
Story
中学3年になる斉藤一夫(森田直幸)は、両親の離婚を機に、尾道から幼少期を過ごした信州に引っ越してきた。転校先の中学で幼馴染の斉藤一美(連沸美沙子)と再会する。偶然の再会を喜ぶ一美は、思い出話をするが、一夫は聞く気になれない。そんな一夫を、「昔を思い出させてあげる」と言って、幼い頃よく遊んだ蕎麦屋の水場、に連れて来る。水を汲もうと柄杓を伸ばした途端、足を滑らせ、二人は水の中に…。這い上がった時、二人の体が入れ替わっていた!(goo映画より)
2007年/日本/荻島達也監督作品

評価 ★★☆☆☆
オリジナル公開から25年。舞台も尾道から信州へと変わって、大林宣彦監督自らが再映画化。
この映画、リメイク作品なので観ようかどうしようか迷っていたんですけど、舞台も尾道から信州へと変わったし、ユーザーレビューの評価がすごく分かれていた映画だったので、やっぱり気になって観に行くことにしました。
さて、観終わってまず思ったことは、この映画、リメイクする必要があったのかなということです。やっぱり、小林聡美さん主演のオリジナル作品の方がはるかに面白く、今回、リメイクした作品には特に目新しさ、またオリジナル作品以上の面白さも感じませんでした。
「50年後の長野の子供たちに観せたい映画」ということで、長野の里の人たちから大林監督に依頼があったそうですが、それなら「転校生」という題材で再映画化する必要もなかったでしょうに、どうせだったら、新しい題材で映画を撮ってほしかったですね。また、内容的にもこれはちょっと、、と思うようなシーンがいくつかあって、本当に子供たちに観せてもよい内容なのだろうか、と思いました。
時代も現代が舞台のはずなのに、登場人物が着物を着ていたり、喋り方も昔の口調で、なんだか一昔前の映画を観ているような印象を受けました。私は、そのレトロさがかえって新鮮で楽しめましたが、現代風な転校生を期待して観に来た方は、時代錯誤な感じがしてちょっとダメかもしれませんね。
また、オリジナルでは、一夫と一美、男女の体が入れ替わることで色々なハプニングが起きて、そのドタバタぶりがとても面白かったのですが、今回の転校生では、どちらも入れ替わった自分の体をあまり抵抗もなく受け入れてしまって、そういったドタバタぶりが観られなかったのが残念でした。普通なら、男女の体が入れ替わるって、ものすごい葛藤があるはずなのに、主人公たちがお互いを受け入れて、割とすんなり日常生活を送ってしまっていたせいか、オリジナルに比べると面白さが半減してしまいましたね。
それから、体が入れ替わった後の一美の下着姿や裸、水着のシーンなどがやたらと多くて、観ていてあまり気持ちのいいものではなかったですね。特に、女性は嫌悪感を感じた人もいるのではないかしら?。。一美役の連沸美沙子ちゃんが、体を張ってがんばっているのには好感が持てましたが、まだ15才くらいの女の子だと思うと、なんだか痛々しい気持ちにもなりました。
物語の中盤から突然、一美が難病に侵されるのですが、この急展開にも唐突すぎてついていけなかったです。最近の日本映画は病気ものが本当に多いですが、死をもって命の大切さを説くというのは、あまりにも安易な感じが否めません。正直、ネタ不足のようにも感じられて、もう少し脚本をきちんと描いてほしいですね。せっかく中盤まではこの映画をそれなりに楽しんでいたのに、この急展開から一気に冷めてしまいました。
ただ、大林監督らしく映像はとても凝っていて、少し斜めの角度で登場人物たちを映し出したり、長野市の街並みを幻想的に美しく映し出していたことは、ファンタジー映画の雰囲気にはぴったりで好感が持てました。長野市には何度か足を運んだことがあるので、普段知っている善光寺界隈のお店や通りなどが、綺麗に映し出されるのを観ると、また行きたくなってしまいますね。
そういう意味では、映画の内容云々より、長野市のPRになったことで、この映画を作ったことは成功と言えるかもしれません。
映画『転校生-さよなら あなた-』公式サイト
(「転校生-さよなら あなた-」2007年7月 佐久平 アムシネマにて鑑賞)
中学3年になる斉藤一夫(森田直幸)は、両親の離婚を機に、尾道から幼少期を過ごした信州に引っ越してきた。転校先の中学で幼馴染の斉藤一美(連沸美沙子)と再会する。偶然の再会を喜ぶ一美は、思い出話をするが、一夫は聞く気になれない。そんな一夫を、「昔を思い出させてあげる」と言って、幼い頃よく遊んだ蕎麦屋の水場、に連れて来る。水を汲もうと柄杓を伸ばした途端、足を滑らせ、二人は水の中に…。這い上がった時、二人の体が入れ替わっていた!(goo映画より)
2007年/日本/荻島達也監督作品

評価 ★★☆☆☆
オリジナル公開から25年。舞台も尾道から信州へと変わって、大林宣彦監督自らが再映画化。
この映画、リメイク作品なので観ようかどうしようか迷っていたんですけど、舞台も尾道から信州へと変わったし、ユーザーレビューの評価がすごく分かれていた映画だったので、やっぱり気になって観に行くことにしました。
さて、観終わってまず思ったことは、この映画、リメイクする必要があったのかなということです。やっぱり、小林聡美さん主演のオリジナル作品の方がはるかに面白く、今回、リメイクした作品には特に目新しさ、またオリジナル作品以上の面白さも感じませんでした。
「50年後の長野の子供たちに観せたい映画」ということで、長野の里の人たちから大林監督に依頼があったそうですが、それなら「転校生」という題材で再映画化する必要もなかったでしょうに、どうせだったら、新しい題材で映画を撮ってほしかったですね。また、内容的にもこれはちょっと、、と思うようなシーンがいくつかあって、本当に子供たちに観せてもよい内容なのだろうか、と思いました。
時代も現代が舞台のはずなのに、登場人物が着物を着ていたり、喋り方も昔の口調で、なんだか一昔前の映画を観ているような印象を受けました。私は、そのレトロさがかえって新鮮で楽しめましたが、現代風な転校生を期待して観に来た方は、時代錯誤な感じがしてちょっとダメかもしれませんね。
また、オリジナルでは、一夫と一美、男女の体が入れ替わることで色々なハプニングが起きて、そのドタバタぶりがとても面白かったのですが、今回の転校生では、どちらも入れ替わった自分の体をあまり抵抗もなく受け入れてしまって、そういったドタバタぶりが観られなかったのが残念でした。普通なら、男女の体が入れ替わるって、ものすごい葛藤があるはずなのに、主人公たちがお互いを受け入れて、割とすんなり日常生活を送ってしまっていたせいか、オリジナルに比べると面白さが半減してしまいましたね。
それから、体が入れ替わった後の一美の下着姿や裸、水着のシーンなどがやたらと多くて、観ていてあまり気持ちのいいものではなかったですね。特に、女性は嫌悪感を感じた人もいるのではないかしら?。。一美役の連沸美沙子ちゃんが、体を張ってがんばっているのには好感が持てましたが、まだ15才くらいの女の子だと思うと、なんだか痛々しい気持ちにもなりました。
物語の中盤から突然、一美が難病に侵されるのですが、この急展開にも唐突すぎてついていけなかったです。最近の日本映画は病気ものが本当に多いですが、死をもって命の大切さを説くというのは、あまりにも安易な感じが否めません。正直、ネタ不足のようにも感じられて、もう少し脚本をきちんと描いてほしいですね。せっかく中盤まではこの映画をそれなりに楽しんでいたのに、この急展開から一気に冷めてしまいました。
ただ、大林監督らしく映像はとても凝っていて、少し斜めの角度で登場人物たちを映し出したり、長野市の街並みを幻想的に美しく映し出していたことは、ファンタジー映画の雰囲気にはぴったりで好感が持てました。長野市には何度か足を運んだことがあるので、普段知っている善光寺界隈のお店や通りなどが、綺麗に映し出されるのを観ると、また行きたくなってしまいますね。
そういう意味では、映画の内容云々より、長野市のPRになったことで、この映画を作ったことは成功と言えるかもしれません。
映画『転校生-さよなら あなた-』公式サイト
(「転校生-さよなら あなた-」2007年7月 佐久平 アムシネマにて鑑賞)
僕もよく覗かせてもらってました。
ご夫婦で書かれているので男女の視点の違いが分かったり
いつも興味深く読ませてもらっていますw
ちょっと古臭かったですよね~。
難病モノも今さらって感じでした。。
でも大林作品が大好きな人にはたまらないのかもしれませんね。
でもこれって50年後の子供たちに見せたい映画として作ったんですか!?
なんだか微妙な気がします(苦笑)
早速、遊びに来て頂いて嬉しいです。
TB&コメントありがとうございました。
夫婦で観た映画やそれぞれが観た映画を、少しずつですが更新していますので、これからもぜひ遊びに来て下さいね。
そうなんです。50年後の長野の子供たちに観せたい映画、として今回の転校生を作ったらしいのですが、その割には内容がうーん、、という感じで、私も微妙な感じがしますね。。^^;
難病ものにはせずに、オリジナルと同じ展開の方がよっぽど面白かったような気がします。
この映画に関しては、評価がすごく分かれているので、大林作品が好きな方には、この映画のテイストが気に入ったのかもしれないですね。
懐かしい言葉ですね。尾道転校生の公開前夜、
まさにそのような言葉が世間から投げかけられていました。
今から27年前(現09年)尾道転校生で主役を演じた小林聡美さんが胸を丸出しにしたこ事や、下着姿は当時の世間環境からすると、まさに、「本当に子供たちに観せてもよい内容なのだろうか」と大人たちは言ったものなんです。
ましてや、家出する前のシーンで「あたしの裸見ておきたいの」は、は当時あれが限界だっただけの事です。
それに当時15歳の小林聡美さんは、恥かしいシーンの出待ちで泣いておられたらしいですら。
しかし、世間の憂いとは裏腹に、映画は全く
いやらし気がない青春の淡い想い、胸にキュン
とくる映画でカップリング上映の当て馬状態が逆転し、最後には転校生だけで上映されたのは
ご存知の通りです。
そもそも、原作の山中恒氏の「おれがあいつで
あいつがおれで」が児童文学界から異端扱いされ上記の言葉以上にバッシングされていたのは
記憶に新しい事です。 だからこそ氏は、
「オレは児童読み物作家だ!」と公言されてらっしゃるのですが。
何が言いたいのかといいますと、大人が憂う
ほど視る側はそんな変には捉えていないという
事です。
一部には大人にも子供にもイヤラしくしか捉えないのが居る事は事実ですが。
すみませんが、大林宣彦監督の事をちゃんと
理解されておられるとは思えません。
「登場人物が着物を着ていたり、喋り方も昔の口調・・」これは大林監督の映画を理解する人には絶対出てこない台詞です。
多くの大林監督の作品には着物の女性が登場し
ます。そもそも尾道転校生にも着物の女性は
しっかり登場しいるのですがお忘れですか?
チョイ役ですけれど・・・。
「大林監督らしく映像はとても凝っていて、少し斜めの角度・・・」これは何故かよく話題にされるのですが何故ですか? そんなに珍しいですか?
大林監督は只、古典的一映像表現手法を使って
いるに過ぎないのに。 別に凝っている訳でも
なんでもないんですよ。
「最近の日本映画は病気ものが本当にい・・」
少なくとも監督にそんな世間の事は全く眼中にないです。というか、知りもしないでしょう。自分がやりたいからやる。世間がどう言おうと。大林監督は商業映画に乗ってるとはいえ、基本、インディーズ魂ですから。
大体、一美が死ぬ事だって、監督のポッとした思い付きですから(笑。
後は、恭子さんのOKが出ればGO!なだけです。
むしろ、監督は今の時代の悪化に心を痛めておられています。いとも簡単に人を殺し、戦争は終わる事が無い。だからこそ人は人を理解し歩みよれないか・・・映画がその改善に役に立てないかと。
「死をもって命の大切さを説くというは・・」
本当にこの映画をそうご覧になったのですか?
だとしたら悲しいことです。
互いの立場に立ってこそお互いが理解出来、
思いやりが生まれ、それが愛に至る。というプロセスは新旧転校生は何の変わりもありまん。「死をもって命の・・」なんてシーンは存在しませんし、監督は表現してもいません。
たまたま一美が死ぬというだけの事。
だから、監督はあえて何の病気だとか、どこで
いつ死んだとかは一切触れてないです。
所が、大林監督流を理解できない人は、そこが
知りたい所だとほざくのですが。
それをやってしまうと、安っぽい只のお涙頂戴映画になってしまうんです。
今回は究極の別離、だからこそ、いや、ここまで書いて理解できなかったら無駄ですね。
出来れば、大林監督の旧作品をご覧になると良いと思います。
実際は、出費が嵩むので無理でしょうけれど。