戦場で犯した罪を背負い身を潜めて生きてきた元特殊部隊の男が、ある出来事を機に復讐(ふくしゅう)の鬼と化していくクライムアクション。イギリス社会の暗部に迫る緊迫感あふれるストーリーを構築したのは、『イースタン・プロミス』などの脚本家で本作が初監督作となるスティーヴン・ナイト。『トランスポーター』シリーズなどで絶大な人気を誇るジェイソン・ステイサムがスタントなしで肉弾アクションを繰り広げるほか、過去にとらわれた主人公の苦悩を体現する。
あらすじ:以前特殊部隊を率いていた元軍曹ジョゼフ(ジェイソン・ステイサム)は、戦場で罪を犯したのをきっかけに、心に傷を抱えながらひっそりと暮らしていた。そんなある日、ただ一人打ち解けていた少女が誘拐されてしまい、彼女を救うためロンドンの暗黒街を突き進む。しかし、最悪な結末を迎え怒りを爆発させた彼は、リベンジを胸に誓い……。
<感想>何故か男泣きを誘う、ジェイソン・ステイサム主演のクライム・アクション映画でした。今回はロンドンでホームレスに身をやつした帰還兵という役どころ。中東で生き地獄を体験した元軍曹ジョゼフは、軍の病院を抜け出し、教会の炊き出しに通う最下層生活を送っていた。戦場からの帰還後は社会に適応できず、ホームレス生活。心を開くことができるのは、ホームレス仲間のイザベルと教会のシスターだけ。
ある日のこと、地回りのチンピラに襲われたジョゼフは、高級アパートの一室に隠れる。アパートの住人はNYに出かけており、彼は一夏をアパートで過ごすことに。ホームレス仲間だった少女が娼婦になった挙句に、客から撲殺されたことを知り、復讐することを決意する。アパートにあった洋服を借りて真面目に働き始める。ですが、夜になり眠ると悪夢が蘇り睡眠を妨げます。
冒頭でのカツラだと思うのですが、暖簾のような長髪には驚きます。その後はいつものハゲ頭でスッキリです。それに、ド派手なアクションを期待すると拍子抜けになりますから、しかしホームレス生活から一変して、高級マンションに忍び込んだジョゼフが、その住人のスーツやお金(キャッシュカードが郵便で来ていた)を引出し、それに高級外車のベンツを乗り回す姿は、つい「トランスポーター」を思い出します。
だが、中華料理店の厨房で働いても働いても中々お金は貯まらず、そこでジョゼフは中国系マフィアの用心棒となり、収入はうなぎ上りになり部屋の冷蔵庫の中に札束を隠す。そして、調べていくうちにホームレスの彼女が娼婦となり、客が上流社会で暮らす犯人であることが分かる。
ある日のこと、コンビニで元妻に出会うのだが、高級スーツに身を包んだ彼を見て、生活が苦しいことを告げ彼に缶詰を投げつける。我が子にも会えず、妻にも苦しい生活をさせてしまい、自分は何をしているのだろうと自問自答するのだが、アル中でホームレスであり、脱走兵の彼が現在しているのは用心棒の様な殺し屋で、自分は戦場では人に言えないようなことをして来た。それに、政府に追われている身で、公には姿を見せることが出来ないのだ。
ホームレスの面倒を見るシスターのクリスティナは、子供の頃体育の教師に性的な悪戯をされて、教師をナイフで刺しその後、更生のためにシスターとなる。彼女にスーツ姿の写真を撮ってもらい、それを娘に送るためにと。このシーンは微笑ましいです。写真はやっぱり笑わないとね。
戦場からの帰還兵の多くが、ホームレスとなる厳しい現実をドラマ化したもので、義理と人情の狭間で揺れる主人公をジェイソン・ステイサムがストイックに演じているのがいい。しかし、映画ですから、ホームレスのイザベルを殺した男をパーティ会場で見つけて、屋上から体を押して殺してしまう所は残酷でもあります。
ちょっと笑えるのが、写真の展示会に行くシスターとジョゼフ、そこに展示されている写真が全部モノクロの男のシンボルなんです。つまり展示会の写真家が、ジョゼフが仮住まいをしている部屋の住人が写真家だったということ。
そして良かったのが、この二人のラブロマンスもあり、ジョゼフは彼女にシスターの制服を脱いで、真っ赤なドレスを着て貰おうとプレゼントするんですね。それが、メガネを外して化粧をし、赤いドレス姿のアガタ・ブゼクは綺麗でしたね。二人が恋に落ちるのが分かります。しかし、クリスティナは遠いアフリカへと行くことを決意していたのですね。
最後に、ジョゼフが警官に見つかり追われるところでお終いなのですが、捕まって欲しくないと願わずにいられません。マンションの冷蔵庫に隠していた大金をカバンに詰めて、ホームレスにピザと飲み物を差し入れして、妻と娘には働いて貯めた金と写真を渡す、心優しい父親の姿に目頭が熱くなりますから。
2014年劇場鑑賞作品・・・213 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
ハミングバードとは、ボーイング社が軍事目的で開発した無人偵察機のこと。軍を脱走したジョゼフは、常に無人偵察機に見張られている恐怖に怯えている。つまり、悪夢でうなされて、ハチドリがジョゼフ自身の周りを飛び回っているイメージに憑りつかれている状態を表しています。彼にとっては“死神”を意味しているのだ。
あらすじ:以前特殊部隊を率いていた元軍曹ジョゼフ(ジェイソン・ステイサム)は、戦場で罪を犯したのをきっかけに、心に傷を抱えながらひっそりと暮らしていた。そんなある日、ただ一人打ち解けていた少女が誘拐されてしまい、彼女を救うためロンドンの暗黒街を突き進む。しかし、最悪な結末を迎え怒りを爆発させた彼は、リベンジを胸に誓い……。
<感想>何故か男泣きを誘う、ジェイソン・ステイサム主演のクライム・アクション映画でした。今回はロンドンでホームレスに身をやつした帰還兵という役どころ。中東で生き地獄を体験した元軍曹ジョゼフは、軍の病院を抜け出し、教会の炊き出しに通う最下層生活を送っていた。戦場からの帰還後は社会に適応できず、ホームレス生活。心を開くことができるのは、ホームレス仲間のイザベルと教会のシスターだけ。
ある日のこと、地回りのチンピラに襲われたジョゼフは、高級アパートの一室に隠れる。アパートの住人はNYに出かけており、彼は一夏をアパートで過ごすことに。ホームレス仲間だった少女が娼婦になった挙句に、客から撲殺されたことを知り、復讐することを決意する。アパートにあった洋服を借りて真面目に働き始める。ですが、夜になり眠ると悪夢が蘇り睡眠を妨げます。
冒頭でのカツラだと思うのですが、暖簾のような長髪には驚きます。その後はいつものハゲ頭でスッキリです。それに、ド派手なアクションを期待すると拍子抜けになりますから、しかしホームレス生活から一変して、高級マンションに忍び込んだジョゼフが、その住人のスーツやお金(キャッシュカードが郵便で来ていた)を引出し、それに高級外車のベンツを乗り回す姿は、つい「トランスポーター」を思い出します。
だが、中華料理店の厨房で働いても働いても中々お金は貯まらず、そこでジョゼフは中国系マフィアの用心棒となり、収入はうなぎ上りになり部屋の冷蔵庫の中に札束を隠す。そして、調べていくうちにホームレスの彼女が娼婦となり、客が上流社会で暮らす犯人であることが分かる。
ある日のこと、コンビニで元妻に出会うのだが、高級スーツに身を包んだ彼を見て、生活が苦しいことを告げ彼に缶詰を投げつける。我が子にも会えず、妻にも苦しい生活をさせてしまい、自分は何をしているのだろうと自問自答するのだが、アル中でホームレスであり、脱走兵の彼が現在しているのは用心棒の様な殺し屋で、自分は戦場では人に言えないようなことをして来た。それに、政府に追われている身で、公には姿を見せることが出来ないのだ。
ホームレスの面倒を見るシスターのクリスティナは、子供の頃体育の教師に性的な悪戯をされて、教師をナイフで刺しその後、更生のためにシスターとなる。彼女にスーツ姿の写真を撮ってもらい、それを娘に送るためにと。このシーンは微笑ましいです。写真はやっぱり笑わないとね。
戦場からの帰還兵の多くが、ホームレスとなる厳しい現実をドラマ化したもので、義理と人情の狭間で揺れる主人公をジェイソン・ステイサムがストイックに演じているのがいい。しかし、映画ですから、ホームレスのイザベルを殺した男をパーティ会場で見つけて、屋上から体を押して殺してしまう所は残酷でもあります。
ちょっと笑えるのが、写真の展示会に行くシスターとジョゼフ、そこに展示されている写真が全部モノクロの男のシンボルなんです。つまり展示会の写真家が、ジョゼフが仮住まいをしている部屋の住人が写真家だったということ。
そして良かったのが、この二人のラブロマンスもあり、ジョゼフは彼女にシスターの制服を脱いで、真っ赤なドレスを着て貰おうとプレゼントするんですね。それが、メガネを外して化粧をし、赤いドレス姿のアガタ・ブゼクは綺麗でしたね。二人が恋に落ちるのが分かります。しかし、クリスティナは遠いアフリカへと行くことを決意していたのですね。
最後に、ジョゼフが警官に見つかり追われるところでお終いなのですが、捕まって欲しくないと願わずにいられません。マンションの冷蔵庫に隠していた大金をカバンに詰めて、ホームレスにピザと飲み物を差し入れして、妻と娘には働いて貯めた金と写真を渡す、心優しい父親の姿に目頭が熱くなりますから。
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