熊じぃの戯言

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U-19最終レポート 悔しさの分だけ成長しよう

2006-11-14 12:10:25 | 五輪
了戒美子さんからの最終レポートが出ているので紹介する。

悔しいだろう。この悔しさが次の成長につながる事も明白である。考え方によっては優勝しなくて良かったかもしれない。優勝すると勝ったことだけに注目が集まり不足している部分が明確にならないからである。

これからの精進して来年の大会での活躍を期待する。

ガンバレ!!  ニッポン!!!!

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【U-19日本代表 vs U-19北朝鮮代表 レポート】悔しさの分だけ、強くなる。PK戦の末北朝鮮に破れ、ジンクス打破ならず。 [ J's GOAL ]


●AFCユース選手権インド2006 決勝
11/12(日)22:30キックオフ(日本時間)/ソルトレークスタジアム
U-19日本代表 1-1(3 PK 5) U-19北朝鮮代表
得点者:3' RI, Chol Myong(北朝鮮)、34' 柏木陽介(日本)
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6度目の決勝の座に上り詰めながら、120分を終えPK負けを喫した日本。残念ながら、初の栄冠に輝くことはなかった。
「何かが足りなかったのだと思う。でも選手たちは全員よくやってくれた」
敗戦から一夜明け、吉田監督はいつもの穏やかな表情で話した。優勝者北朝鮮との差はわずかPK1本分。何よりもこの1年で3度目の対戦、ここまで2勝しているだけに悔しさが募る。「悔しさが一番力になる。一番悔しい負け方をして、これが世界に向かう力になる」勝利することは出来なかった、だが来年行われるU-20ワールドカップへ向かう新たな原動力を日本は得た。
 
決勝のスタメンは、準決勝から大幅に変化した。フォワードに2試合連続得点の青木(千葉)を起用、出場停止の槙野(広島)に代わり最終ラインには青山(名古屋)が入った。青山が務めていたボランチを森重(大分)が守る。ここまで昨年2月以来ずっと戦ってきたメンバー、不安はなかった。だが、立ち上がりわずか3分、またしても失点を食らう。ディフェンスのクリアボールからつながれ、センターサークル付近からのループ気味のミドルシュートがネットをゆらした。2試合連続で立ち上がりの失点。このチームの癖がここに来て出た。

ベスト4に入り世界切符を手に入れることを第一目標に戦ってきたこのチームにとって、準決勝、決勝とモチベートすることは難しかったのではないか、そう指揮官に尋ねてみた。「もちろん口をすっぱくして言ってはいるんだけど。(低モチベーションと)そういうわけではない」と否定された。だが、こうも言う。「サッカーには交通事故みたいなことはつき物。それに(ずっと抱えてきた問題がここで解決するなど)全てがうまく行くわけではないし、どこかに緩みがあったのかもしれない」と。

準決勝、決勝と2試合続けて立ち上がりの失点、その原因はこの時点でははっきりしない。だが世界へ向かう上で改善すべきポイントの上位にくることは間違いない。
また、その一方で試合展開からしてみれば重要な失点であったことは間違いなく「あれでゲームプランも変わる失点だった」と指揮官も認め、柏木(広島)、梅崎(大分)やスタンド観戦に回った槙野は「あの失点がすべてだ」と話した。

前半こそ北朝鮮の勢いにやられたが徐々に盛り返し、相手も引き、柏木を中心にショートパス主体の攻撃を仕掛ける。「この大会では自信もついたし、成長もしたと思う。MVPも途中意識したくらいだし」と笑い、手ごたえを感じさせる話しぶりで大会を振り返った柏木。その彼が、34分、右サイドでボールを受けるとひとりでディフェンダー二人を交わし、最後はゴール右すみへ叩き込んだ。なんとも鮮やかなゴールで同点に。しかし、これ以降残る90分近く、スコアが動くことはなかった。

「今大会最高のコンビネーション」と梅崎自身が振り返ったが、梅崎、柏木を中心に後半は面白いように相手を崩す。だが、最後シュートが決まらない。もしくは打てない。ハーフナー(横浜FM)、伊藤(中京大学附属中京高校)を次々に投入「ここまで試合に出ていない悔しさの分やってくれると思った」と吉田監督は話したが、この交代も功を奏すことはなし。河原(新潟)や香川(C大阪)はこの試合出場機会はなかった。後半梅崎は右足をつらせていたが、「彼がいけるという限り、代えるつもりはなかった」と話し、梅崎は最後までプレーすることとなる。

PKに入りトップバッターはその梅崎。「(足はつっていたが)何があっても基本的に一番手は彼。彼がはずすなら仕方がない」と指揮官の全幅の信頼を得た梅崎のキックは若干甘いコースに飛び、難なくはじかれる。先蹴りの北朝鮮は全員が決め、日本の最終キッカーを待たずに決着はついた。

ひとり泣きじゃくる梅崎。この1年半、幾度となくそのミドルシュートで、ドリブルでこのチームを救ってきた彼には、福元(大分)が、森重が肩を抱きにいく。そして、もうひとりの早生まれ河原も、監督スタッフも次々に声をかけた。表彰式を終え、ロッカーに戻り、そしてミックスゾーンに出てきた梅崎の目にはまだ涙がにじむ。「ほんと悔しいです。これを乗り越えてもっともっと大きな選手になりたい」と言葉をかみ締めた。そして最後に「楽しかったです。最高のチームでした」と笑顔を見せてくれた。

敗れた要因はいくらでもあるだろう。柳川(神戸)の帰国、槙野の出場停止、「試合に出ていない分やってくれる」と思った交代選手ではなく、他に効果的な交代もあったかもしれない。それでもこれがこのチーム、スタッフ、選手で出した結果だ。ピッチ外の全て含めて「何か足りなかった」ことが6度目の正直とならなかったことの原因だ。
 
ただ、その全てをリベンジするチャンスは得ている。そしてその原動力も得た。

以上

2006.11.13 Reported by 了戒美子


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