パピとママ映画のblog

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空母いぶき★★★★・5

2019年05月31日 | アクション映画ーカ行

かわぐちかいじの大ヒット・コミックスを西島秀俊、佐々木蔵之介をはじめとする豪華キャストの共演で実写映画化したポリティカル・サスペンス大作。近未来の日本を舞台に、国籍不明の武装集団によって日本の離島を占拠されるという事態が発生する中、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦“いぶき”の乗組員たちを中心に、政府やメディア関係者を含む全国民が、それぞれの立場で未曾有の危機に立ち向かっていく姿を壮大なスケールで描き出す。監督は「沈まぬ太陽」「柘榴坂の仇討」の若松節朗。

<感想>日本が他国から軍事攻撃を受けたらば?・・・戦後から80余年、日本が経験したことのない未曽有の事態を描いた「空母いぶき」。近未来。東南アジアに東亜連邦という武装勢力が台頭し、アジア各国を脅かす存在に。クリスマスイブ前日、沖ノ鳥島沖の群島にその武装集団が突如侵略。

現場に急行した海保巡視船は拘束されてしまう。日本が初めて直面する専守防衛の局面に自衛隊、政治家らはどのように対処するのかである。本作で描かれるのは、何者かによって日本の領土が侵略された“あってはならない”未来。民衆はパニックに陥り、国内は大混乱……当たり前の日常が瓦解したとき、自分だったらどうするだろう……? 

かわぐちかいじ氏のベストセラーコミックを、西島秀俊と佐々木蔵之介の共演で実写映画化した本作は、“日本占領”というショッキングなテーマを壮大なエンターテインメントに落とし込んだ「今、見るべき」1本です。

日本国民、1億2000万の命を守るため、決死の覚悟で戦う者たちの熱いドラマと、手に汗握る攻防の連続。まるで世界第3次大戦が始まったような錯覚を覚えた。

その他にも豪華俳優陣たちが出演しており、藤竜也、玉木宏、高嶋政宏、市原隼人……戦う男たちの“生きざま”に惚れ惚れしますから。

精鋭ぞろいの自衛隊員を、豪華メンバーが見事に演じ切っていた。始めに藤竜也が威圧感漂ういぶきの司令官、玉木宏がクールな護衛艦の艦長、高嶋政宏が血気盛んな潜水艦の艦長、市原隼人が使命感に燃える飛行隊の隊長など、それぞれの特性を生かした「完璧な配役」にも、ぜひ注目を。

そして、日本の命運を託された総理大臣の重責を、抜群の演技力で体現するのは名優・佐藤浩市。加えて、本田翼がネット通信社の記者役として、力強く成長していくヒロインを体当たりで演じていて、お人好しのコンビニ店長役を務めた中井貴一は、店の裏でクリスマスのブーツの中に詰め物をしている。耳栓をして仕事に集中しているため、横で大きな声で言っても聞こえないのだ。

本田翼が満を持して、現在起きている事をユーチューブに上げる。日本が攻撃を受けている一大事と護衛艦が襲撃されて炎上している映像も。

すわ大変だと、民衆がコンビニへ蓄えの為に水やトイレペーパー、缶詰、パンや食料を大量に買っていく。お客さんでごった返すコンビニ、品物はどんどん棚の上から無くなっていくわけ。倉庫の店長は疲れて寝てしまうし、物語全体の“緩急”のバランサーを見事にこなしていた。

クリスマスプレゼントの長靴の中に、小さなメモが添えてあった。「世界中の人たちが仲良くして、平和に暮らせますように」

ニュースサイト編集長の斉藤由貴、コンビニ店員など、多様なキャラクターが数多く登場していた。その中でも、むしろ女性の方が共感できるシーンも多数用意されていた。本田翼、斉藤由貴、土村芳、深川麻衣と、各世代の女優陣が見せる、リアルな演技にも注目です。

「ホワイトアウト」「沈まぬ太陽」「柘榴坂の仇討」など骨太な作品を多数手がけてきた若松節朗監督が“エンタメ”と“社会性”を奇跡的な配分で両立させ、アクション部分も破格のスケールを追求。

“空母いぶき“をはじめ、護衛艦が多数登場し、海中では潜水艦、空中では戦闘機が壮絶なバトルを繰り広げる!空母いぶきの甲板の地下には、最新のミグ戦闘機がずらりと並び、ミサイルの格納庫に艦内やコクピットも忠実に再現されている。自衛隊・政府・マスコミ・一般人といった“4つの視点”で描かれる点も秀逸であり、物語への没入感が半端じゃない。

敵のミサイルで襲撃されるところ、日本側は、敵が襲撃すれば迎え撃つか、攻撃に対して対空ミサイルを発射させるというやり方。手に汗を握る攻防戦、国の内部では内閣総理大臣が、自衛隊へ出動要請するのにすぐには返答せずに、出し渋るのだ。どうしても、戦争に発展させたくないのが日本のやり方。

しかし、日本の自衛隊の日頃の訓練のたまものであり、見事な対処法でありました。最後の方では、もはや戦争になりかねない事態に直面するも、アメリカや国連に連絡をして、お伺いを立てる総理大臣のやり方も仕方がないというもの。この辺りは、イライラしてしまうが、その我慢のしどころが良かったのかもしれません。

それに、艦長の西島秀俊が見事な采配をするシーンも、戦闘機のパイロットが海へ落下し救助に向かうヘリには、敵のパイロットもいて同じように救助する。いぶきの甲板に降りた2人のパイロット、敵国のパイロットが、日本軍の自衛隊の拳銃を奪い取り、救助した秋津パイロットを拳銃で撃って殺してしまう場面。すかさず敵国のパイロットに銃を向ける日本の自衛官。すると艦長が「やめろ、拘束をして国連に引き渡し審判をするから」と言って拳銃を取り上げるのだ。

紛争の火種がくすぶり、国際情勢が不安定な今、この「もしも」は鑑賞者の心にダイレクトに突き刺さり、ただのバトルアクションを超えた壮大かつ骨太な「クライシス・エンターテインメント」へと変貌する。

平和を願う新時代を迎えた日本だが、世界は戦争や侵略などの脅威に脅かされ続けている中、自衛隊の存在意義や戦争観など、現代日本人が考えなければならない問題は山積している。そんな状況だからこそ、この作品は映画化されたといっても過言ではない。近い未来に何が起きるか分からない。改めて、平和の大切さを感じました。劇場の大スクリーンで見れば、より高い満足度を得られると思います。

 

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