▽血統徒然△

ポストカード印刷

パーフライトの悲劇

2004年12月10日 | 血統
血統で割と根拠も無く信じられている説の一つに「マッチム系は母の父として優れている」という説があります。これは中島御大だけの占有物ではありません。証拠に山野浩一御大の血統事典とか田端到センセの種牡馬事典の古いやつの「パーフライト」の項を読んでください。間違いなく「母の父として優れるであろう」と書かれてあります。

パーフライト

まさに驚くべき血統です。ネアルコ血が一滴も入っていないのです。日本にやってきた種牡馬でも血の異質さではまさにトップクラスです。なおかつサイアーラインはマッチム~マンノウォー系です。

BMSとしてマッチム系が優れているというのは日本だけの神話なのかそうでないのかは知りません。おそらくマッチム系神話はシルバーシャークとヴェンチアの印象が強いせいだと思うのですが、それならシルバーシャークとヴェンチアが母父としてG1馬をバンバン輩出したかというとそんなことは全くありません。

シルバーシャークはオグリキャップのイメージが強すぎますが、思いつくところではキャロルハウスとオグリの半妹オグリローマンぐらいです。

オグリキャップ
キャロルハウス

ヴェンチアはカツラギエースとハギノカムイオー・ハギノトップレディ兄妹ぐらいです。

カツラギエース
ハギノカムイオー

人間というのは印象の強いことだけしか覚えていないという変な特性がありますので、ごく少数の輝かしい馬がいるとそれだけで論理が飛躍して「マッチム~マンノウォー系はBMSとして非常に優れている」と決め付けてしまうのです。

で、パーフライトに話は戻りますが、結構期待されて繁殖にあがったパーフライト牝馬ですが成績は悲惨です。異系好きのトウショウ牧場もグロリアストウショウとリンダトウショウという肌馬を配置しましたが繁殖成績はトウショウ牧場としては水準に達していません。実はメジロもパーフライトを配合したことがあったのですが、幸運?なことに生まれてきたのは牡馬でした(メジロタカトリ)

以下、BMSとしてのパーフライトの実績です。

--------------------------------------------------------
  頭数    牡     牝    セン   美浦   栗東   招待   合計 
--------------------------------------------------------
 全体   60.0%  36.2%   3.8%  63.1%  36.2%   0.8% 100.0% 
 抹消   52.3%  31.5%   3.1%  53.1%  33.1%   0.8%  86.9% 
マル外   0.0%   0.0%   0.0%   0.0%   0.0%   0.0%   0.0% 
持込み   0.0%   0.0%   0.0%   0.0%   0.0%   0.0%   0.0% 
マル父  27.7%  12.3%   2.3%  22.3%  20.0%   0.0%  42.3% 
マル地   3.8%   3.1%   0.0%   4.6%   2.3%   0.0%   6.9% 
未出走   7.7%   6.2%   0.8%  11.5%   3.1%   0.0%  14.6% 
未勝利  30.8%  21.5%   2.3%  33.1%  21.5%   0.0%  54.6% 
 500万  15.4%   8.5%   0.8%  15.4%   8.5%   0.8%  24.6% 
1000万   4.6%   0.0%   0.0%   1.5%   3.1%   0.0%   4.6% 
1600万   0.8%   0.0%   0.0%   0.8%   0.0%   0.0%   0.8% 
オープン    0.8%   0.0%   0.0%   0.8%   0.0%   0.0%   0.8% 
--------------------------------------------------------

オープン出世率、0.8% 未出走・未勝利馬が7割近くを占めます。確信犯の中島御大は別として無責任なことを嘯いた山野浩一御大と田端到センセには謝罪していただきたいと思いますw