パピとママ映画のblog

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クーデター ★★★★

2015年09月06日 | アクション映画ーカ行
「REC:レック/ザ・クアランティン」「デビル」のジョン・エリック・ドゥードル監督が、東南アジアの小国で起きたクーデターに巻き込まれ、暴徒と化した市民の標的となって逃げ場を失ったアメリカ人家族の運命を描いた緊迫のサバイバル・アクション。主演は「シャンハイ・ナイト」「ミッドナイト・イン・パリ」のオーウェン・ウィルソン、共演にレイク・ベル、ピアース・ブロスナン。
あらすじ:仕事のため妻子とともに東南アジアのとある国に赴任したジャック。ところが翌日、街で暴徒と警官隊の衝突に巻き込まれ、辛くも逃げ出した彼は、この国でクーデターが勃発したことを知る。しかも反乱勢力の標的は政府のみならず欧米外国人にも及んでいた。目の前で次々と外国人が捕らえられ処刑されていく中、ジャックたちが滞在するホテルにも暴徒が次々となだれ込んでくる。現地で知り合ったイギリス人ハモンドの助けを借り、妻子を守るため懸命に国外脱出を試みるジャックだったが…。

<感想>異国で突如、全国民の標的となった家族を描くサバイバルスリラーです。これが、意外に面白かったです。ベトナムに国境を接する東南アジアの某国へ、水道の支援事業のために家族4人でやってきた主人公。彼が助かったのは、空港でピアース・ブロスナン扮するイギリス人のハモンドと出会った御蔭でもある。

最初、ホテルでのんびりとくつろいで、新聞を買いにホテルの外へ出た主人公が、クーデターに巻き込まれる。そう思ったら、実は彼自身がターゲットとして狙われていることが次第に分かる。そういえばTVで、大臣と水道企業の話をしていた。この国の民衆から、政府が企業と結託して水道料や光熱費を税金で搾取するという。

東南アジアを旅行した者にとっては見慣れた風景の中での、悪夢のような外国人殺戮が展開されるお話なのだ。オーウェン・ウィルソン演じる主人公は水を供給する支援事業に誇りを持ち、ベトナムに隣接する某国へ妻子同伴で赴任してきたのに。

それが、外国人の支配に憤怒する民間人が暴徒と化し、原住民たちのテロの標的となるのだ。肝心な情報も知らず、「危険な国」ソマリアとか内紛をしているような国に来た愚かさはともかく、今回は父親のオーウェンが家族のために、体を張って逃亡を図るのが見どころです。

文明人に襲い掛かる野蛮人という、白人の上から目線も気になるが、とにかく前編に渡って暴徒たちから逃げるしかない。子供たちの恐怖のトラウマが心配だが、パパとママが力を合わせて子供たちの命を守るというサバイバル劇です。
恐怖映画としてはクオリティがすこぶる高いと思う。見知らぬ土地へ赴任してきたアメリカ人家族が、インフラの怪しいホテルで不便な一夜を強いられ、屋上へ逃げるも救助のヘリが来たかと思えば、それは敵の現地人たちで機関銃をぶっ放し屋上にいる人たちを撃ち殺す。
世間と断絶された状態に落とされ、一気に現地のクーデター勃発という冒頭部分が上手いですよね。

突如降ろされるシャッター、主人公が慌ててホテルへ帰り、家族を安全な場所へと、しかし、長女がのんきにプールで泳いでいる。無防備な水着姿で逃げる少女、上空から森の中、水上の国境までの空間の使い方にもぬかりがない。

始めは、ブロスナンに助けられとある屋上へと家族で逃げ延び、犬の肉らしいものを家族は食べさせられ、次の朝にはそのビルも取り囲まれてしまい、隣のビルへとダイブさせられる家族。生きるためなら勇気を出して、隣のビルへ飛ばなければならないのだ。

カットカットの物量が凄いが、前後で繋がっていなくて、アメリカ領事館を目指して街を逃げ回る恐怖感。領事館へ行ってみれば、すでに占拠されて領事館の人たちは死んでいた。まるでゲーム感覚の作品のようで、主人公たちが絶対に助かるということ、しかし、ピアース・ブロスナンが告白する搾取の反省の取って付けたような感じが凄い。見るからに胡散臭いが、有無を言わせないテンションで押し切ったピアース・ブロスナン。オーウェン家族をベトナムの国境へと船で逃がすようにと、その彼の暴徒たちのトラックの前で拳銃を構えて最期を遂げる芝居にも拍手したい。
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