郎と口論の末、彼の古傷を掘り起こさせて、話をややこしくさせてしまう。
西門 ふ久 (にしかど ふく)→ 諸岡 ふ久 (もろおか ふく)    演 - 松浦雅(少女期:原見朋花/乳児期:森山咲瑠)
    め以子と悠太郎の長女。1923年(大正12年)の大みそかの夜に生まれる。
    「西門家に福を呼ぶ子」という意味を込めて、め以子の父・大五が命名し、「ふ久」という当て字は悠太郎の父・正蔵が考案した。
    常に冷静であまり感情を表に出さず、一度決めたことには意固地な性格。8歳時、浮力・重力といった「見えない力」に強い興味を持つゆえに周囲から浮いた問題行動が目立ち。また、食べる事に関心が薄く食が細いが、他所の食べ物を初めて食べ比較し、め以子の料理が美味しいということを知る。以来、め以子が食べ物を美味しくなる「見えない力」を与えていると思い、完食するようになる。
    ぬか床として見守る曽祖母のトラ(語り)からは、自分の興味のためには他人の迷惑を顧みないところは幼少期のめ以子によく似ていると評され、め以子からは、物事を論理的に考え探求しようとする性格は悠太郎の遺伝ではないかと推測されている。
    昭和15年時には、物理にのめり込む高等女学生に成長し[26]、食事中でも本を片手に黙々とシュレーディンガー方程式を解くなど数学に没頭する一方、物理の知識を応用して料理に関する助言をめ以子たちに提供し感謝されて機嫌を良くすることもある。また気を紛らわせる時には円周率を唱える習慣がある。
    昭和18年時には高等師範学校に通うが、本人は教師になる気はなく、卒業が近付いても進路が決まらない状態であった。これまで他人に興味を持たなかったが、たびたび家で夕食を共にする諸岡を、泰介との「男の友情」を空想しつつ見守り続けるうちに、次第に彼のことが気になっていく。
    昭和19年、諸岡の出征を知り、彼の子供を産みたいと思いつき、諸岡の自宅へと押しかける。それを目撃した泰介が両親を説得したことで認められ、諸岡と結婚。諸岡家ではその才能を活かして工場の経理や機械修理などをこなし「三国一の嫁」と絶賛されるなど義父母との関係も良好である[29]。夫が出征後、空襲が迫る中で長男・大吉を出産。大吉と共に諸岡家の親戚宅へ疎開する。
    終戦後は無事市内に戻る。出産後は母親としての役割に専念し、かつての科学に対する情熱は冷めてしまったと語るが、泰介や諸岡が後輩たちの夢を守るために奮闘する姿を見て、自分も子供の将来のために自然エネルギーを利用した発電の研究をしようと考え、大学への進学を決める。その後は光電効果(太陽光発電)に関心を抱いている。
西門 泰介(にしかど たいすけ)    演 - 菅田将暉(少年期:三澤瑠斗)
    め以子と悠太郎の長男。幼少より優等生で礼儀正しく周囲への気遣いをする子である。昭和15年時では中学校で野球部に在籍、キャッチャーとして先輩の諸岡と共に甲子園の全国大会を目指すが、戦局の悪化により全国大会が中止となる。さらに、いずれ自分も兵隊として召集される可能性が高いこともあり、人生への希望を失い無気力になっていく。しかしあくまで前向きな諸岡や、戦地から戻り衰弱しながらも懸命に生きる源太、彼を献身的に世話するめ以子らの姿を見るうちに考えを改め、自身も逆境に負けず再び甲子園を目指すことを誓う。
    昭和19年時点では、京都帝国大学へ進学し、下宿生活を送っていたが、昭和20年3月13日から14日未明にかけて空襲で西門家が焼失したため、め以子と共に父方の伯母の和枝の家に疎開。その後、赤紙(召集令状)が届き、戦争の時代を憎みながら、国を変えるために必ず生きて戻って来ることを誓い、学徒出陣で出征する。
    終戦後間もなく無事に復員し、闇市で懸命に働く母たちや、焼け跡をさ迷う戦災孤児たちの姿を見て、大学を休学し、行方不明の悠太郎と活男の捜索も兼ねて、戦災孤児や復員兵たちの身内探しや養子縁組の手伝いを始める。この頃には、悠太郎不在時に長男として家長の役割をつとめ、疎開先での和枝の「いけず」にも冷静な対応をするしっかりした青年に成長している。
    昭和22年、大学への復学を決めるが、その矢先にGHQが甲子園大会の復活を取り消したことを知り、後輩たちの夢を守るために大会の復活をかけて諸岡や川久保らと一緒に交渉を試み、見事に成功させる[30]。
西門 活男(にしかど かつお)    演 - 西畑大吾(少年期:二宮輝生)
    め以子と悠太郎の次男。天真爛漫で食いしん坊[25]。子供たちの中では最もめ以子に似ていると言われる。昭和15年時では料理人を目指し、中学校に通いながら洋食屋で修業しつつ、台所でめ以子の手伝いや、代わりに料理をする事もある。
    昭和18年、中学を辞めて「開明軒」で料理人の修行を希望するが卯野家も受け入れる余裕がないために叶わず、時勢柄修業先がどこにもないため、廃業間近の「うま介」で手伝いをする。
    昭和19年、勤労奉仕に通う日々の中、海軍の主計課で料理修業が出来ると知り志願。「兵隊さんの『ごちそうさん』になる」という強い思いで入隊を認められ旅立って行く。
    しかし、昭和20年3月18日に戦死したとの通知がめ以子に送られてくる[41]。め以子は通知の内容を信じられず、終戦後も彼の帰還を待ち続ける。やがて彼の戦友であった小関から明確な証言を聞き、遺品の手帳を渡されるに及んで、彼の死を認めざるを得なくなっため以子は、活男が手帳に書き残した「夢の中で食べたかったもの」をゆかりの人たちと食べる事で弔いとした。

 B 卯野家の人々

東京・本郷に居を構え、西洋料理店「開明軒」を営む。

卯野 トラ(うの トラ) / ぬか床 ※語り    演 - 吉行和子
    め以子の祖母でイクの実母。食べ物を丸ごと口に含み食べることから、幼馴染みに「丸飲みのトラ」とあだ名で呼ばれる。また、食べ物を人に見立て、寸劇をしてから食するのが常で、成長後のめ以子にもその行動は受け継がれている。
    幼少期のめ以子を寛容に見守り、第1週では時代劇風なやり取りがしばしば見られ、「食べる事」と「食べさせる事」の喜び、「ご馳走様」の意味などさまざまな道理を諭し、後のめ以子の「食」に対する考え方を形成する。
    大正11年・春の時点ですでに他界しているが、魂はぬか床に宿り卯野家を見守り続け、ぬか床をかき混ぜるめ以子の心情の聞き役になっている。
    め以子の嫁入り後は、卯野家から分けられたぬか床として、引き続き大阪でのめ以子や、め以子をめぐる人々を見守り、自らの感想を述べることもある。
    空襲により西門家のぬか床が焼失した後、事前に藤井に分けていたぬか床が戻るまでの間は、吉行の語りそのものが一切なかった。
卯野 イク(うの イク)    演 - 財前直見
    め以子の母。「開明軒」の接客および経理を担当し店を切り盛りしている。め以子の幼少期は、採算を考えず高級指向な夫の料理を「押し付けがましい」と叱責する。
    年頃になっても呑気なめ以子の行く末を心配するが、あわよくば結婚相手になることを期待して下宿生の悠太郎を受け入れ、め以子の心境の変化にも気付き始める。また、遅まきながらも料理を作る事に興味を持ち始めため以子の心境の変化を喜び、め以子に料理の基礎を教える。
    め以子が常連客の新井社長から持ちかけられた縁談を断り、悠太郎に求婚した際には、め以子の心境を推し量り、全面的にめ以子を援護する。
卯野 大五(うの だいご)    演 - 原田泰造 (ネプチューン)
    め以子の父。料理人で「開明軒」の店主。
    気さくだが、頑固で気が短い江戸っ子気質。若い頃は一流のホテルで修業し、「開明軒」も本格派フランス料理店を自負し営業していたが、メニューの独自性のなさと、客の要望を無視して形式的なフランス料理の作法を押し付ける頑固な態度を新聞で批判され、店の経営は一時低迷状態となり、め以子の級友が来た際も得意料理としていた赤茄子御飯と巨大オムレツを賄いに出すことに難色を示した。しかし、イクと涙を溜めため以子に懸命に説得され、め以子の級友らが賄いの料理を喜んで食べる姿を見て、自身のコックとしての原点を思い出し、伝統を残しつつも大衆の好みに合った洋食を作る方向へと考えを改める。
    娘のめ以子を幼少より可愛がっていて食道楽ぶりにも絶賛している(彼が作った巨大オムレツを見て喜んでるめ以子に、「こんなに大きいオムレツをこんなに上手く焼けるのは東京広しといえど、お父ちゃんくれえのもんだぞ」と自慢したり、ジャムを独占されて困惑するイクを宥め、「手に入るようになったらな、お父ちゃんが生の苺で世界一美味(うめ)ぇジャムを作ってやるからな。」とめ以子に約束したり、お店のために作ったアンズのシロップ漬けをめ以子によって一瓶全部食べられた際は家族一同呆れ果てたものの、彼だけは「俺の作るシロップ漬けが美味すぎるんだよな」と嬉しそうに理解を示していた。さらにめ以子の特性を活用し、開明軒や食卓のメニュー開発にも貢献させている。)が、下宿した悠太郎に無理矢理納豆を食べさせようとしため以子を叱責した事もある。また悠太郎に恋をしてから変わっていく様子に戸惑い、二人の結婚に反対し、め以子に勘当を言い渡したが、後に新井社長の説得で自らの結婚生活を思い返し、結婚を認める。
    関東大震災が発生した際には店の蓄えを使って炊き出しを行っていた[49]。その年の暮れ、家族で大阪の西門家を訪問し、表向きは故人とされていた正蔵が生きていることを知ると、最初は隠し事をされていたことに激怒するが、正蔵と出会ってから直ちに意気投合し、悠太郎と正蔵を和解させるために悠太郎の説得に動く。
    太平洋戦争中、孫の活男が料理人として海軍に志願した際には、本音では活男を「開明軒」に引き取りたく思いながらも時局上叶わないため、大人数を相手に効率良く料理を作るためのコツを手紙で助言する。
    終戦後間もなく、骨折したものの卯野家は皆無事との電報がめ以子に届けられる。その後、進駐軍のモリス大尉から「最高の日本料理」を所望されため以子からの相談の電話で、日本料理の醤油が持つ万能性について助言する。
卯野 照生(うの てるお)    演 - 井之脇海(幼少期:山崎掌)
    め以子の弟。高等小学校を卒業した後、「開明軒」で見習いとして働く。
    悠太郎を実の兄のように慕い、悠太郎とめ以子の結婚に最後まで反対していた大五を新井社長に説得してもらうよう、山本とタマに相談し作戦を立てる。
    母・イクの説明によると、「照生」の名には「生きることを照らす」という意味が込められている。
    劇中終盤のめ以子と大五の電話にて、昭和22年の時点では結婚・独立して子供もいることが仄めかされた。
クマ    演 - 松寺千恵美
    大正11年の時点で卯野家で働く女中。め以子の食べっぷりを評価する一方、彼女の将来を気にかけている。

 C 西門家の人々 

大阪・天満東に居を構える。元は造り酒屋であり、先祖代々200年続き相撲取りのタニマチをする程の名家。なお、後述の他に悠太郎の姉にあたる次女、三女、四女、五女(#西門四姉妹)がいるが、彼女たちは★和枝が持ち込んだ縁談で結婚し、家を出ている。

西門 正蔵(にしかど しょうぞう)    演 - 近藤正臣(若き日の正蔵:小堀正博)
    悠太郎らの父親。飄々とした人物だが、普通は捨ててしまう食材を活かし美味しい一品を作り上げる「始末の料理」の達人で、源太らから「師匠」「ほうるもんじいさん」と呼ばれている。
    後添いの元芸妓・静と出戻りの長女・和枝の諍いに耐えきれなくなり家族を捨てて家出した過去があり、残された西門家の人々から故人として扱われていた。静との馴れ初めに関しても、当初は彼女を庇って自分から強引に結婚したことにしていた。
    元鉱山の技師であり、国に貢献していることを誇りに銅山の掘削現場での仕事に取り組むなか、鉱毒発生問題で被害者への対応の矢面に立たされ苦悩し、前妻の死を口実に仕事を辞め逃げ帰った。失踪中は「★酉井 捨蔵 (とりい すてぞう)」と名乗りミナミの花街に潜伏し、子供たちに読み書きを教えていた。
    仕事に思い悩む悠太郎に、先述の自らの仕事での経験を手紙に綴った上で助言したことを機に、孫のふ久が誕生した夜に和解、西門家に戻る。
    周囲から問題児と思われていた孫のふ久の隠れた才能にいち早く気付き、第一の理解者になる。また悠太郎が亜貴子との浮気を疑われてめ以子に家を追い出された際にはわざわざ職場まで悠太郎を訪ね、自身の過去と照らし合わせながら悠太郎の真意を聞き、温かく見守った。
    その後発作で倒れるが、娘一同揃った上でのめ以子夫妻の祝言、そして息子の仕事ぶりを見届けた後、大往生を遂げる。

西門 静(にしかど しず)    演 - 宮崎美子(少女期:古和咲紀)

    悠太郎らの継母。元は「千代菊」の名でブロマイドが発売されるほどの人気の芸妓だった。10歳の半玉時代に親切にしてくれた正蔵に初恋をし、後に妻を亡くして荒れていた正蔵と座敷で再会したおりに強引に結婚し、西門家に後添いとして入った。
    家に入った当初は義母として西門家に馴染もうと努力していたが、後妻を快く思わない義娘・和枝らから度重なる「いけず」をされるうちにやがて家事を放棄、腹いせに高価な着物を買い続け家計を圧迫するようになる。
    和枝への対抗心から、嫁いで来ため以子には好意的な態度で接する。座敷で鍛えた話術と明るく社交的な性格の持ち主で、鈍感なめ以子の気づかない男女の機微に良く通じている。反面、着道楽による無駄遣いなど都合の悪い話題はのらりくらりとかわしている。三味線が得意で師匠の資格も持っており、芸妓をやめてからも置屋で教えているので多少の小遣い稼ぎになっている。
    め以子の嫁入り当初は「老け込むのが嫌」という理由から、家族にも「お静さん」と他人行儀に呼ばせていたが、め以子の働きで家族が一つになるにつれ「お義母さん」と呼ばれるようになり、次第に家内の事にも協力的になる。正蔵が西門家に戻ってからは穏やかな夫婦生活を送り、夫の最期を看取った。
    め以子の子供達とは血のつながりはないものの、彼らを実の孫同然に可愛がる。ふ久が周囲から問題児と見なされ、実母のめ以子も持て余していた際には、ふ久を「世界一の別嬪(べっぴん)さん」と呼んで庇い、無償の愛情を注ぐ。
    戦時下では食事の内容が貧しくなっていく有様に不満を露わにする。め以子が大量のステーキを焼いて近所の人々に振る舞い「贅沢は敵」と婦人会の女性達から非難された際には「贅沢は素敵やで」と巧妙に切り返し、荒んだ雰囲気を和ませる役を買って出る。
    昭和20年に空襲で西門家が焼失した後、桜子の家の別荘へ疎開する。戦前から戦中まで一貫して和服を着ていたが、終戦後にめ以子と再会した際には洋装になっており、大阪に戻るや否や早速着道楽を再開しようとする。蔵座敷の完成後は、元芸妓の才能と経験を活かして接客を担当する。
    昭和23年、泰介の初恋を聞かされて、今度は女の子の曾孫を期待し喜んでいたものの、桜子から相手・真沙子の人となりを聞かされると、あまりにも和枝にそっくりである事に怯えていた。
西門 和枝(にしかど かずえ) → 山下 和枝(やました かずえ)    演 - キムラ緑子
    悠太郎の長姉で西門家の長女。船場言葉で話し、一人称は「わて」。几帳面な気質で総領娘として家の一切を仕切り、伝統や格式を保つ事にこだわり、家事も完璧にこなす。料理も繊細で、得意とする鰯料理でめ以子は苦手な鰯を克服する。
    借金を抱える西門家の資産を増やすために株取引の場に頻繁に出かけていた。め以子には入籍を許さず女中扱いするなど、彼女に対し極端なまでの「いけず」な扱いをする。
    婚家の姑から冷遇され、一人息子の事故死を機に離縁され西門家に出戻った過去を持ち、再婚を決意した安西から騙されるなど、不遇な身上を憂い自殺未遂を起こす。その後、倉田の薦める縁談で豪農に後妻として嫁ぐ。
    再婚して西門家を離れても、め以子とは「お互い死ぬまで『いけず』し合う」という約束から、出産を控えため以子に糸を玉止めしていない産着やおむつを贈ったり、め以子と同じく創作料理のレシピを「ミセス・キャベジ」との匿名でラジオ番組に投稿して、め以子の採用を阻止して倍の数採用されるなど、手の込んだ「いけず」を続ける。
    嫁ぎ先の夫や姑らを看取った後は一人暮らしで、太平洋戦争中は買い出しの人々を相手に、骨董品や着物等と引き換えに食糧を配る。姑の他界後、周囲への借金の取り立てを厳しくしたり農業の方法を改善し、一部の近隣住民から嫌厭されるものの、これにより恩恵を受けた小作人たちからは感謝される。
    空襲により疎開してきため以子達を受け入れ、泰介の出征の際にはい草と笹の葉をちまき風に包んだ寿司[注 20]で送り出し、活男の戦死告知に悲しむめ以子には、自身もかつて子を失った経験と重ね、厳しくも愛情のこもった叱咤激励で立ち直らせる。
    戦後、め以子の蔵座敷に大量の鰯を持ち込んで来訪。め以子への口ぶりは相変わらずだったが、満足そうな笑顔を浮かべて料理を楽しんでいた。その帰り際、悠太郎が帰ってきたら伝えるようにと、疎開の際め以子が一筆認めた西門家の権利書を掲げて去っていった。
    戦後、実家が破産して売りに出された「うま介」の権利を買い取り大家となる。当初は馬介らを追い出して洋食店を出すつもりであったが、共に事業を起こすはずだった真沙子が実家の鰯料理店を手伝うことになったため、「いわしサンド」を新たなメニューとして出すことを条件に、馬介に店を貸し出す形で事業継続を認めた。ただし馬介からは高額の家賃を取っているらしい。
    オープニングにおいてのクレジットの際、一度だけ、彼女が最後の紹介(トメ)となっていた回がある。
    演じたキムラ曰く、役柄の反響から普段キムラと親しい人から連絡来なくなり、暫く人と会わなくなったという。
西門 希子(にしかど のりこ) → 川久保 希子(かわくぼ のりこ)    演 - 高畑充希(少女期:荒田悠良)
    悠太郎の妹で西門家の六女。大正12年当時は16歳の女学生。幼少から和枝と静との喧嘩を目の当たりにしていたため、め以子と出会った当初は内向的で無口な性格で、和枝の威圧からめ以子に対して寡黙を貫く。しかし、家族を思うめ以子の働きかけや努力に触れ、彼女を「ちい姉ちゃん」と呼んで慕い、喫茶店「うま介」の街頭宣伝の場で「焼氷有り〼の唄」(やきごおりありますのうた)を歌い美声を披露したり、自殺を図った和枝を叱咤するなど、次第に自分の意見を言い、社交的で明るい気質を表すようになる。
    父・正蔵の説明によると、「希子」の名は「希望(きぼう)」に由来するとのこと。
    1927年(昭和2年)、「大阪ラヂオ放送」の採用試験にて歌を披露して難関を突破しアナウンサーとして採用され、当時としては最先端の職業婦人となる。少女期は源太に密かに憧れていたが、不審な男に付きまとわれるため帰り道を共にするようになった同僚の川久保に次第に惹かれ、結婚する。
    結婚後も仕事を続け、夫と共に西門家で同居を続ける。「うま介」での源太の壮行会では、無事を祈り「いちごの唄」を披露する。
    昭和18年、正確な情報を伝えたい思いに反し、検閲を受けた原稿しか読めなくなった上、戦意を高揚するばかりの放送内容に嫌気が差すようになる。そのような折、室井がラジオの生放送で世界平和を唱える物語を即興で語った事に共感し、夫と共に機転を働かせて室井を役人の追及から庇う[78]。昭和20年には大阪が空襲の被害を受けるも、仕事上疎開を許されず、夫と二人で大阪に留まり続ける。
    終戦後は行方不明の家族や知人たちの情報を調べてめ以子に連絡する。また、放送局が進駐軍の管理下に置かれ街頭取材が可能になるが、め以子の料理を気に入った進駐軍のモリス大尉と、アメリカを憎みモリスを拒絶するめ以子との仲介役を強要される。この頃では、治安が悪化していた大阪に舞い戻ってきため以子を厳しく諫めて、彼女を憂慮しながらも強気な態度で疎開先に戻るように説得したり、モリスの苦言に対して堂々と反論を返したほか、大会の実況担当から漏れてしまい甲子園に行けなかったことをぼやくなど、内向的だった少女期から見違えるほどの成長を遂げている。
    昭和22年の時点では英語力が飛躍的に上達し、蔵座敷でのめ以子とモリス大尉の通訳も務めた。
川久保 啓司(かわくぼ けいじ)     演 - 茂山逸平
    大阪ラヂオ放送に勤務する希子の同僚。希子を付け狙う不審な男から守るため希子と帰りを共にするようになり、その後結婚。不審な男にも無駄に立ち向かわずに上手くかわすという穏やかな人物である。自ら平和主義者を語り、怒ることは滅多にないが、たまに怒ると(本人としては)怒りを押し殺し努めて平静に振る舞いつつも、その怒りを完全には抑えられず声や態度から漏れ出てしまい、他人に読まれてしまう所がある。
    結婚後は希子と共に西門家に同居。集団生活になじめないふ久に対して「居場所がないなら自分で作るという手もある」と助言を与えたり、自身が野球をやっていた経験から入手しづらくなった野球のミットを泰介のために見付けて来たりと西門家の子供たちを気にかける。また義兄の悠太郎とは仕事の面で相談し合うようになる。
    放送局員の仕事柄、社会の情勢に詳しく、戦時中の軍部の情報や戦後の進駐軍の動きをいち早く掴み、希子と共に対処法を家族に助言する。昭和22年に再開が決まった甲子園大会がGHQにより中止させられそうになった時には非常に憤慨し、大会復活のために泰介や諸岡と協力して嘆願運動の先頭に立ち、野球の事になると誰よりも熱くなる意外な一面を見せた。

ーーーつづく

 

(画像・ 1) /朝ドラ「ごちそうさん」、め以子は嫁ぎ先の大阪でもすこぶる元気 WEBザテレビジョン

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