パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ノー・ワン・リヴズ ★★★

2013年10月29日 | アクション映画ーナ行
『あずみ』『ゴジラ FINAL WARS』などの北村龍平監督のハリウッド進出2作目となる、冷酷な殺人鬼へと化した男が惨劇を繰り広げるバイオレンス・アクション。恋人を殺されたことをきっかけに恐ろしい本性が目覚めた主人公が、ギャングを次々と血祭りに上げる様子を描いていく。主演は、『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』『インモータルズ -神々の戦い-』のルーク・エヴァンス。殺りくシーンをふんだんに盛り込んだ、容赦ないスプラッター描写が見ものだ。

あらすじ:ハイウェイをたまたま通りがかったカップルをギャング・グループが襲撃、拉致監禁し、女性を殺害する。彼らにとってそれはいつも通りの出来事のはずだったが、奪った車のトランクには全米を震撼させている事件の行方不明者エマ(アデレイド・クレメンス)が囚われていた。

高額賞金が掛けられたエマの発見に喜びを隠せないギャングたち。しかし、恋人を殺された男(ルーク・エヴァンス)には、恐ろしい本性が隠されていた。加害者と被害者の立場が逆転し、流血、殺戮のバイオレンスはさらに加速。冷血な殺人鬼へと変貌した男は、ギャングをひとりまたひとりと死に到らしめていくのだった……。
<感想>北村龍平監督のハリウッド進出第二作だそうである。正直なところ、この作品のレビューにどう書こうか迷っているのだ。何ともいただきかねるからで早い話が酷い内容でB級映画といってもいいところ。
シナリオが悪すぎる。殺人鬼が強盗一味に復讐するお話とだけ分かればいいというものではなかろう。演出もあざといし、余りに過剰な暴力と流血に気分が悪くなること請け合い。

おまけに役者が冴えない。でもエマ役の「サイレントヒル:リベレーション」「ヴァンパイア」に出ていたアデレイド・クレメンスがエマ役を演じて頑張っていた。
北村監督だけに映像はエッジが効いており、鮮明でつぶさなスプラッタ描写はもちろんのこと、アクション演出やカット割りのセンスも光っているのだが、いかんせん敵がサイコ殺人鬼のワンテーマで、それをルーク・エヴァンスの一人舞台で引っ張り続けるにはどうも難があるようだ。

対するギャンググループも内部崩壊して仲間割れ、犯人像と被害者のドラマを、脚本の設定以上にふくらませるところまではなかなかいけずで、バランスのゆがみさが惜しいきがした。そしてホラーに於いては、ハイテクに頼った途端にその恐怖が半減してしまっているところもダメ。
田舎街で嫌な感じの強盗団にからまれるカップル、ありがちな導入だが、話の進行につれ被害者的立場のほうが圧倒的な加害者として立ちはだかり、その悪の面々を壊滅してゆくのがこの映画の痛快なところ。

それが血生臭い暴力の祭りであったとしても、その安っぽさ込みで十分エキサイティングには違いない。強盗団の巨漢デブを殺す残虐さ、そのデブの内臓を取り払い、自分がその体の中へ入って敵陣へと乗り込む。それに、強盗団の父親がルークに殺されるところなんて、ミンチの機械のなかへ頭から入れて細切れにするシーンもグロイなんてもんじゃない。
もちろん日本では実現困難な活劇の内容がいっぱい詰まっている。そしてその殺人鬼の誘拐し育てたと思しき別の被害者の女・エマが今度は主人公を襲うという展開。
ラストはけじめはきっちりとね、一人生き残った強盗団の男が病院へと、その病院へ医師の格好をして忍び込み殺す。エマの脇腹に埋め込んだGPSはもう必要ないのかい。警察にはエマは強盗団に捕まったといっていたが、身代金200万ドルはいらないのか。そこんとこハッキリしてよね。金じゃないのか、飼育したかっただけか?ペットじゃないんだから。
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