老いらくの記

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九十歳の峠を越えて

2018-02-26 12:43:34 | 随筆

日本人の平均寿「命が延びたとは承知していたけれど、まさかこの身がここまで生きながらえるとは思いもよらぬこと。 年上の身内が亡くなって行くのは当然として、年下の弟達や七つも若い妻まで見送ったのには 「なんちゅうこつか」 と言わざるをえない。

昨年は六月に前立腺、続けて七月に大腸ガンと三か月の手術入院があって、いよいよ吾輩も年貢の納め時かと観念したもんだが、その後は10キロ落ちた体重も元の数値に回復するなど元気な日常が戻ってくる始末、十月八日の誕生日で九十歳とあいなった。

さすがに生活力は低下の一途をたどっているが、肺気腫は悪化せず、よろよろながら手足も動き、週に一度の訪問看護と、月に一度の主治医検診を受ける以外はパソコンとテレビで日々を過ごしている。

「九十才 何がめでたい」 と本を書いた老女もいるが、人間らしく生きていくには、やはりかなりの労苦を伴うもの。寝たきりとかボケなんどにならぬうちに、「ハイ さいなら」といきたいね。


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