前回の投稿から大分日が過ぎてしまいました。
将棋AIは徐々に有料化の道をたどり始めていますが、ありがたいことに今でも無償で入手できるものもあります。
今回は、それらの情報を更新していく内容です。
やねうら王
長らく更新されていなかったやねうら王も、ついにVer8がリリースされています。
開発版は支援者向けに公開されていますが、それよりちょっとだけ(R50~100)性能を下げたバージョンが公開されました。
やねうら王Ver.8.30 GitHub版
https://github.com/yaneurao/YaneuraOu/releases
以前紹介したふかうら王も、Ver8.30が公開されています。
これらには評価関数は付属しておらず、エンジンのみなので評価関数は自前で用意する必要があります。
既存のものがそのまま使えるので、今お使いの環境があればエンジンだけ差し替えれば動作するはずです。
以前まであった「水匠5」同梱版は付属していませんでした。
実際に使ってみたところ、一か所設定項目が追加されてるのに気が付きました。
どうやら持将棋27点ルールのほかに、24点ルールにも対応したようです。
詳細は不明なので、今後の公式発表を待ちたいと思います。
性能的には体感できるレベルで向上を実感できました(Zen2 Ryzen5 ノートPCの環境)
今後の主流になっていくと思われます。
やねうら王、ふかうら王、tanuki系評価関数は、開発版を支援者向けに公開しています。
有料ではありますが、こちらを導入した方が性能をより発揮するので興味がある方はご検討ください。
Li-Venge
実はちょっと古い情報になるのですが、無償で公開されている評価関数としては最強といえるのがこのソフトです。
https://github.com/nodchip/tanuki-/releases/tag/tanuki-dr4
エンジン部分が更新されていたようですが、先述のやねうら王Ver.8.30の方が性能を発揮できるので、
評価関数部分だけ流用することになりそうだと思います。
まあ、その部分は前回までに記述した「Li」と同じらしいのですが。
なお、Li-Vengeは単体で有料版が公開されています。こちらの方が最新版となります。
https://lessertanuki.booth.pm/items/5713519
ふかうら王/DLSHOGI
Lightweightのモデル公開(WCSC33ver)
https://rheinmetall.hatenablog.com/entry/2023/05/06/120000
※一年前の記事のため情報が古いです
DL系将棋AI用の軽量モデルです。
軽量化した分NPS(AIが単位時間当たりに考える手数)を増やせるのが売りになっています。
従来のモデルよりも、若干多く読んでくれる気がします。
正直使ってるPCのGPUが貧弱なため、実感できるほどの恩恵はありませんが、それなりのGPUであれば恩恵が受けられるはずです。
Aoba-Zero
https://github.com/kobanium/aobazero/releases
DLSHOGIと同じくDL系エンジンですが、GPU版はOpenCL版で公開されています。
現行で売られているGPUなら、ほぼどれでも動かせるのが特徴です。
また、モデルは独自のものをダウンロードして動かします。
そのため別途モデルを用意する必要がありません。
十六式いろは幻(まほろ)-2024春
https://github.com/sueyoshiryosuke/YaneuraOu/releases/tag/Ver.2024spring
今回お伝えするAIで、唯一最新の大会に出たAIを公開してるサイトです。
水匠5に比べてやや分が悪いそうです。
試しに水匠5と組み合わせて評価関数を用いたところ、水匠5は上回るようになりました。
エンジン部分はやねうら王の7.63を使っていたようです。
今後やりたいこと
将棋AIに最適なCPUを探す旅
将棋AI DL系をマルチGPUで検証する
将棋AIでのベンチマーク評価、その基準と測定方法について
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