母の日記をもらった。
入院する丁度一週間前まで
ほぼ毎日書いている。
どこに行ったか、誰に何をもらったか 何をしたか
農作業のこと 病院に行ったこと
結構まめに記入している。
この日記を一頁一頁 目を通していく。
農業の指針と思って・・・。
その一冊の日記は、父が亡くなる一年前から、書き始めている。
ロキソニンと言う薬の名前が、頻繁に出てくる
痛くて苦しかったことが、書かれていた。
それにしても、誰にも弱音を吐かずに
一人頑張っていたんだ。
そんなにしんどかったなら もっと手助けできたのに
今さら、後悔しても
もう母は、いない。
お通夜の日も 葬儀の日も 一粒だって涙は、出なかった。
母の理想の人間像には、程遠い私にとって、いつも
期待に応えられないもどかしさと 小さな自信すらも踏みにじっていく
そんな厳しい言葉に ようやく呪縛から解放されるという
安堵にも似た気持ちだった。
誰かが、搾取と言う言葉を使っていたのを
思い出す。
でもそんなのどうだってもういいんだ。
いなくなって初めて気が、付く。
あれもして
これもして
もっと長生きできたはずなのにって・・・。
ぼんやりとした感覚の中で 涙があふれてくる。