オヤジっちの週末超スローライフ

俺には自由が無かった...

現地時間 10月3日 AM 8:00
この病院の食事のメニューは前日に何種類かのメニューから選べるようになっている。例えばサラダなら3種類のドレッシングが選べ、メインメニューもステーキやらパスタやら4~5種類の中から選べるようになっている。勿論デザートも好きなものを選べドリンクも種類が豊富だった。今朝のメニューから自分で選んだものが食べれるのでチョット楽しみにしていた。

朝8時に朝食が運ばれ「いただきま~す」と同時にDr.M先生がやって来た。思わず起立して「おはようございます」とお辞儀をしてしまった。先生は「昨日は随分トレーニングしたそうだな」と微笑みながら話しかけて来た。「今日、退院しても宜しいのでしょうか」と尋ねると「いいよ!」と一言。その場に居合わせたMs.Rは一瞬ビックリした表情をしたが一緒に喜んでくれた。

「これで病院から脱出できる。自由だ!」

ところが現地ガイドのH氏に連絡を入れると「今日の飛行機のチケットは手配出来ない」と電話があり、その旨をMs.Rに伝えると「残念だけど退院は出来ないわ」と言われた。Dr.Mも暫くして戻って来て「残念だったな。木曜日ならチケット取れそうだけど。明日まで病院にいなさい」と言って去って行った。

え~。せめてホテルに戻れないのか!?

午後のトレーニングを終えた頃に現地ガイドのH氏が病室にやって来た「明日の羽田行きのチケットがとれないので成田行きでも良いですか」と聞かれ「帰国出来るのなら成田でもかまいません」と応えた。H氏は「それにしても今日退院なんて考えられないし、明日でも普通ならあり得ませんよ。よっぽど回復力があるのですね」と言われた。

よくよく考えてみると、これが日本なら大腿骨の手術をしているので抜糸までは退院させてくれないかもしれない。アメリカの医療事情を考えると出来るだけ短期間で退院させる方針だろうが、自分で言うのもなんだが、手術した翌日に退院の許可が出るなんて出来過ぎだったかもしれない。

H氏にホテルに一度戻りたいと話すと「それはまず無理だと思います。あなたは10月2日から明日の出国まで誰かが滞在を証明してくれないと不法滞在となってしまいますから」と意外な答えが返って来た。「明日も病院から専用車で空港まで行って頂きますし、ドクターのサインが無いと退院どころか出国も搭乗も出来ません」とH氏は括った。

ようするに俺は帰国を延期してから既に自由が無くなっていたのだ。

H氏に明日のチケットお願いした後、嫁さんと病院の中を散策する事にした。Ms.Rは「病院の入口にカフェテラスがあるから奥さんと行って来たら?。但し脱走しないでね」と言って笑いながら去って行った。

久しぶりに外の空気を吸った。いわゆる「娑婆の空気」

テラスは暑く感じたので病室に戻り渋めのコーヒーを飲むことにした。明日、帰国出来る実感が少しずつ湧いて来た。

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