『ザ・マスター』のポール・トーマス・アンダーソン監督とホアキン・フェニックスが再度タッグを組み、アメリカの覆面作家トマス・ピンチョンの探偵小説を映画化。マリファナ中毒の私立探偵が元恋人の依頼を受けたことからさまざまな陰謀に翻弄(ほんろう)される様子を、舞台となった1970年代のポップカルチャー描写を織り交ぜて描く。共演にはジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、リース・ウィザースプーン、ベニチオ・デル・トロら豪華な俳優陣が集結している。
あらすじ:1970年代初頭のロサンゼルス。ビーチを拠点に活動するマリファナ中毒のヒッピー探偵ドック(ホアキン・フェニックス)を、以前付き合っていた女性が訪ねてくる。彼女の依頼を受け調査を進めるドックだったが、いつしか巨大な陰謀に巻き込まれていき……。
<感想>これまでにベルリン、カンヌ、ベネチアの世界三大映画祭の監督賞の栄冠に輝いた俊英ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作。巨大な陰謀に巻き込まれるヒッピー探偵の姿を描いている。主演のホアキン・フェニックスはじめとし、刑事のジョシュ・ブローリン、元恋人のシャスタにキャサリン・ウォーターストン、弁護士のベニチオ・デル・トロ、おとり捜査中のサックス奏者にオーウェン・ウィルソン、検事補にはリース・ウィザースプーン他、豪華出演。
映像化不可能というキャッチフレーズは定番化し過ぎて、殆ど形ばかりのものになってしまっているのが、まさしく奇跡の映画化になっているのだ。
というのも、原作者のトマス・ピンチョンはこれまで、自身の小説を映画化することを一度も許してこなかったからだ。
物語が、ラブ&ピース、セックス&ドラッグが満ち溢れていた1970年の西海岸。大きなモミアゲにもしゃもしゃ頭、サンダル履きの私立探偵ドッグのもとに、元恋人のシャスタが現れたところから始まる。彼女は今、不動産王の愛人になっているが、彼も自分も身の危険にさらされているというのだ。
その言葉どうりに、不動産王ウルフマンの用心棒が殺され、ウルフマンとシャスタも行方不明に。捜査に当たるのは、ドッグと旧知の仲のLA市警の刑事ビッグフット。ドッグも、恋人の地方検事補ペニーや弁護士サンチョの力を借りて調査を開始する。
とはいいながら、毎日マリファナを吸いまくって薄らボンヤリしているところへ、幼い娘を抱えた若妻から、死んだ夫コーイ(オーウェン・ウィルソン)が生きているらしいという妙な話が。
さらには、知り合いのマッサージ嬢からは「黄金の牙」というかなりヤバそうな密輸船のネタも。どうやら警察も大富豪もギャングも手を出せない、とてつもなく巨大な力が働いているようだ。調査を始めたドッグは、様々な陰謀に巻き込まれていく。
ドッグは、「黄金の牙」が経営している歯科医院や精神病院に潜入して、真実に迫っていくのだが。けれども、彼が本当に求めるのは、シャスタの行方と自由な生き方だけ。果たしてきままなヒッピー探偵の願いは叶うのか?・・・。
あらすじはあるものの、時代は70年代。そして、主人公はマリファナやりまくりのヒッピー探偵。ゆえにずっとこのままラリっている状態で、どこからが現実でどこまでが妄想かは神のみぞ知るっていうわけ。
観ているうちに、実は依頼人のシャスタも幻だったりして、・・・という不可思議な気分になってくるのだ。ミステリー風でもあり豪華な出演者たちが繰り広げる群像劇ともいえる。
監督がこれまで、「マグノリア」に「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」などの怪作を生み出してきたポール・トーマス・アンダーソンだけに、この映像を理屈ではなく身体ごと受け止めて、若き天才が生み出した気難しくて倦怠感のある中毒性のある世界に浸ってしまおうではないか。
しかしだ、ドラッグに溺れている主人公の頭の中を覗いているような、幻覚症状のような、物語がよく判らないのが欠点だと思う。
2015年DVD鑑賞作品・・・46映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:1970年代初頭のロサンゼルス。ビーチを拠点に活動するマリファナ中毒のヒッピー探偵ドック(ホアキン・フェニックス)を、以前付き合っていた女性が訪ねてくる。彼女の依頼を受け調査を進めるドックだったが、いつしか巨大な陰謀に巻き込まれていき……。
<感想>これまでにベルリン、カンヌ、ベネチアの世界三大映画祭の監督賞の栄冠に輝いた俊英ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作。巨大な陰謀に巻き込まれるヒッピー探偵の姿を描いている。主演のホアキン・フェニックスはじめとし、刑事のジョシュ・ブローリン、元恋人のシャスタにキャサリン・ウォーターストン、弁護士のベニチオ・デル・トロ、おとり捜査中のサックス奏者にオーウェン・ウィルソン、検事補にはリース・ウィザースプーン他、豪華出演。
映像化不可能というキャッチフレーズは定番化し過ぎて、殆ど形ばかりのものになってしまっているのが、まさしく奇跡の映画化になっているのだ。
というのも、原作者のトマス・ピンチョンはこれまで、自身の小説を映画化することを一度も許してこなかったからだ。
物語が、ラブ&ピース、セックス&ドラッグが満ち溢れていた1970年の西海岸。大きなモミアゲにもしゃもしゃ頭、サンダル履きの私立探偵ドッグのもとに、元恋人のシャスタが現れたところから始まる。彼女は今、不動産王の愛人になっているが、彼も自分も身の危険にさらされているというのだ。
その言葉どうりに、不動産王ウルフマンの用心棒が殺され、ウルフマンとシャスタも行方不明に。捜査に当たるのは、ドッグと旧知の仲のLA市警の刑事ビッグフット。ドッグも、恋人の地方検事補ペニーや弁護士サンチョの力を借りて調査を開始する。
とはいいながら、毎日マリファナを吸いまくって薄らボンヤリしているところへ、幼い娘を抱えた若妻から、死んだ夫コーイ(オーウェン・ウィルソン)が生きているらしいという妙な話が。
さらには、知り合いのマッサージ嬢からは「黄金の牙」というかなりヤバそうな密輸船のネタも。どうやら警察も大富豪もギャングも手を出せない、とてつもなく巨大な力が働いているようだ。調査を始めたドッグは、様々な陰謀に巻き込まれていく。
ドッグは、「黄金の牙」が経営している歯科医院や精神病院に潜入して、真実に迫っていくのだが。けれども、彼が本当に求めるのは、シャスタの行方と自由な生き方だけ。果たしてきままなヒッピー探偵の願いは叶うのか?・・・。
あらすじはあるものの、時代は70年代。そして、主人公はマリファナやりまくりのヒッピー探偵。ゆえにずっとこのままラリっている状態で、どこからが現実でどこまでが妄想かは神のみぞ知るっていうわけ。
観ているうちに、実は依頼人のシャスタも幻だったりして、・・・という不可思議な気分になってくるのだ。ミステリー風でもあり豪華な出演者たちが繰り広げる群像劇ともいえる。
監督がこれまで、「マグノリア」に「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」などの怪作を生み出してきたポール・トーマス・アンダーソンだけに、この映像を理屈ではなく身体ごと受け止めて、若き天才が生み出した気難しくて倦怠感のある中毒性のある世界に浸ってしまおうではないか。
しかしだ、ドラッグに溺れている主人公の頭の中を覗いているような、幻覚症状のような、物語がよく判らないのが欠点だと思う。
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