それ自体はまちがっていないです。
でも・・・
レスポンデント条件づけとオペラント条件づけはそれぞれなわけで
一概にオペラント条件づけだけでよいかのような言い方って間違ってないか?
簡単にいうとオペラント条件づけというのは行動が伴うわけだから
何か行動ができるようになってほしいと思えばオペラント条件づけを使うのはその通りです。
でも、それを「学習」とひとくくりにしてしまうのは片手落ちじゃないかしら?
「犬に学習してもらう」といういい方もひっかかるなぁ。
わんこにとっての「学び」は行動だけじゃないはず。
慣れること、慣れてリラックスできるようになって、その状態でいられること。
それを知らないでいるわんこにはそういう状態こそわんこにとって安心なんだよと教えてあげたい。
Choco.と8年過ごしてきて、トレーニングもそれなりにやってきました。
それで気づいたことは、オビディエンスとか服従訓練など競技会にでるのだったら、
座るのも、左に座るのか、右に座るのか、人の前に座るのか、それぞれを教える必要があるのは、わかります。
「飼い主が立ち止まったら座る。」と教える場合、「飼い主が立ち止まったら立ったまま止まった。」では
「Good♪」とわんこに言いません。
わかりやすく言うと、わんこの自主的な行動は評価されない。
でも日々の暮らしの中では、どの位置に座ろうが大勢に影響がないと思わない?
もっと言えば、道を渡るときに飼い主が立ち止まってわんこも止まった時、
おすわりで待とうが、立ったまま待とうが、ふせて待とうがわんこは待っているんだからいいじゃん。
「おりこうさん♪」に十分値することだと思いますよね。
自主的な脚側ふう
問題行動解決のためにその行動ができないように別の行動をやらせる方法があります。
たとえば、向こうから知らない犬が来た。うちの子は吠えたり、突進したりしそう…。
自分の犬に「おすわり」気をそらすためにおやつをあげるかもしれない。結果吠えなかった、スルーできた。
「おすわり」の姿勢は「突進できない」理屈ではそうなります。
こういうことってしつけ本にもよく出てくることじゃないですか、
初心者向けのしつけ本に書いてあるくらいだから今日からできそう。
「うちの仔はおすわりができる。」=「おすわりできるんだから、近づく犬をスルーできる。ハズ!?」って思うでしょ。
でも、成功した話って聞いたことがない。ほんとうはとてもハードルが高いことだと思います。
なぜなら・・・
座っていたって、気になって気になってしかたない相手から気持ちをそらすことって別だと思いませんか?
ほら、「座る」という行動と「気になるものから気をそらす」こと。こっちは行動じゃないですもんね。
「おすわり}という行動の中には「スルーする」ことは組み込まれていないと思いませんか?
ヒトにはつながって考えられるものでも、わんこには関連付けられない、意味不明なことだったりする。
しかもできなきゃ、「NO」だけど、わんこに理解できない「NO」ですよね。
だって、わんこは「おすわり」って言われたからすわったんだし。わんこにとってはもう「正解」のはずですもの。
オペラント条件づけを使って、「おすわり」を学習できても、それだけじゃ片手落ちってこういうことです。
それよりも、望ましい行動をさせたい…これも私に言わせれば、ヒトの都合としか思えないけど…と、思うより前に
わんこのココロを整えてあげることを優先したいです。
さっきのことでいえば、知らないわんこが近づいてきたけど、平常心でいられるわんこにしてあげたい。
平常心でいられるのなら、「おすわり」していても「そこらへんのにおい嗅ぎ」していても「いいこね♪」と。
遠いけど、興味津々の柴わんこがいることはわかっているChoco.
レスポンデント条件づけを使って強力な2次強化子を作ってわんこにとって「安心のつぼ」「心の港」が
確かなものとして存在することの方が近道だと思います。
ちゃんとわんこという動物を理解しさえすれば、だれにでも、どんなわんこでもできるようになること間違いなしです。
「おりこうさん♪」って言われただけで、Choco.の小さな頭の中や心にほんわかとした気持ちがあふれてきて
気持ちがスス~っと落ち着くのです。
しかも「おりこうさん♪」であろうが、「かっこいいね♪」であろうが、「タンタン♪」であろうが…
はたまた、「それはちがうよ」であろうが、同じように心に響きます。
行動できても感情はたかぶったままなのに、感情が静まると行動もおさまる。
ここに気づいてほしいです。
しかも飼い主側が、「この時はおすわりだったかしら?」とか「今はマテだったかしら?」って考えなくてもよい(笑)
…というおまけも。
わんこと仲良く楽しく暮らしたいならまずはレスポンデント条件づけを使って罰や叱りを使わずにトレーニングしましょう。
問題と思われる行動もその理由を考えずに、全部わんこのせいにしてただその行動を止めようとばかりするだけでは
わんこだって理解できずにギャクギレしたって仕方ないと思います。
そして、もっと問題が大きくなる…。
わんこのことをもっと学びましょうよ。
学ぶことで、問題と思われる行動にも意味があり、「今解決しなければ、将来は○○な犬になってしまう!」のではなく、
そういうお年頃だから、今の環境を変えてみたら…明日につながるヒントがみつかるもの、
自分の求めているゴールもうっすら見えたりもするものです。
そうすると天罰法も、リードショックも使う必要のないことがわかるはずですし、
ましてやわんこがヒトの上に立ちたいと思うはずがないこともわかるでしょう。
ただ、わんこが自分の命の安全が確保されていると思えるかどうか。
ヒトが動物福祉の心を第一に考え、理解しているか。
トレーニングするときにこの2本の柱だけはゆるがないようにしたいですね。
その先に、アジリティやフライングディスクやドッグダンスなどクリッカーを使った楽しいトレーニングが
たくさんありますよ(*^-^)
わんこの一生を決めるのは、その子と十年以上一緒に暮らす飼い主さんファミリーですよ。
同じ一生なら、わんこも幸せ、ファミリーも幸せで暮らしたいじゃないですか。
参考:
私は社会化のドッグトレーナー
私のお勧めは…
名前を呼んでおやつ
トレーニングを組み立てる
右サイドバーのチャーリードッグスクールのカテゴリのしるしのお仲間のブログもぜひ参考にしてくださいね。
子育ての本です。叱らないためには、発想の転換が必要です。
わんこのトレーニングでも同じです。