銭湯が好きである。
子供の頃、六畳一間、風呂なしトイレ共同のアパートに、一家三人で暮らしていた。
そう、貧乏だったのよ。
当然、風呂は銭湯。
その状態は、数度の引っ越しを経た18歳過ぎまで続いた。
お陰で、銭湯に違和感がない。
私が子供の頃、家に風呂のない家庭はたくさんあって、夜8時くらいには、
シャワーとか洗い場の蛇口、全部埋まって、床で洗面器でお湯汲んで洗ったりした。
子供もたくさんいて、脱衣場の真ん中にベビーベッドが並んでた。
ってか、大きな台を高さ20cmくらいの柵で仕切って、ぺらぺらの座布団みたいなのを敷いただけのもんだが。
母親が風呂に入っている間、子供の様子を見てくれるお手伝いみたいな人も居た。
盆暮れには、ささやかなお礼をそのお手伝いに贈ったりしたようだ。
今、風呂のない家はほとんどないだろう。
お陰で、この辺の銭湯もほとんど潰れた。
現在、駅前に一軒だけ残っている。
大阪の銭湯は、デフォルトでジャグジーとか電気風呂とか入浴剤入りとか水風呂とかサウナとか、
付いてます。
この駅前銭湯にも在る。
しかもこの銭湯、手ぶらで行ける。
貸しタオルと、一回分のシャンプーとリンスと石鹸を売ってる。
会社帰りに行くと、クレンジングも貸してくれる。
こないだ行った。
湯船の端っこに座って浸かっていたら、80過ぎの婆さんが湯船から上がろうとした。
私の向かいで、後ろ向きに湯船の端に手を掛けた。
四つん這いを後ろ斜め下から見上げる感じ。
おしりと、あそこ、丸見え。
私の頭をよぎった事。
「うわぁ、あそこ、でかっ...」
すんません、下世話で...
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