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HOME 愛しの座敷わらし ★★★.5

2012年05月03日 | は行の映画
「相棒」シリーズの和泉聖治監督と水谷豊主演による家族の再生物語。東京から岩手の古民家へ引っ越してきた一家が、その家に宿る座敷わらしに導かれ、家族の絆を取り戻していく姿を描く。共演は「最後の忠臣蔵」の安田成美、「映画 怪物くん」の濱田龍臣、「アバター」の橋本愛、「デンデラ」の草笛光子。原作は萩原浩の小説『愛しの座敷わらし』。

あらすじ:父・晃一(水谷豊)の転勤で、東京から岩手の田舎町へと引っ越してきた高橋一家。晃一がよかれと思って選んだ新しい住まいは、なんと築200年を数える古民家だった。
東京での暮らしに馴れていた妻の史子(安田成美)は、突然の田舎暮らしに不安と不満でいっぱい。老人ばかりの近所付き合いにも乗り切れないでいた。中学2年の長女・梓美(橋本愛)にも古民家はただのボロ家にしか見えず、転校先の学校生活を考えると心が落ち着かない。転校前の学園生活でも人間関係で悩んでばかりだったからだ。
また、同居する晃一の母親・澄代(草笛光子)は田舎住まいには支障を語らないものの、最近、認知症の症状が始まりつつある様子。唯一、古民家への転居を楽しんでいる小学4年の長男・智也(濱田龍臣)は、治りかけている喘息の持病を今も史子にひどく心配され、サッカーをやりたくてもやれずにいる。
五者五様、どこかぎくしゃくしている一家をやんわりとまとめたい晃一だったが、家族の不平不満をなかなかうまく解消することはできず、異動先の支社でも馴れない営業職に悪戦苦闘の毎日だった。(作品資料より)

<感想>どこか郷愁をかんじさせる、のどかな自然に囲まれた岩手県の田舎町。山の緑や田んぼのあぜ道、このあぜ道で自転車で田んぼに突っ込むお母さん。泥だらけになり、それでも笑顔を絶やさず、一家をまとめる優しいお母さんに安田成美さんがぴったりです。それにお父さんの水谷豊さんも、地方の支社に左遷になり苦労が絶えないのに、いつも明るいお父さん役もハマっている。
本作の家族のように、都会での便利さに慣れた人々には、田舎暮らしは苦労の連続ですね。薪で焚くお風呂に、ポットン便所、築200年の古民家ならではの苦労ですが、田舎独特の親密なご近所付き合いなどは、都会では体験できないもの。ご近所さんに飯島直子さんが出てましたね。それとお母さんの東京の友人で高島礼子さんが、ほんの少しの出番でした。

こんな田舎では時間がゆっくりと流れていき、それに“座敷わらし”が出てきて、東京ではバラバラになりかけていた家族が、絆を深めて行く幸せも運んでくれる。
見る人みんなが、登場人物の誰かに共感したり、自分の家族と投影させたりと、思いっきり感情移入できるハートウォーミングな作品です。
信じる心の優しい人にしか見えないという“座敷わらし”のろくちゃん。岩手県を中心に、旧家に現れると古くから言い伝えられている家の守り神。おかっぱ頭の着物を着た子供で、時には悪戯もする。お母さんが掃除機をかけていると、コンセントがいつの間にか抜かれていたり、お姉ちゃんの手鏡に写ったり、息子の智也くんと遊んだりする。
そして、お父さんがわざわざ選んだ古民家ぐらしは、初めは家族に不評でしたが、住んでみれば、囲炉裏を囲んで家族が語らうシーンは印象的です。

お父さんの仕事も、慣れない営業と自転車で駅まで行き、電車に乗り継ぐという遠距離通勤。毎日疲れているのに、温厚な性格で手強い営業先にもめげずに通い詰め、地道な苦労が実って自分が開発した「豆腐プリン、ワサビ味」の、大口の注文をゲットする。
会社の意地悪な部長に梅沢富美男さん、社長には宇津井健さんが、学校の先生の長嶋一茂さんとその他にも豪華な共演者が勢ぞろいしてました。
お姉ちゃんも、東京の学校では虐めに遭っていたのだが、田舎に来てからは学校の友達と仲良くなり、弟も喘息の持病も空気がいいせいか良くなって、好きなサッカーも出来るようになる。ところが、おばあちゃんが次第に認知症が酷くなるも、座敷わらしの存在でお婆ちゃんも元気になるという。ベテランの草笛光子さんが好演です。

古民家の守り神だった“座敷わらし”のろくちゃんが、高橋家の家族と一緒に東京へ戻るという、最後がとても素晴らしい終わり方でよかったです。
とにかく緑が美しい自然の風景が和みますね。まるで東北地方へ電車で、旅行へ行った気分になります。
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