
Story
フランスの国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)が自伝本「真実」を出版し、それを祝うためという理由で、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)が、夫でテレビ俳優のハンク(イーサン・ホーク)や娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。早速、母の自伝を読んだリュミールだったが、そこにはありもしないエピソードが書かれており、憤慨した彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝をきっかけに、母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く真実が次第に明らかになっていく。(映画.comより)
2019年/フランス・日本/是枝裕和監督作品

評価 ★★★★☆
予告でこの映画を観たときは、母娘のとてもシリアスな物語かと思って、ちょっと敬遠していたんですが、実際はテンポ良く物語が進行していき、コミカルに描かれていたので、思った以上に楽しめました。
この映画に登場してくる女性陣、母(女優)と娘(マネージャー&脚本家)が仕事で外出しているのが多いのに対して、男性陣、義理の父親と娘の夫が忙しい女性陣に変わって家事や育児にいそしんでいたのが、今風な家族の形を表現していて面白かったです。
この映画を観て、子育てより女優業を優先させたり、家族の気持ちを考えない、どんなに自分勝手な母親でも、子どもは親のことを嫌いにはなれないんですね。頭では理解できなくても、母親を好きであろうとする娘を演じたジュリエット・ビノシュの演技がとても良かったです。また、母親を演じたカトリーヌ・ドヌーヴも、彼女が演じると嫌いなタイプの女性がなぜか憎めない愛すべきキャラクターに見えるから不思議でした。
女優としては一流の役者になれなかったという悩みがあったようですが、彼女の周りにはいつも彼女を支えてくれたり、サポートしてくれる人や家族に恵まれていて、ある意味、幸せな人生だったように思います。
是枝裕和監督は、日本映画でも色々な家族の形を描いていますが、外国映画だと、こういったウッディ・アレン調のシニカルでコミカルな感じの映画も撮れるんですね。今までの日本映画も素晴らしい作品が多いですが、こういう見終わった後にほんのりと温かい気持ちになる作品の方が私は好きですね。

評価 ★★★★☆
母(ドヌーブ)と娘(ビノシュ)のヒステリックな大バトルが展開するのかと思って気が進まなかったけど、イーサン・ホークがでてるし、一応観ておこうと映画館にでかけたのですが、軽やかな展開にホッとしました。
「隣は監獄なのよ」と、自分の邸宅に案内する女優業の母。そう、これは演ずることに捕われてしまった女性の物語なのでした。
事実と創作、本音と演技が真実を形作って行く、そしてそれを肯定してしまうのがこの物語の核心かと思いました。
終盤でビノシュが虚構を織り交ぜ母への気持ちを伝えるのですが、それを観たビノシュの娘が「これって、真実?」と問いかけるシーンがこの映画のハイライト。
劇中劇として扱われる撮影中のSF映画が合わせ鏡のように作用して情感を盛り上げ、イーサンのダメ男っぷりも笑いを添えて、深刻になりそうな題材を実に軽快にまとめてくれたのに拍手したいです。
映画も現実も一緒くたでいいじゃないかと言っているような、是枝監督の眼差しはエンドロールまで眼が離せません。
映画『真実』公式サイト
(「真実」2019年 11月 立川kinoシネマ にて鑑賞。)
フランスの国民的大女優ファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)が自伝本「真実」を出版し、それを祝うためという理由で、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミール(ジュリエット・ビノシュ)が、夫でテレビ俳優のハンク(イーサン・ホーク)や娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。早速、母の自伝を読んだリュミールだったが、そこにはありもしないエピソードが書かれており、憤慨した彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝をきっかけに、母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く真実が次第に明らかになっていく。(映画.comより)
2019年/フランス・日本/是枝裕和監督作品

評価 ★★★★☆
予告でこの映画を観たときは、母娘のとてもシリアスな物語かと思って、ちょっと敬遠していたんですが、実際はテンポ良く物語が進行していき、コミカルに描かれていたので、思った以上に楽しめました。
この映画に登場してくる女性陣、母(女優)と娘(マネージャー&脚本家)が仕事で外出しているのが多いのに対して、男性陣、義理の父親と娘の夫が忙しい女性陣に変わって家事や育児にいそしんでいたのが、今風な家族の形を表現していて面白かったです。
この映画を観て、子育てより女優業を優先させたり、家族の気持ちを考えない、どんなに自分勝手な母親でも、子どもは親のことを嫌いにはなれないんですね。頭では理解できなくても、母親を好きであろうとする娘を演じたジュリエット・ビノシュの演技がとても良かったです。また、母親を演じたカトリーヌ・ドヌーヴも、彼女が演じると嫌いなタイプの女性がなぜか憎めない愛すべきキャラクターに見えるから不思議でした。
女優としては一流の役者になれなかったという悩みがあったようですが、彼女の周りにはいつも彼女を支えてくれたり、サポートしてくれる人や家族に恵まれていて、ある意味、幸せな人生だったように思います。
是枝裕和監督は、日本映画でも色々な家族の形を描いていますが、外国映画だと、こういったウッディ・アレン調のシニカルでコミカルな感じの映画も撮れるんですね。今までの日本映画も素晴らしい作品が多いですが、こういう見終わった後にほんのりと温かい気持ちになる作品の方が私は好きですね。

評価 ★★★★☆
母(ドヌーブ)と娘(ビノシュ)のヒステリックな大バトルが展開するのかと思って気が進まなかったけど、イーサン・ホークがでてるし、一応観ておこうと映画館にでかけたのですが、軽やかな展開にホッとしました。
「隣は監獄なのよ」と、自分の邸宅に案内する女優業の母。そう、これは演ずることに捕われてしまった女性の物語なのでした。
事実と創作、本音と演技が真実を形作って行く、そしてそれを肯定してしまうのがこの物語の核心かと思いました。
終盤でビノシュが虚構を織り交ぜ母への気持ちを伝えるのですが、それを観たビノシュの娘が「これって、真実?」と問いかけるシーンがこの映画のハイライト。
劇中劇として扱われる撮影中のSF映画が合わせ鏡のように作用して情感を盛り上げ、イーサンのダメ男っぷりも笑いを添えて、深刻になりそうな題材を実に軽快にまとめてくれたのに拍手したいです。
映画も現実も一緒くたでいいじゃないかと言っているような、是枝監督の眼差しはエンドロールまで眼が離せません。
映画『真実』公式サイト
(「真実」2019年 11月 立川kinoシネマ にて鑑賞。)
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