乗鞍高原・上高地情報

乗鞍高原と上高地の四季の自然の姿を現地に滞在するガイドが紹介します。

「虫の仕業」

2007-02-02 17:04:43 | 乗鞍アドレナリン日記
頂きを目指し、ひたすら汗を掻きながら、前の人のザックと自分の足元を見つめながら歩く。
そんな達成感に満ちた登山も良い。
頂上に立った時の喜びは一入(ひとしお)である。

しかし、スノートレッキングの楽しみ方はちょっと違う。
もちろん目標の場所に到達する喜び、という点では同じである。
だが、それ以上に歩いている過程に本当の面白みが隠されている。
それゆえ、基本的にのんびりとじっくり歩く。
少し息が切れたら小休止。
立ち止まり、自然の音に耳を傾ける。

アカゲラが朽ちた木を突付く音。
風が木を揺らす音。
雪がウェアに落ちる音。
遠くに響くゲレンデの音楽?!(俗っぽくなってきたのでここまで・・・・)

さらに、目を遠くに向け、森の中に小さな感動を探す。

これまたアカゲラの仕業のきれいに空いた穴。
立ち枯れした白樺にパンケーキのようなサルノコシカケ。
青空に映えるヤドリギたち。
「ん?!なんだこれは?あのササ面白い!!」

今日の写真にもなっている正体不明のササ。
じっくり観察すると、どうやら均一に穴が空いている。
いったいどうやって完成に至ったのであろうか?
皆さんもあれこれと考えてほしい!
そして、考えた末に下記の答えを確認せよ!!


春のササの新芽はクルクルと丸まり、串の様に尖っている。
皆さんも、山歩きの際によく目にしたり、抜き取って口に咥えたりしたことがあるであろう。
この時に、ササの新芽を好む虫たちが一箇所をモグモグ。
幾重にも重なった葉に穴が開く。
ササは徐々に、成長し葉を広げる。
切り絵の原理で、見事に均一に丸く穴が!!

「穴空きザサ」には面白い云われがある。
岐阜の高山近辺に伝わる話だ(また聞きで申し訳ないが・・・・)。
この地域の人々はこの不思議なササを「弾丸ザサ」と呼んだ。
戦時中、戦地に赴く彼氏に彼女がお守りとして手渡したものらしい。
穴だらけである特徴から、一度撃たれたからには二度は撃たれない!!
だとか、もし撃たれても弾丸が穴からすり抜けていくなどと信じられていた。
なんとも、興味深い、ロマンチックな話である。
そう聞くと、見方がガラリと変わり、何とも言えず、目を細めて見てしまう。
皆さんも、ササを見つけた際には是非!!この話を思い出して頂きたい。

森の中にはたくさんの秘密が隠されている。
いつもよりゆっくりなペースでキョロキョロしてみては?
きっと小さな感動が見つかるはず・・・・




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
自然はたのしい (あさみ)
2007-02-02 20:54:31
何度聞いても忘れる虫の名前・・・・でもササの近くを通るたびにここにもある!と喜んでしまいます。明日はエビフリャアを探しに森に行きます。
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自然の恩恵 (デューク)
2007-02-03 09:33:45
あさみさん初書き込みありがとうございます。
コメントを見る限りでは、あさみさんはかなりの自然派思考な方だとお見受け取りします。
僕たちODSSスタッフも、無論自然大好き、遊び大好きな猛者!?ばかりです。

これからも、乗鞍での日々の感動、スタッフ日記を発信していきますので、ご愛読の程よろしくお願いします!

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乗鞍最高! (ねぎプー)
2007-02-05 01:02:25
ふわふわの雪、寒さに耐える木々、動物たちの足跡・・・
乗鞍の雄大な自然に感動しました。
みねちゃん、素晴らしい一日をありがとう!
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こちらこそありがとうございます!! (PJ MINE)
2007-02-06 17:21:28
ねぎプー!!
さっそくの書き込み、ありがとうございます!!
乗鞍&上高地の2日間。
実によく歩き、よく撮影しましたね。
満足のいくお写真が撮れていることを願っております。
乗鞍&上高地の自然は決して逃げません。
毎日変化に富んだ素晴らしさを見せてくれます。
また是非!!
近くに来られた際には、お気軽にお立ち寄りください。
再会を心より楽しみにしております!!
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