不動産で大成功を収めた夫婦が、2009年のリーマンショックにより頂点から転落していく過程を記録したドキュメンタリー。無一文からタイムシェア(共同所有)リゾートビジネスで巨万の富を築いたデビッド・シーゲルと、その妻で元ミスフロリダのブロンド美女ジャッキー。2500平米もの大邸宅で贅沢な暮らしを送っていた2人は、やがてアメリカ最大の邸宅を作るという夢を抱き、ベルサイユ宮殿を模した8500平米の新居の建設に取りかかる。07年、ドキュメンタリー作家のローレン・グリーンフィールド監督が、そのアメリカンドリームを記録するためカメラを回し始めるが、大豪邸の建設途中にリーマンショックが起こり、シーゲル夫妻も大きな負債を背負ってしまう。大豪邸完成までを追うはずだった映画は、予想外の世界的金融危機によって計画がとん挫し、大富豪が転落していく様を収めたリアルドキュメントとして完成。サンダンス映画祭でドキュメンタリー監督賞を受賞するなど、全米で高い評価と大ヒットを記録した。
<感想>日本では一般的ではないビジネス、リゾート・マンションを試用期間に応じて細切れに販売する“タイムシェア・ビジネス”を通じて、アメリカを代表する大富豪にのしあがったデビッド・シーゲルという男。31歳の年下の美人妻と8人の子供、19人の使用人とともにフロリダの豪邸に暮らす彼は、それに飽き足らず、100億円を投じて新居の建設に着手したのだが、・・。
それが、フランスのベルサイユ宮殿を模しして、ボウリング場に、スパ6つのプール、10のキッチン、15のベッドルーム、30のトイレを備えた8500平米に及ぶその大豪邸は、全米最大の住宅になる予定だった。
噂を聞きつけた写真家のローレン・グリーンフィールドは、豪邸が完成するまでを記録したドキュメンタリー映画の撮影を申し入れ、2007年に快諾を得た。
しかしだ、アメリカの一大成金が今、破綻の危機に直面しているという長篇ドキュメンタリーであった。ベルサイユ宮殿のような巨大な住居を建築しようと思った人物が、リーマンショックの煽りで破綻するといういきさつが綴られるのだから。
ベルサイユ邸宅が6割ほど完成した2008年の秋に、リーマン・ショックによって彼は億万長者から一転して、1200億円の負債を抱える身になってしまったのだから。当然ベルサイユ宮殿の建設は凍結になってしまう。
でも、ラスベガスの巨大ビルも大邸宅もどちらも手放さず、粘りに粘る姿は大したもんだが、映画の作り手には大きな幸運が転がり込んできたもんである。
それでも、当初の予定通りに建築記録として完成されていたら、成金の自己満足以外に何が残ったのだろう。それでも、アメリカらしい話でもある。
深刻な話だと思うが、我々野次馬が見ると、喜劇に見えてしまう。監督は女性のローレン・グリーンフィールド。悲劇性は特にありません。まぁ、変な一家の普通の記録映画でもある。
アメリカの成金主義の生活には興味が持てないのだが、ベルサイユと名付けられた巨大な豪邸を観て観たいという野次馬根性で観賞したのかもしれません。
未完成のまま買い手がつかずに放置された大邸宅のビジュアルには感動しました。成金ゆえに落ちぶれても、現実的な金銭感覚が失っていない夫と、いまだにショッピングが止められない妻。
笑ったのが、レンタカー店のカウンターで「運転手は付いてないの」と訊ねる姿は、まるで「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と言ったとされる、マリー・アントワネットのようにも見えた。
だが、本当に愚かな妻なのだろうか?、彼女はカレッジでコンピュータ工学を学び、地元一番の企業IBMに就職した過去があるのにね。これは、リアリティーショーに“やらせ”が含まれているのかもね。
その妻にして「子供がまた一人増えたみたい」という夫の発言には、一本取られた感じがしたが、美貌と肉体を求めた相手に、母親の役割を望むなんてムシがよすぎるというもの。
どっちもどっちのシーゲル夫妻が、それでも現状にクサることなく8人の子供たちと生きる逞しさは、妙に応援したくなります。
2014年劇場鑑賞作品・・・307 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
<感想>日本では一般的ではないビジネス、リゾート・マンションを試用期間に応じて細切れに販売する“タイムシェア・ビジネス”を通じて、アメリカを代表する大富豪にのしあがったデビッド・シーゲルという男。31歳の年下の美人妻と8人の子供、19人の使用人とともにフロリダの豪邸に暮らす彼は、それに飽き足らず、100億円を投じて新居の建設に着手したのだが、・・。
それが、フランスのベルサイユ宮殿を模しして、ボウリング場に、スパ6つのプール、10のキッチン、15のベッドルーム、30のトイレを備えた8500平米に及ぶその大豪邸は、全米最大の住宅になる予定だった。
噂を聞きつけた写真家のローレン・グリーンフィールドは、豪邸が完成するまでを記録したドキュメンタリー映画の撮影を申し入れ、2007年に快諾を得た。
しかしだ、アメリカの一大成金が今、破綻の危機に直面しているという長篇ドキュメンタリーであった。ベルサイユ宮殿のような巨大な住居を建築しようと思った人物が、リーマンショックの煽りで破綻するといういきさつが綴られるのだから。
ベルサイユ邸宅が6割ほど完成した2008年の秋に、リーマン・ショックによって彼は億万長者から一転して、1200億円の負債を抱える身になってしまったのだから。当然ベルサイユ宮殿の建設は凍結になってしまう。
でも、ラスベガスの巨大ビルも大邸宅もどちらも手放さず、粘りに粘る姿は大したもんだが、映画の作り手には大きな幸運が転がり込んできたもんである。
それでも、当初の予定通りに建築記録として完成されていたら、成金の自己満足以外に何が残ったのだろう。それでも、アメリカらしい話でもある。
深刻な話だと思うが、我々野次馬が見ると、喜劇に見えてしまう。監督は女性のローレン・グリーンフィールド。悲劇性は特にありません。まぁ、変な一家の普通の記録映画でもある。
アメリカの成金主義の生活には興味が持てないのだが、ベルサイユと名付けられた巨大な豪邸を観て観たいという野次馬根性で観賞したのかもしれません。
未完成のまま買い手がつかずに放置された大邸宅のビジュアルには感動しました。成金ゆえに落ちぶれても、現実的な金銭感覚が失っていない夫と、いまだにショッピングが止められない妻。
笑ったのが、レンタカー店のカウンターで「運転手は付いてないの」と訊ねる姿は、まるで「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と言ったとされる、マリー・アントワネットのようにも見えた。
だが、本当に愚かな妻なのだろうか?、彼女はカレッジでコンピュータ工学を学び、地元一番の企業IBMに就職した過去があるのにね。これは、リアリティーショーに“やらせ”が含まれているのかもね。
その妻にして「子供がまた一人増えたみたい」という夫の発言には、一本取られた感じがしたが、美貌と肉体を求めた相手に、母親の役割を望むなんてムシがよすぎるというもの。
どっちもどっちのシーゲル夫妻が、それでも現状にクサることなく8人の子供たちと生きる逞しさは、妙に応援したくなります。
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