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「ホテル・ルワンダ」でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、近年は「アベンジャーズ」シリーズでも活躍するドン・チードルの初監督作品。ジャズ界の帝王マイルス・デイビスに実際に起こった出来事からインスピレーションを受けたチードルが、共同脚本、製作、自身の主演でマイルスの活動休止期間にスポットを当てる。
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あらすじ:1970年代後半の5年間、ミュージックシーンから完全に姿を消したマイルス・デイビスは、慢性の腰痛に悩まされ、ドラッグや鎮痛剤の影響から、自宅で1人すさんだ生活を送っていた。そんなマイルスのもとに音楽レポーター、デイブ・ブレイデンが強引におしかけてきた。それから2日間、2人は盗まれたマイルスの最新曲のテープを取り戻すため思わぬ追跡劇に巻き込まれる。チードルがマイルスを演じ、レポーターのブレイデン役をユアン・マクレガーが演じる。ライブシーンではマイルスとの共演経験もあるハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターをはじめとする一線級のミュージシャンも登場する。
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<感想>この映画の邦題のせいで、ジャズ好きは、マイルスの空白の5年間の謎を知りたくて観てしまう。回想シーンに警官と揉めて殴打される、有名な事件も出て来て期待が高まります。ですが、やがてマイルス秘蔵のテープをめぐり、銃弾戦やカー・アクションが始まると、唖然とさせられます。
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髪型を変えたり、サングラスを外すとドン・チードルにしか見えないことについては、致し方ないと思う。これを見ると、ドン・チードルが「ホテル・ルワンダ」が民族紛争の原因究明よりもアクションに重点をおいたのを連想してしまう。
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前記のチェット・ベイカーもそうだったが、どうしてこうもトランペット奏者は、ドラッグにどっぷりと浸かっているのだろう。
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物語の中に恋人のフランシス(エマヤツィ・コーリナルディ)が出て来て、結婚するも生活は荒れ放題で、殺伐としておりコカインまみれなのだ。彼女をナンパする場面も愉快だ。20ドル札に自分の電話番号を書き、手渡してキザに去ってゆくシーンだ。
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さすがに自分が苦労して録音したテープを取り戻すために、拳銃をぶっ放し、カーチェイスまでやらかすのはやりすぎじゃないかな、と思うのだが、結局、マイルスは足を撃たれてしまうのだが、病院へいったのだろうか。ですが、背景に流れるマイルスの演奏に、ふさわしくあろうとするかのような脚本と構成でもある。
そして、エレベーターの壁を押して70年代の高層ビルから50年代のクラブへと移動するといったジャンキー視点に満ちた場面転換が効いていて、何も気にならなくなる。
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過去と現在とが自在に交錯して、やがてはすべてが華麗にクライマックスへと流れ込む形式には、「オール・ザット・ジャズ」のような感じもするが、完全にフィクションなのだけれども、普通に伝記映画を撮ってもマイルスという人物は、表現できないと言えば、批判への答えとして十分なのだろう。雑誌記者としてユアン・マクレガーが共演しているは、もったいない役のような気がする。
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マイルスの仕草やトランペットの演奏まで本人そっくり! チードル渾身の演技に驚きます。迫力のトランペット演奏シーンはチードル本人によるものであり、特訓を重ねて臨んだそうです。そして、独自のファッション・センスも注目を集めた。
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とにかく「カッコ良くあること」にこだわったマイルスであり、ファッション面でも独自のセンスで人々を引きつけたが、本作でもそのこだわりを語るシーンが登場する。敵地に乗り込むというのにクローゼットにユアンを誘い、「好きな服を選んでいい、服装にはこだわれ」とさとすのだ。ファッションはセンスであり、どんな時でも自分を表す主張なのだと言わんばかりに。
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そして、「ジャズ」ではなく「ソーシャル・ミュージック」と自身の音楽を呼んだのも時代を先取りしていた。ドン・チードルが自分で監督・脚本・制作・を兼任して、主人公マイルスを演じたかった情熱は伝わって来るし、偏屈な風貌もよく演じられていたので、最後のエンドロールでの演奏には感動しました。
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チードル自身のプレイによる迫真のライブシーンは圧巻であり、現代のジャズ・シーンをけん引するグラミー賞ピアニスト、ロバート・グラスパーや「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でドラムを響かせたアントニオ・サンチェス、そしてマイルスとともに演奏をしていた生きる伝説ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターなど、豪華アーティストによる共演は見逃せません。絶大なインパクトを誇る破天荒なカリスマの生き様を、本作で目の当たりにしようではないか。
2017年劇場鑑賞作品・・・7
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あらすじ:1970年代後半の5年間、ミュージックシーンから完全に姿を消したマイルス・デイビスは、慢性の腰痛に悩まされ、ドラッグや鎮痛剤の影響から、自宅で1人すさんだ生活を送っていた。そんなマイルスのもとに音楽レポーター、デイブ・ブレイデンが強引におしかけてきた。それから2日間、2人は盗まれたマイルスの最新曲のテープを取り戻すため思わぬ追跡劇に巻き込まれる。チードルがマイルスを演じ、レポーターのブレイデン役をユアン・マクレガーが演じる。ライブシーンではマイルスとの共演経験もあるハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターをはじめとする一線級のミュージシャンも登場する。
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<感想>この映画の邦題のせいで、ジャズ好きは、マイルスの空白の5年間の謎を知りたくて観てしまう。回想シーンに警官と揉めて殴打される、有名な事件も出て来て期待が高まります。ですが、やがてマイルス秘蔵のテープをめぐり、銃弾戦やカー・アクションが始まると、唖然とさせられます。
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髪型を変えたり、サングラスを外すとドン・チードルにしか見えないことについては、致し方ないと思う。これを見ると、ドン・チードルが「ホテル・ルワンダ」が民族紛争の原因究明よりもアクションに重点をおいたのを連想してしまう。
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前記のチェット・ベイカーもそうだったが、どうしてこうもトランペット奏者は、ドラッグにどっぷりと浸かっているのだろう。
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物語の中に恋人のフランシス(エマヤツィ・コーリナルディ)が出て来て、結婚するも生活は荒れ放題で、殺伐としておりコカインまみれなのだ。彼女をナンパする場面も愉快だ。20ドル札に自分の電話番号を書き、手渡してキザに去ってゆくシーンだ。
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さすがに自分が苦労して録音したテープを取り戻すために、拳銃をぶっ放し、カーチェイスまでやらかすのはやりすぎじゃないかな、と思うのだが、結局、マイルスは足を撃たれてしまうのだが、病院へいったのだろうか。ですが、背景に流れるマイルスの演奏に、ふさわしくあろうとするかのような脚本と構成でもある。
そして、エレベーターの壁を押して70年代の高層ビルから50年代のクラブへと移動するといったジャンキー視点に満ちた場面転換が効いていて、何も気にならなくなる。
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過去と現在とが自在に交錯して、やがてはすべてが華麗にクライマックスへと流れ込む形式には、「オール・ザット・ジャズ」のような感じもするが、完全にフィクションなのだけれども、普通に伝記映画を撮ってもマイルスという人物は、表現できないと言えば、批判への答えとして十分なのだろう。雑誌記者としてユアン・マクレガーが共演しているは、もったいない役のような気がする。
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マイルスの仕草やトランペットの演奏まで本人そっくり! チードル渾身の演技に驚きます。迫力のトランペット演奏シーンはチードル本人によるものであり、特訓を重ねて臨んだそうです。そして、独自のファッション・センスも注目を集めた。
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とにかく「カッコ良くあること」にこだわったマイルスであり、ファッション面でも独自のセンスで人々を引きつけたが、本作でもそのこだわりを語るシーンが登場する。敵地に乗り込むというのにクローゼットにユアンを誘い、「好きな服を選んでいい、服装にはこだわれ」とさとすのだ。ファッションはセンスであり、どんな時でも自分を表す主張なのだと言わんばかりに。
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そして、「ジャズ」ではなく「ソーシャル・ミュージック」と自身の音楽を呼んだのも時代を先取りしていた。ドン・チードルが自分で監督・脚本・制作・を兼任して、主人公マイルスを演じたかった情熱は伝わって来るし、偏屈な風貌もよく演じられていたので、最後のエンドロールでの演奏には感動しました。
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チードル自身のプレイによる迫真のライブシーンは圧巻であり、現代のジャズ・シーンをけん引するグラミー賞ピアニスト、ロバート・グラスパーや「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でドラムを響かせたアントニオ・サンチェス、そしてマイルスとともに演奏をしていた生きる伝説ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターなど、豪華アーティストによる共演は見逃せません。絶大なインパクトを誇る破天荒なカリスマの生き様を、本作で目の当たりにしようではないか。
2017年劇場鑑賞作品・・・7
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