こういうのをここに書くのはどうかと思ってたけど、やっぱ腹ふくるるから書いておこう。
いま、自衛隊の、南西諸島有事にあたって、一度に輸送できる能力は、
第1輸送隊に所属する3隻の全力なら隊員約2,000名、戦車1個中隊、特科1個大隊などの普通科連隊戦闘団(RCT)半個の輸送が可能となる
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%BF%E5%9E%8B%E8%BC%B8%E9%80%81%E8%89%A6_(2%E4%BB%A3)#.E8.83.BD.E5.8A.9B
半個連隊戦闘団、というか要するに大隊レベルの歩兵を主幹として、多くて二個の戦車小隊、多くて二個の砲兵中隊でしかないわけです。
これが、現状の、そして新しい輸送艦への設計資料収集が終了して、計画が立案され、予算が承認され、建造が開始され、新しい輸送群を成す、そうとうな未来までの自衛隊全体の輸送能力がこれなわけです。
これで、南西諸島有事に対応しなければならないのです。
しかし
陸上自衛隊のPV
https://www.youtube.com/watch?v=QJ-VvX2MHME
ここには富士教導団が行う、そうかえん、の画像が多く使用されているのですが、複数の連隊を持つ旅団この旅団を、輸送する能力は当然、無いわけです。
公式PVですから、企画発注した連中は、当然、知ってるわけです。
もちろん、旅団の全部を投入するとは言ってないし、かつ、現在の陸自の主要な海浜用陸手段、ゴムボートとLCACの両方(それらは教導団の装備ではないらしい)が写っているので、明確な嘘、とは言えないわけですが。
嘘でないけど、大げさです。半個連隊と旅団レベルの戦力とは隔絶していますから。
その違いを明示しないのはまぎらわしいわけですが。
しかしその違いは、自衛隊が秘密にしているはずの南西諸島展開に関わるので、明示する必要は無い(特にオタク染みた興味には)ということのようです。
したがって、民間船舶使用、しかも戦闘領域にあって民間の乗員をともなって、という発想が軍事の側から出てくること自体は、まあ構わないのですが、それは自衛隊自体にその能力が無いからであり、その結果、志願していない民間人を、戦闘領域で自衛官と見なして運用で生きないか、とするには、ある種の筋が通されてしかるべきです。
とまれ、この状態で、尖閣諸島を含む、南西諸島有事を想定して対処せよ、との政府に対して出てくるのが、
尖閣防衛、ミサイル開発へ…23年度の配備目標 2016年08月14日 07時21分
政府は、沖縄県・尖閣諸島などの離島防衛を強化するため、新型の地対艦ミサイルを開発する方針を固めた。飛距離300キロを想定している。宮古島など先島諸島の主要な島に配備する方針で、尖閣諸島の領海までを射程に入れる。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160813-OYT1T50138.html
こう言ったニュースなのですが、もちろん速攻で突っ込みが入るわけです。
https://twitter.com/kojiinet/status/764613996171239424
まあ、当然です。
このとき、どんな手段で敵を認知するのか(哨戒機でしょうか)、どのような手段でミサイルの標的としての情報を入手するのか(哨戒機でしょうか)、恣意的に哨戒機でしょうか、と書いていますが、現実の他の手段は、海上自衛隊の艦艇を常置させるくらいしかないのですが(他にも海上保安庁の通報を受けて、データリンク機能をもつ航空機を急行させるという手段はあります)
このとき、問題になるのが、尖閣諸島周辺で、哨戒機、あるいは艦艇が活動可能か、ということになります。
ここでこのニュースが効いてきます。
中国軍機、空自機に攻撃動作 「ドッグファイト回避、戦域から離脱」 空自OBがネットニュースで指摘 2016.6.29 07:07
元航空自衛隊航空支援集団司令官の織田邦男元空将は28日、インターネットのニュースサイトで、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自機に対し「攻撃動作を仕掛け、空自機がミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱した」とする記事を発表した。詳しい日時や場所、中国軍機の種別などは記されていない。防衛省幹部は産経新聞の取材に対し、大筋で事実関係を認めたが、「実際にどこまで中国機が空自機に迫ったかが問題だ」と指摘した。
http://www.sankei.com/politics/news/160629/plt1606290009-n1.html
これに対して、こんなことは日常茶飯事だ、などという言葉が事情通などがSNSで言い立てる場面を見ましたが、これが本当に日常茶飯事であるならば、航空自衛隊は、南西諸島で、すでに航空優勢を獲得できない状況にある、ということになります。
こう言ったことを「情報隔離されている連中は知らない」などとうそぶいているのは、大変酷い態度であると思います。こういうことを言う人が「自衛官は人間扱いをされていない」などとうそぶいているのですが、これは自業自得だと僕は考えてしまうのです。
とまれ、空自が南西諸島で航空優勢を獲得できないのであれば、先のSNSリンクの指摘のような、ターゲティングの問題は当然、発生してきます。
まず哨戒機が活動できなくなります。つづいて、艦船にも襲撃行動が(実弾を発射するのがいつかは別にして)行われます。領海外のEEZでのこの行動に、自衛隊が対処できないのは、上のリンクの指摘通りです。
空対空の挑発しかしてこない、と考えるのはもちろん間違いでしょう。
さらに尖閣上空でしか挑発してこない、と考えるのも誤りです。そも先の記事では「どこで」起きたかは明示されていません。というより、先の記事が事実であるとするならば(そして事情通が嘯くように日常茶飯事であるとするならば)、中国空軍機が戦闘可能なあらゆる領域で、航空自衛隊は劣勢である、ということです。
ならば、尖閣上空でのみ行動する理由は、中国軍にはなくなります。航空自衛隊に対して優勢ならば、航空自衛隊の基地を攻撃し、これを無力化して、もっと規模の大きな戦闘を実施できるのです。
もっと言えば、自衛隊が反撃奪還を意図したとしても、これの実施には大変大きな制約が生まれます。
たとえば、航空機による部隊の急速輸送が行えなくなります。一つは、空港自体が攻撃を繰り返し受けて、機能を喪失してしまう事。もう一つは、戦闘によって質だけでなく量的優勢を獲得した中国空軍機は、戦場近くに戦闘機を待機させ、進出しようとする日本側のあらゆる輸送手段を攻撃することが可能になるからです。
具体的には、オスプレーがいかに九州から那覇までノンストップで進出可能であり、また那覇から尖閣を往復可能であるとしても、中国軍機の阻止を突破できない、ということになります。
オスプレーなどどこで使うのかわからない、とうそぶく自称陸自幹部を見ましたが、確かに、航空自衛隊が航空優勢を獲得できないのが日常茶飯事であるならば、オスプレーなど不要です。使いようがありません。
ならば、オスプレーの採用など阻止しなければなりません。
しかし、陸自はUH-Xを島嶼事案に必要だ、と予算請求しているのですから、かの組織の行動の意味が分かりません。腐敗しているとすれば説明はつきますが。
<追記>
ミサイルの記事を引用したのに、空自が航空優勢を獲得できないのなら、ミサイルによる防衛も成立しないではないか、とこき下ろすのを忘れてしまいました。
空自が航空優勢を獲得できない状態で、ミサイルのターゲティングを行うのは、難しくなります。そもそも自衛隊に、尖閣へ来寇するだろう敵の具体的な位置情報を知る手段があるのだろうか、というレベルです。
オスプレーの使い方はわからないが、UH-Xは島嶼防衛に有効で、先のニュースのミサイルもまた有効である、という状況がいかなるものか、説明可能ならやってもらいたいものです。そういうことをまるっと知らない奴には言う必要が無い、というような放言の連中の肩を持つことは僕にはできません。
任務に邁進する、というのは、部内で決めたことをを部内本意にやることではないと僕は思うのです。
<追記終わり>
また、航空優勢を獲得できない、すなわち航空攻撃を受ける蓋然性が極めて高いのなら、そこに民間船舶を、民間の乗員ごと投入する、という自衛隊防衛省の施策は、非自衛官の人命財産を著しく軽視しているとしか言いようがありません。
内閣府の方は、先の記事の内容自体を否定し、指摘した元空将を批判してもいますが。
航空輸送、オスプレーが調達前に無力な状態というのが事実ならば、このエントリーの最初の部分にも、大きな影響があります。輸送艦、輸送能力の不足を、航空輸送では補えない、ということです(もちろん輸送艦の航行の上でのリスクも大変大きく、危険になる、ということは先に書いたとおりです)
ここで僕が言いたいのは、事情通が嘯く、情報を隔離されてる連中は知らない、こんなことは日常茶飯事だ、などということの大変酷い態度についてです。
事実であるならば、これは(秘密の部分が設定されるにしても)政府による検討と対応が要求されるべきものです。先の航空優勢の件が事実であるなら、オスプレーの採用は行うべきではありませんでした。
それより優先されるべきは、航空自衛隊の機材の更新と、能力の向上でした。
しかし航空自衛隊自身は、FX選定を自ら遅らせ、検討を長引かせました。
もし、先の空自機離脱が嘘であるなら、これを危機感持つべき情報として触れて回った元空将にはどんな意図があったのでしょう。またこれの尻馬に乗って行った自称事情通と、自称自衛官幹部は、どんな意図があったのでしょう。
国民に情報を知らせず、部内の為ならどんな嘘をついても構わない、という態度は、常軌を逸しています。
最初に書いた通り、自衛隊の持つ南西諸島有事対応能力は、ごく限られたものです。
現在だけでなく、将来にわたってそうです。
オスプレーの採用によって、海上輸送力の低さを補いうる公算はありますが、それが成立するのは空自の航空優勢獲得があったばあいです。
空自が中国に劣勢で、逃げ回るのが日常茶飯事だという噂(といっておきましょう)もあります。
にもかかわらず、陸自は先に挙げたようなPVを作って広報しているわけですから、その態度は常軌を逸してると言うべきです。それは自衛隊全体、特に先の元空将や、自衛官幹部を称する連中全体に言えます。
何が嘘で何が本当か、国民に判断できないことをいいことに、何の目的か判らない放言を繰り返し、自分は自衛官である、とそれを担保するようなことをしているのが、正常な民主主義政府の役人の態度なのでしょうか。
その上、それも国民の選択だ、などと尻馬に乗ってゆく連中もおかしいと僕は思います。
赤本青本として知られる基本教本すら管理文書に指定している自衛隊から、情報を得ようとすれば個人のリークか、公開資料に寄るしかありません。
おかしいですよ。個人の判断による教授で、知った、知らないになる世界というのは。
もって国民が判断できないとしたら、それは情報の適切な開示が無いからです。
僕は、上記のように考えています。
本来はこう言ったことを、このブログに書くつもりはありませんでしたが、
ツイッターにリンクされた場として、僕の考えをまとめるために記述しました。
いま、自衛隊の、南西諸島有事にあたって、一度に輸送できる能力は、
第1輸送隊に所属する3隻の全力なら隊員約2,000名、戦車1個中隊、特科1個大隊などの普通科連隊戦闘団(RCT)半個の輸送が可能となる
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%8A%E3%81%99%E3%81%BF%E5%9E%8B%E8%BC%B8%E9%80%81%E8%89%A6_(2%E4%BB%A3)#.E8.83.BD.E5.8A.9B
半個連隊戦闘団、というか要するに大隊レベルの歩兵を主幹として、多くて二個の戦車小隊、多くて二個の砲兵中隊でしかないわけです。
これが、現状の、そして新しい輸送艦への設計資料収集が終了して、計画が立案され、予算が承認され、建造が開始され、新しい輸送群を成す、そうとうな未来までの自衛隊全体の輸送能力がこれなわけです。
これで、南西諸島有事に対応しなければならないのです。
しかし
陸上自衛隊のPV
https://www.youtube.com/watch?v=QJ-VvX2MHME
ここには富士教導団が行う、そうかえん、の画像が多く使用されているのですが、複数の連隊を持つ旅団この旅団を、輸送する能力は当然、無いわけです。
公式PVですから、企画発注した連中は、当然、知ってるわけです。
もちろん、旅団の全部を投入するとは言ってないし、かつ、現在の陸自の主要な海浜用陸手段、ゴムボートとLCACの両方(それらは教導団の装備ではないらしい)が写っているので、明確な嘘、とは言えないわけですが。
嘘でないけど、大げさです。半個連隊と旅団レベルの戦力とは隔絶していますから。
その違いを明示しないのはまぎらわしいわけですが。
しかしその違いは、自衛隊が秘密にしているはずの南西諸島展開に関わるので、明示する必要は無い(特にオタク染みた興味には)ということのようです。
したがって、民間船舶使用、しかも戦闘領域にあって民間の乗員をともなって、という発想が軍事の側から出てくること自体は、まあ構わないのですが、それは自衛隊自体にその能力が無いからであり、その結果、志願していない民間人を、戦闘領域で自衛官と見なして運用で生きないか、とするには、ある種の筋が通されてしかるべきです。
とまれ、この状態で、尖閣諸島を含む、南西諸島有事を想定して対処せよ、との政府に対して出てくるのが、
尖閣防衛、ミサイル開発へ…23年度の配備目標 2016年08月14日 07時21分
政府は、沖縄県・尖閣諸島などの離島防衛を強化するため、新型の地対艦ミサイルを開発する方針を固めた。飛距離300キロを想定している。宮古島など先島諸島の主要な島に配備する方針で、尖閣諸島の領海までを射程に入れる。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160813-OYT1T50138.html
こう言ったニュースなのですが、もちろん速攻で突っ込みが入るわけです。
https://twitter.com/kojiinet/status/764613996171239424
まあ、当然です。
このとき、どんな手段で敵を認知するのか(哨戒機でしょうか)、どのような手段でミサイルの標的としての情報を入手するのか(哨戒機でしょうか)、恣意的に哨戒機でしょうか、と書いていますが、現実の他の手段は、海上自衛隊の艦艇を常置させるくらいしかないのですが(他にも海上保安庁の通報を受けて、データリンク機能をもつ航空機を急行させるという手段はあります)
このとき、問題になるのが、尖閣諸島周辺で、哨戒機、あるいは艦艇が活動可能か、ということになります。
ここでこのニュースが効いてきます。
中国軍機、空自機に攻撃動作 「ドッグファイト回避、戦域から離脱」 空自OBがネットニュースで指摘 2016.6.29 07:07
元航空自衛隊航空支援集団司令官の織田邦男元空将は28日、インターネットのニュースサイトで、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自機に対し「攻撃動作を仕掛け、空自機がミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱した」とする記事を発表した。詳しい日時や場所、中国軍機の種別などは記されていない。防衛省幹部は産経新聞の取材に対し、大筋で事実関係を認めたが、「実際にどこまで中国機が空自機に迫ったかが問題だ」と指摘した。
http://www.sankei.com/politics/news/160629/plt1606290009-n1.html
これに対して、こんなことは日常茶飯事だ、などという言葉が事情通などがSNSで言い立てる場面を見ましたが、これが本当に日常茶飯事であるならば、航空自衛隊は、南西諸島で、すでに航空優勢を獲得できない状況にある、ということになります。
こう言ったことを「情報隔離されている連中は知らない」などとうそぶいているのは、大変酷い態度であると思います。こういうことを言う人が「自衛官は人間扱いをされていない」などとうそぶいているのですが、これは自業自得だと僕は考えてしまうのです。
とまれ、空自が南西諸島で航空優勢を獲得できないのであれば、先のSNSリンクの指摘のような、ターゲティングの問題は当然、発生してきます。
まず哨戒機が活動できなくなります。つづいて、艦船にも襲撃行動が(実弾を発射するのがいつかは別にして)行われます。領海外のEEZでのこの行動に、自衛隊が対処できないのは、上のリンクの指摘通りです。
空対空の挑発しかしてこない、と考えるのはもちろん間違いでしょう。
さらに尖閣上空でしか挑発してこない、と考えるのも誤りです。そも先の記事では「どこで」起きたかは明示されていません。というより、先の記事が事実であるとするならば(そして事情通が嘯くように日常茶飯事であるとするならば)、中国空軍機が戦闘可能なあらゆる領域で、航空自衛隊は劣勢である、ということです。
ならば、尖閣上空でのみ行動する理由は、中国軍にはなくなります。航空自衛隊に対して優勢ならば、航空自衛隊の基地を攻撃し、これを無力化して、もっと規模の大きな戦闘を実施できるのです。
もっと言えば、自衛隊が反撃奪還を意図したとしても、これの実施には大変大きな制約が生まれます。
たとえば、航空機による部隊の急速輸送が行えなくなります。一つは、空港自体が攻撃を繰り返し受けて、機能を喪失してしまう事。もう一つは、戦闘によって質だけでなく量的優勢を獲得した中国空軍機は、戦場近くに戦闘機を待機させ、進出しようとする日本側のあらゆる輸送手段を攻撃することが可能になるからです。
具体的には、オスプレーがいかに九州から那覇までノンストップで進出可能であり、また那覇から尖閣を往復可能であるとしても、中国軍機の阻止を突破できない、ということになります。
オスプレーなどどこで使うのかわからない、とうそぶく自称陸自幹部を見ましたが、確かに、航空自衛隊が航空優勢を獲得できないのが日常茶飯事であるならば、オスプレーなど不要です。使いようがありません。
ならば、オスプレーの採用など阻止しなければなりません。
しかし、陸自はUH-Xを島嶼事案に必要だ、と予算請求しているのですから、かの組織の行動の意味が分かりません。腐敗しているとすれば説明はつきますが。
<追記>
ミサイルの記事を引用したのに、空自が航空優勢を獲得できないのなら、ミサイルによる防衛も成立しないではないか、とこき下ろすのを忘れてしまいました。
空自が航空優勢を獲得できない状態で、ミサイルのターゲティングを行うのは、難しくなります。そもそも自衛隊に、尖閣へ来寇するだろう敵の具体的な位置情報を知る手段があるのだろうか、というレベルです。
オスプレーの使い方はわからないが、UH-Xは島嶼防衛に有効で、先のニュースのミサイルもまた有効である、という状況がいかなるものか、説明可能ならやってもらいたいものです。そういうことをまるっと知らない奴には言う必要が無い、というような放言の連中の肩を持つことは僕にはできません。
任務に邁進する、というのは、部内で決めたことをを部内本意にやることではないと僕は思うのです。
<追記終わり>
また、航空優勢を獲得できない、すなわち航空攻撃を受ける蓋然性が極めて高いのなら、そこに民間船舶を、民間の乗員ごと投入する、という自衛隊防衛省の施策は、非自衛官の人命財産を著しく軽視しているとしか言いようがありません。
内閣府の方は、先の記事の内容自体を否定し、指摘した元空将を批判してもいますが。
航空輸送、オスプレーが調達前に無力な状態というのが事実ならば、このエントリーの最初の部分にも、大きな影響があります。輸送艦、輸送能力の不足を、航空輸送では補えない、ということです(もちろん輸送艦の航行の上でのリスクも大変大きく、危険になる、ということは先に書いたとおりです)
ここで僕が言いたいのは、事情通が嘯く、情報を隔離されてる連中は知らない、こんなことは日常茶飯事だ、などということの大変酷い態度についてです。
事実であるならば、これは(秘密の部分が設定されるにしても)政府による検討と対応が要求されるべきものです。先の航空優勢の件が事実であるなら、オスプレーの採用は行うべきではありませんでした。
それより優先されるべきは、航空自衛隊の機材の更新と、能力の向上でした。
しかし航空自衛隊自身は、FX選定を自ら遅らせ、検討を長引かせました。
もし、先の空自機離脱が嘘であるなら、これを危機感持つべき情報として触れて回った元空将にはどんな意図があったのでしょう。またこれの尻馬に乗って行った自称事情通と、自称自衛官幹部は、どんな意図があったのでしょう。
国民に情報を知らせず、部内の為ならどんな嘘をついても構わない、という態度は、常軌を逸しています。
最初に書いた通り、自衛隊の持つ南西諸島有事対応能力は、ごく限られたものです。
現在だけでなく、将来にわたってそうです。
オスプレーの採用によって、海上輸送力の低さを補いうる公算はありますが、それが成立するのは空自の航空優勢獲得があったばあいです。
空自が中国に劣勢で、逃げ回るのが日常茶飯事だという噂(といっておきましょう)もあります。
にもかかわらず、陸自は先に挙げたようなPVを作って広報しているわけですから、その態度は常軌を逸してると言うべきです。それは自衛隊全体、特に先の元空将や、自衛官幹部を称する連中全体に言えます。
何が嘘で何が本当か、国民に判断できないことをいいことに、何の目的か判らない放言を繰り返し、自分は自衛官である、とそれを担保するようなことをしているのが、正常な民主主義政府の役人の態度なのでしょうか。
その上、それも国民の選択だ、などと尻馬に乗ってゆく連中もおかしいと僕は思います。
赤本青本として知られる基本教本すら管理文書に指定している自衛隊から、情報を得ようとすれば個人のリークか、公開資料に寄るしかありません。
おかしいですよ。個人の判断による教授で、知った、知らないになる世界というのは。
もって国民が判断できないとしたら、それは情報の適切な開示が無いからです。
僕は、上記のように考えています。
本来はこう言ったことを、このブログに書くつもりはありませんでしたが、
ツイッターにリンクされた場として、僕の考えをまとめるために記述しました。