パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

クロワッサンで朝食を ★★★.5

2013年10月22日 | か行の映画
『死刑台のエレベーター』や『突然炎のごとく』などで知られる大物女優、ジャンヌ・モローが主役を演じた味わい深い人間ドラマ。年齢や性格や境遇が全く異なる2人の女性が、ぶつかり合いながらも次第に心を通わせていく過程を描き出す。パリで次第に輝きを取り戻していく家政婦を、エストニア出身の女優ライネ・マギが好演。ジャンヌの演技や、生きる喜びを思い出させてくれる物語に魅了される。
あらすじ:エストニアの小さな町で暮らすアンヌ(ライネ・マギ)は、2年間付きっ切りで介護をしていた母親を亡くし放心状態だった。そんな折り、多少フランス語が話せる彼女にパリでの家政婦の仕事が舞い込んでくる。意を決して憧れのパリに向かったアンヌを、しゃれたアパートで待っていたのは、気難しいエストニア出身の老婦人フリーダ(ジャンヌ・モロー)だった。

<感想>だいぶ前に鑑賞したのだが、投稿が遅くなってしまった。老婦人フリーダを演じるのは、85歳になるジャンヌ・モロー。歩く姿がもう年齢を表しているかのような、それでも目いっぱいお洒落して、シャネルのファッションに身を包み、圧巻の演技で魅了する。
そしてこの映画を支える家政婦アンヌ役、ライネ・マギのキラリと光る演技の素晴らしさ。二人の老女優が織りなす老老介護の有り方などを考えさせる作品です。
家政婦なんて雇った覚えなどないと、意地を張って意地悪な言葉を投げつけるフリーダ。自分の老い先が短いことを知っているのに、そんな彼女のことを心配して彼女と同じ故郷のエストニアへ介護士を派遣した若き男ステファン。彼はフリーダの愛人であり、カフェを出してくれたパトロンでもある彼女のことを、年老いても愛しているのだ。

だから、アンヌの給料も前払いでステファンが支払ってくれて、フリーダの世話を頼むのだが、なにせ気難しいお年より。介護施設に入るのは嫌だと自分のアパートで一人で住んでいる。
そのアパートの中は、ココ・シャネル自宅にあったコロマンデル風の屏風や、60年代の手縫いのイヴ・サンローランのカーテンなど優雅なインテリアで埋め尽くされている。もちろん、ジャンヌ・モローの洋服もすべて彼女のシャネルファッションなのだ。

物語は、老いたフリーダが我儘を言っては、次から次へと介護士を取り換えて困り果てたステファンが、彼女の故郷エストニアから呼び寄せたアンヌに希望を託すのだが、・・・何度かアンヌも彼女の意地悪な我儘で居づらくなり出ていくことに。

年をとると確かに自分の思うようにはいかない。それを介護してくれる人に当たり散らすのは言語道断なのだが、一度は睡眠薬を多量に飲み自殺未遂事件を起こした彼女。愛人のステファンにしても、若い時は愛し合いパトロンとして受け入れ、男女関係もあったのだが、こうも老人になると自分の親でも手を焼いてしまうのだ。

フリーダのアパートの近くに店を構えているので、何かあれば直ぐにでも飛んで来る優しいステファン。そんな彼の存在も、お金に不自由のないフリーダの生活にも、少しは羨ましさを感じたこともあったろうに。そんな我儘な老婦人フリーダの心を和らげ仲良く暮らすには、自分と同じ故郷エストニアの友達を呼んでお茶会でもと。それが裏目に出てしまい、喧嘩になり、どうしてかと言うと、呼んだエストニアの友達の旦那と浮気をしたらしいフリーダ。昔はとんでもない破天荒な彼女だったらしいのだ。
それでも、ステファンの店へ二人で着飾ってお茶をしに行く、ルンルンな二人の姿に、年をとってもたまにはお化粧をして着飾って外出するのもいいですよね。
タイトルのフランス人の朝食にかかせないのがクロワッサン。朝早くからパン屋さんで焼き立てを買って食卓へと。もちろんフランスパンもかかせないですよね。それに大きな茶碗でカフェオレを飲む習慣も、パリジャンの1日の始まりですね。

そんな彼女の介護に疲れて、夜のパリ市内を観光するアンヌ。しかし、パリの夜も物騒で女一人では地下鉄も乗れないほど危険極まりないのだ。ここではそんなことは一切断ってませんが、パリへは何度か観光で行ったことがあるので、一人で夜の街を散策なんてことは危険ですから。もちろん、タクシーに乗るのも、日本人とみると遠回りしてホテルへ連れて行きます。(経験ずみです)
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