2007年に初演されて大ヒットを記録したイギリスのミュージカルを映画化。スコットランドの人気バンド「プロクレイマーズ」が1988年に発表したアルバム「Sunshine on Leith」のヒット曲にのせて描かれる人生讃歌の物語。
スコットランドの田舎町リースに暮らすロブとジーンの夫婦は、結婚25周年を迎えた。そこへ息子のデイヴィーと、娘リズの恋人アリーがアフガニスタンでの兵役を終えて帰還し、一家はお祝いムードに包まれる。しかし、親戚や友人を招いたパーティで、ロブに24歳になる隠し子がいることが発覚。リズはアリーからプロポーズされるが、遠く離れたフロリダで働くという夢のため断り、恋人との新生活を始めたデイヴィーも、甘いだけではない現実を目の当たりにする。それぞれ傷ついた家族はバラバラになりかけてしまうが……。
<感想>冒頭で予想外に不穏なシリアスな戦争の情景から、映画が始まったかと思いきや、戦場である。それが、ミュージカルだったとは。スコットランドのフォーク・ロック・バンド、プロクレイマーズの楽曲を集めて作られたジュークボックス・ミュージカル(舞台作品)の映画化だそうです。
もの凄く感動したミュージカル映画と言えば「レ・ミゼラブル」。それに楽しい「マンマ・ミーア!」とか。そんな映画を期待してはダメですから。私には、ミュージカル映画としては物足りなさを感じましたね。
聞きなれない曲ばかりで、冒頭、アフガニスタンの戦場へ向かう兵士たちが歌う「Sky Takes The Soul」は、1987年(アフガニスタン紛争勃発の14年前)にリリースされたデビューアルバムの曲だそうで、死と背中合わせの不安を訴える歌詞は、若い兵士たちが前線の厳しさを歌に込めてミュージカルにする、これは新しい戦争映画なのかと思ってしまった。
それもつかの間、帰還した彼らを待っている歌は、この上ない甘いラブソングの数々で、まぁそれはいいとして、みんなそれなりに歌手なのに、歌い手によって下手な歌手がいるような、全員が上手いという感じがなく、余りミュージカル映画としては成り立ってないのではと思ってしまった。
しかしだ、物語がスコットランドのリースに住む家族を主人公にした物語は、三組の男女の愛の試練にスポットを当てている。結婚25周年を迎えた夫妻(ピーター・ミュラン&ジェーン・ホロックス)は、突然存在が明らかになった夫の隠し子騒動に揺れる。
一方、夫婦のアフガニスタン帰りの息子は、同棲まもない恋人との価値観の相違につきあたる。
さらに、彼の妹は、戦場から帰った恋人にプロポーズされたことで、看護師としてのキャリアをとるか、結婚をとるかの選択を迫られる。
この嫌な感じは、男と女を線引きされて、イエス又は、ノーを突きつけ合う彼らたち。これでは戦場と変わらない。それを間に合わせの幸福感で、ラストのモブシーン、ハリウッドならもっときっちりと演出するだろうなと。ヨーロッパ映画の緩さが分かる。それに、名優&名監督のピーター・ミュランも歌ってびっくり。公園で皆がダンスをしながら歌うシーン、これは圧巻でしたがね。
ちなみに、監督は「キック・アス」の個性派俳優デクスター・フレッチャーです。奥さんの職場でもある美術館で、職員同士で歌って踊るシーン。
アイルランドからアメリカへ渡った人々の歴史や、現在の両国間の距離も感じ取られ、それはいいとしてですよ。この国は日本以上に悩みの多い日常生活を抱えているようですね。恋人と別れても、アメリカへ行きたいと願う娘の気持ちも判らなくはない。それにですよ、25年前の夫の浮気で、娘ができていて父親に逢いに来た。奥さんとしては、即・離婚か迷ってしまう。
ですが、25年もの間連れ添ってきた夫婦。途中で別れたいとか思ったこともあったでしょうに。それを乗り越えてやっと25年に到達。銀婚式をする会場で、夫婦睦まじく、これは夫婦としての努力の賜物でしょう。
ですが、そんな物語なんてこじつけのようで、音楽に合わせてリズミカルに踊る男女や、絶好のタイミングで挿入される、撮影されたエディンバラ・リースなどの風景を見ていると、心が癒されて、美しい街だなぁと思ってしまった。一度は観光で行ってみたい場所ですね。
2014年劇場鑑賞作品・・・298 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
スコットランドの田舎町リースに暮らすロブとジーンの夫婦は、結婚25周年を迎えた。そこへ息子のデイヴィーと、娘リズの恋人アリーがアフガニスタンでの兵役を終えて帰還し、一家はお祝いムードに包まれる。しかし、親戚や友人を招いたパーティで、ロブに24歳になる隠し子がいることが発覚。リズはアリーからプロポーズされるが、遠く離れたフロリダで働くという夢のため断り、恋人との新生活を始めたデイヴィーも、甘いだけではない現実を目の当たりにする。それぞれ傷ついた家族はバラバラになりかけてしまうが……。
<感想>冒頭で予想外に不穏なシリアスな戦争の情景から、映画が始まったかと思いきや、戦場である。それが、ミュージカルだったとは。スコットランドのフォーク・ロック・バンド、プロクレイマーズの楽曲を集めて作られたジュークボックス・ミュージカル(舞台作品)の映画化だそうです。
もの凄く感動したミュージカル映画と言えば「レ・ミゼラブル」。それに楽しい「マンマ・ミーア!」とか。そんな映画を期待してはダメですから。私には、ミュージカル映画としては物足りなさを感じましたね。
聞きなれない曲ばかりで、冒頭、アフガニスタンの戦場へ向かう兵士たちが歌う「Sky Takes The Soul」は、1987年(アフガニスタン紛争勃発の14年前)にリリースされたデビューアルバムの曲だそうで、死と背中合わせの不安を訴える歌詞は、若い兵士たちが前線の厳しさを歌に込めてミュージカルにする、これは新しい戦争映画なのかと思ってしまった。
それもつかの間、帰還した彼らを待っている歌は、この上ない甘いラブソングの数々で、まぁそれはいいとして、みんなそれなりに歌手なのに、歌い手によって下手な歌手がいるような、全員が上手いという感じがなく、余りミュージカル映画としては成り立ってないのではと思ってしまった。
しかしだ、物語がスコットランドのリースに住む家族を主人公にした物語は、三組の男女の愛の試練にスポットを当てている。結婚25周年を迎えた夫妻(ピーター・ミュラン&ジェーン・ホロックス)は、突然存在が明らかになった夫の隠し子騒動に揺れる。
一方、夫婦のアフガニスタン帰りの息子は、同棲まもない恋人との価値観の相違につきあたる。
さらに、彼の妹は、戦場から帰った恋人にプロポーズされたことで、看護師としてのキャリアをとるか、結婚をとるかの選択を迫られる。
この嫌な感じは、男と女を線引きされて、イエス又は、ノーを突きつけ合う彼らたち。これでは戦場と変わらない。それを間に合わせの幸福感で、ラストのモブシーン、ハリウッドならもっときっちりと演出するだろうなと。ヨーロッパ映画の緩さが分かる。それに、名優&名監督のピーター・ミュランも歌ってびっくり。公園で皆がダンスをしながら歌うシーン、これは圧巻でしたがね。
ちなみに、監督は「キック・アス」の個性派俳優デクスター・フレッチャーです。奥さんの職場でもある美術館で、職員同士で歌って踊るシーン。
アイルランドからアメリカへ渡った人々の歴史や、現在の両国間の距離も感じ取られ、それはいいとしてですよ。この国は日本以上に悩みの多い日常生活を抱えているようですね。恋人と別れても、アメリカへ行きたいと願う娘の気持ちも判らなくはない。それにですよ、25年前の夫の浮気で、娘ができていて父親に逢いに来た。奥さんとしては、即・離婚か迷ってしまう。
ですが、25年もの間連れ添ってきた夫婦。途中で別れたいとか思ったこともあったでしょうに。それを乗り越えてやっと25年に到達。銀婚式をする会場で、夫婦睦まじく、これは夫婦としての努力の賜物でしょう。
ですが、そんな物語なんてこじつけのようで、音楽に合わせてリズミカルに踊る男女や、絶好のタイミングで挿入される、撮影されたエディンバラ・リースなどの風景を見ていると、心が癒されて、美しい街だなぁと思ってしまった。一度は観光で行ってみたい場所ですね。
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