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夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

サンキュー・スモーキング

2006年11月09日 | さ行の映画
Story
ニック・ネイラー(アーロン・エッカート)はタバコ業界のPRマン。彼の役目は、世間から憎まれるタバコ業界を情報操作でイメージアップすることだ。業界を訴えようとしている肺がんのマルボロマンを買収して思いとどまらせたり、ハリウッドのエージェントと交渉してスターにタバコを吸わせようとしたりと、忙しい毎日。ただ、妻と離婚したために、息子のジョーイ(キャメロン・ブライト)と週末だけしか会えないので、父親としての自分を理解してもらえないのが悩み。そんな中、嫌煙運動の急先鋒フィニスター上院議員(ウィリアム・H・メイシー)がタバコのパッケージにドクロマークを付ける法案を通そうとする。一方、ニックは、体中にニコチンパッチを貼付けられてあわやの嫌煙テロに遭ったり、女性ジャーナリストに内幕を暴露されてイメージ失墜と災難が続く。反タバコ法案を通過させる公聴会が近づく。彼は、息子のため、中傷された仲間のために公聴会で証言する決心をする。
2006年/アメリカ/ジェイソン・ライトマン監督作品




評価 ★★★★

あれ、「記憶の棘」の子が出てる。ということは、トムの奥さんと連続競演ですね、なんて奴だ。
アーロン・エッカート扮するタバコ業界のPRマンは、気持ちがいい程論理のすり替えがうまい。参考になったので、仕事に役立てようと思います。
ウィリアム・メイシー扮する上院議員とダメな助手の漫才コンビ的なボケとツッコミの会話も面白かった。その他、肺がんのマルボロマンや勘違い日本趣味のハリウッドエージェントなど、登場人物のキャラクター設定がユニークかつしっかりとしているので、しゃべりが主体のドラマであるにもかかわらず引き込まれました。
タバコにドクロマークは極端にせよ、身の回りの物を見ると、”~する危険があります”やら”~しないでください”やら、言わずもがなのことを書いた商品が散乱してますね。PL法があるからしょうがない面もあるけど、知らず知らず自分で考えることを止めて幼児化してしまう危険性があります。この映画は、そんな風潮に対するアンチテーゼと見ることもできます。自分で責任を持って判断することは、当たり前のようでいて忘れてしまいがちです。
映画の最後では、携帯電話と脳腫瘍の関係に言及していました。真偽はわかりません、これも自分で判断しないといけませんね。




評価 ★★★★★

タバコ業界のPRマン、ニックが得意の話術で相手を煙にまく様はとにかく痛快で、愛煙家も嫌煙家もどちらも観ていて楽しめる作品に仕上がっていると思います。
主人公ニックを演じているのがアーロン・エッカートですが、彼以外のキャスティングは考えられないくらい好演でした。
タバコは害であることを自覚しながらも、タバコ会社の利益のために(また家のローンのために)汚れ役を演じている会社人としての顔と、離婚したために離れて暮らしている息子には、いい父親として見られたいお父さんとしての顔、この二面性がニックの魅力でもあり、エッカートはそれを上手く演じていたと思います。

この映画は、タバコをめぐる議論のなかで、世間の風潮に流されずに「自分の頭で考えて、自分で決めること」がいちばん大切なことだと伝えています。
ニックも大事なことは自分で考えて自分で決めることだと、息子に教えていますよね。
そんなお父さんを尊敬して、学校ではおとなしかった息子がだんだん強くなり、成長していく姿はとてもほほえましかったです。

その他にもタバコ業界のニックにアルコール業界のポリー、銃製造業界ボビーの3人が、モッズ特捜隊(死の商人を意味する)を結成するのですが、その食事会の席で、死因が一番高いのはうちの業界だと、言い合う場面が最高に可笑しかった。
その後、ニックの公聴会での活躍で、ファーストフード業界、生化学業界?などモッズ特捜隊のメンバーが増えていきますよね。健康志向でアメリカ社会から煙たがられている業界の人間たちが、嫌われ者同士、慰め合っている感じが面白いです。

ライトマン監督はこの映画がデビュー作で、まだ若干28才!この監督のお父さんが「ゴースト・バスターズ」「デーヴ」で知られる映画監督のアイヴァン・ライトマン。やっぱりカエルの子はカエルというか、才能は受け継がれるんですね。この見事なデビュー作で、これからの作品にとても期待できそうです。

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2 コメント

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TB&コメントありがとうございました ()
2006-11-12 21:21:17
こんばんは。寒い長野でネットしています。(笑)
やっぱり この映画のポイントは
「自分の目で確かめ 自分の頭で考えること」ですよね♪
私自身は タバコが嫌いなので
ドクロマークをつけてもらっても
一向に構わなかったんですけど(笑)
副煙のほうが 被害が大きいといわれてますし・・(あ・・でもこれも 確かめないといけないですかね?)
こちらからもTBさせていただきました♪
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こんばんは (nyanco)
2006-11-13 17:37:27
今、長野にいらっしゃるんですね。
こっちはすごく寒いでしょう。。
昨日からまた急に寒くなってきたので、そろそろ冬服に衣替えしないといけないな~と思っています。^^;

こちらこそTB&コメントありがとうございました。
今の世の中、情報がすごく氾濫しているので、その中で何が自分にとっていいものなのか、自分で見極めることって難しくなってきていますよね。
私もこの映画を観て、自分で考えて決めることって大事だな、と感じました。
最初はタバコ業界の物語かと思っていましたが、色々考えさせられて、なかなか奥の深い映画ですね。^^
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