ヒットドラマ「家政婦のミタ」「過保護のカホコ」などの人気脚本家・遊川和彦の「恋妻家宮本」に続く監督第2作となるラブストーリー。運命で結ばれた一組の男女の激動の30年を、それぞれの年の3月の日々だけでドラマティックに描き出していく。主演は「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」の波瑠と「愛がなんだ」の成田凌。共演に杉咲花、岡田健史、小澤征悦、黒木瞳。
あらすじ:波瑠と成田凌演じる2人の男女の出会いからの30年間を3月の出来事だけで紡いでいく恋愛ドラマ。1986年3月1日、運命的な出会いを果たした弥生と太郎は、互いに惹かれ合いながらも、親友であるサクラを病気で亡くしたことから思いを伝えることができずにいた。2人は、それぞれ結婚し、家庭を持ち、別々の人生を歩んでいった。しかし、離婚や災害、配偶者の死など、厳しい現実を前に子どもの頃から抱いていた夢の数々はもろくも絶たれてしまう。人生のどん底を味わう中、30年の時を超えて、今は亡き友人サクラからのメッセージが届く。弥生役を波瑠、太郎役を成田が演じるほか、杉咲花が親友のサクラに扮した。
<感想>3月だけを30年間で紡ぐ物語。3月にこだわりたかったのだろうが、時間の軸が行ったり来たりするので、少し分かりづらい感じがした。高校生のころの初恋ともいえる2人の出会いから、卒業したらきっとこの2人は、結婚するのだろうと思っていたのだが、それが思うようにいかずに2人とも別々の人生を送るわけ。この2人の間に、サクラという同級生がいて、彼女は白血病で卒業間近に亡くなってしまう。
普通は、初恋だから結ばれるとは限らない。卒業をしたら離れ離れになり別に道を進むという、それでもいいだろうと思うのだが、それが男の山田太郎が出来ちゃった結婚をするのだ。彼がサッカー選手になるとばかり思っていたら、息子の交通事故を防ぐために自分が体を投げ出して、足首を骨折する。これで、サッカー人生は終わりだとばかりに、太郎は家で落ち込み、働かないので夫婦喧嘩の末に離婚してしまう太郎。みんなは、太郎のことをサンタと名付けて、いつもサンタという。
弥生のほうは、父親が借金をして家が経済危機に陥り、両親や姉妹のお願いで、銀行の重役の息子との縁談が進み、強引に家の借金返済のために好きでもない男と結婚させられることになる。しかし、結婚式の日に、サンタがしゃしゃり出てきて、その時のサンタは離婚して無職状態。映画の「卒業」のように弥生をその式場から奪い去りたい気分だったのだろうが、弥生は奮起を起こして、自分で式場から脱走するのだ。父親のメンツが台無しになり、家出をして東京でバイトをしながら大学へ進み、高校の教師になる頑張り屋さんの弥生。
その後、医師の男と結婚をするのだが、何故か3月になると弥生とサンタは出会い、会えば恋心がくすぶり始めて、つい弥生とサンタが結ばれてしまう。その夜は太郎の家に泊まってしまった。朝帰りの弥生は、バツ悪そうに家に帰るも、夫には何となく弥生に男がいると察してしまう。その後は、きっとギクシャクとした夫婦生活だったのだろう。そんな時に、3月11日、あの東北地方大震災が起きるのだった。不遇にも医師の夫は震災で死亡してしまう。夫の死を自分のせいだと悔やむ弥生は、その後、太郎の愛を受け入れられなかった。
本当だったら、弥生が医師の男と結婚をしないで、仙台に来てサンタと結婚をすれば良かったのに。それが、まったくもって情けない男のサンタだから、いつまでもサッカーを忘れられなくて、ちびっ子たちにサッカーを教えているのだ。だから金銭的にも苦しい。女ごころの分からないサンタというのか、なんだか観ていて歯がゆい男と女の関係にイライラした。
ラストで、亡くなったサクラの父親が娘のメッセージテープを弥生に渡してくれる。そこには、きっとこのテープを聞いている時は、太郎と弥生が結婚しているんでしょうね、なんて言っているのだ。
その後で、弥生がサンタの後を追いかける。30年経ってもなおのこと、3月のさくらの満開の日に必ずといっていいくらいに、この二人は再会し「愛している」のを確信するのだった。
太郎の母親に黒木瞳が演じており、我が宮城県の泉市で食堂を経営している頑張り屋さん。父親は出てこなかったと思う。ラストで出てくる不思議なシーンに驚いた。その黒木の母親と、弥生の母親が出産の日が同じようで、病院で子供が2つ並んでベビーベットに寝ているシーン。それが太郎と弥生なのだ。不思議な巡り合わせでもあり、この二人はいつの日か一緒になるべくして生まれてきたのだと思えた。
映像に「見上げてごらん夜の星を」の曲が流れて、3月になると、サンタと弥生が出会い、またはすれ違いを繰り返し、最後にはきっと一つになることを願う。
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