パンデミック時代のニュースメモ

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荒川博士:コロナワクチンは母乳を介して乳児に移行する

2022-02-08 08:24:14 | 流行病

抗体は体内で作られるだけとは限りません。外部から体内に抗体を移行させる事で成立するのが受動免疫です。受動免疫は免疫グロブリン療法や抗血清療法などにも応用されています。母児免疫も自然におこる受動免疫の一種です。新生児は免疫系が未熟であり、新生児を病原体から守るために母親由来の抗体が使われるわけです。

抗体にはIgM、IgG、IgA、IgEなどのクラス (アイソタイプ) があり、異なるクラスの抗体は、抗原に応答して異なるエフェクター機構を活性化します。例えば、アレルギーの原因はIgEのクラスの抗体です。ヒトの場合、IgGは、胎盤を通過できる唯一の抗体のクラスです。母性抗体は胎盤細胞上のFc受容体によって胎盤を通過して胎児に移行します。受動免疫は初乳や母乳に含まれる母性抗体を介してもおこります。母乳に含まれる抗体のクラスはIgAであり、乳児が自分で抗体を合成できるようになるまで、母親由来の抗体が細菌やウイルス感染から乳児の体を守ります。IgAによる保護は母乳育児の期間に依存しており、母乳育児が推奨される理由の一つになっています。

母性抗体が生まれたばかりの子供を守るのは人間に限った事ではありません。胎盤や母乳を介しての母性抗体による受動免疫は哺乳類には広く見られます。また、鳥類では母性抗体は卵に移行して胚 (胎児) の体を守ります。身近な例としては牛乳があります。牛乳は牛の母乳ですので、牛乳にはIgAクラスの抗体が含まれます。また玉子 (鶏の卵) の卵黄にはIgG、卵白にはIgMクラスの抗体が含まれます。実は私達は毎日結構抗体を食べているのです。抗体と複合体を作った抗原は安定化されるので、私はこうした抗体はアレルギーにも関係があるのではないかと考えています。・・・

コロナワクチンは母乳を介して乳児に移行する: Frontiers in Immunologyに掲載された論文から|荒川央 (あらかわ ひろし)|note

抗体は体内で作られるだけとは限りません。外部から体内に抗体を移行させる事で成立するのが受動免疫です。受動免疫は免疫グロブリン療法や抗血清療法...

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