朱鷺歳時記

2008年9月25日、昭和56年以来27年ぶりに、10羽の朱鷺が佐渡の空に舞った。
2018年朱鷺放鳥10年を迎える。

朱鷺歳時記(・・・)の編集中

2013年09月02日 | 朱鷺

第1回放鳥後の最初の冬は越冬出来るかが最初の課題とも言えた。
翌年の2月に吹雪の中でミミズやイモリ、サドカエルなどを捕食する姿をカメラに収めることが出来ました。
その後、繁殖時期なってメスは有能な雄を求めて佐渡海峡を渡って新潟本土を目指して飛んで行った。
佐渡島に残ったのは雄だけになってしまった。

その懐かしい写真をセレクトしていたが、思い出がよみがえてしまって先に進めることが出来ませんでした。

写真は認識番号04メス 新潟県から福島県、宮城県、山形県、新潟県、富山県、石川県と放浪の旅の結果、現在は富山県に安住の地としている。

鴇色

2013年08月29日 | 朱鷺

昔から朱鷺が飛んでいる姿を見て多くの人たちは魅了されたことでしょう。放鳥後のこの世も変わりませんね。

朱鷺の取材が始まって8年の歳月が流れました。
昭和からの保護活動からみればたった8年なのですが、島内で多くの朱鷺関係者の人たちに出会いました。
朱鷺が再び佐渡の空を舞う姿を夢に見ていた昭和からの朱鷺関係者の人たちは、表舞台に出ることが少なくなって来たように感じます。

朱鷺と人間の共存・共生活動のスローガンは、多くの課題を抱えているように感じます。

この課題を乗り切った時に、共生・共存が成り得たことに繋がることでしょう。

人間に育てられて自然界に飛ばされた朱鷺たち、自然界で産まれた二世たちへの環境作り、環境保全が一番の課題ではないかと思います。

好奇心旺盛な1歳児

2013年08月28日 | 朱鷺

休耕田で羽を水浴びをしたり捕食をしていた6羽の群れの中の昨年生まれの朱鷺、撮影中の私の車へ好奇心旺盛な表情で草をかき分けて近づいて来ました。

朱鷺の生息地は佐渡島内で数カ所あります。朱鷺と人間との共生・共存が上手く行っている地域では、朱鷺は鷺たちと同様、特別視されていないので、農作業をしていても逃げることがあまりありません。
逆に、朱鷺を特別視している地域では、朱鷺関係者が神経質になっているように朱鷺たちも神経質になっていて、人間を見ると逃げる習性になっているようにいるように感じます。(私の主観です)

朱鷺は神経質な鳥に分類されると思うのですが、それ以上に頭の良い鳥だと思います。
放鳥後にいつも不思議に感じていたことがあります。監視員などの車へ朱鷺が自ら近づいて行くのです。あの神経質な朱鷺がなぜ?って不思議で仕方ありませんでした。
長い時間朱鷺との時間を共有していると、朱鷺がこの人を知っている。この人は安心して大丈夫だと、撮影中これ以上は近づかないでと言った経験がしばしばありました。
撮影で朱鷺たちとの関係を深くことが大切だと今までの疑問が解消される体験でした。

朱鷺の餌場(夏編)

2013年08月26日 | 朱鷺

昔から朱鷺の餌場になっている田んぼでは、田んぼと畦の間に水を引く江がひかれています。

沢からいつでも水が流れていて、土用干しや稲刈りが近づいて来ると田んぼの水を切っても江にはいつでも水があります。
そこが恰好の餌場になっています。

写真は休耕田ですが、常に水が流れていて湿地帯になっていました。

6羽の群れが、真夏の空の下で6群れが餌取りをしたり、水浴びをしていました。


朱鷺の餌場(夏編)

2013年08月24日 | 朱鷺

8月の佐渡島、夜が明けると同時にねぐらから餌場のある田んぼへ群れで飛んで行く光景を眼にします。

この季節になると、稲が伸びていて何処で捕食をしているか見かける機会が少なくなります。

10時頃から3時近くまでの暑くなる日中は、ねぐらなどの木陰で休んでいます。

夕方になると餌場へ飛んで行き、日が暮れる直前にねぐらに帰って行きます。

ここ数年、水を張った休耕田が餌場になっていて、ダイサギやアオサギとともに朱鷺が捕食をしている光景が見られます。

草が生い茂った休耕田などは、冬期雪で草が倒れると格好の餌場になります。NPOなどの各団体がビオトープを作っていますが、
生物多様性としては効果があるのでしょうが、朱鷺が餌場としての利用度は少なく感じます。水を深く張った田んぼへは朱鷺がくる機会は少なく感じます。
冬期間の冬水田んぼも水の張りが深いところは朱鷺は苦手なようです。

第8放鳥その後・・・

2013年08月22日 | 朱鷺

2013年6月7日(金)の第8放鳥から2ヶ月後の朱鷺たちに会いに佐渡島へ行って来ました。

今回放鳥された朱鷺たちの多くは、第7放鳥までの群れと一緒になって放鳥場所周辺に定着していました。

昭和56年1月に最後の朱鷺5羽が一斉捕獲されるまでの生息場所は小佐渡東部の棚田周辺であった。
秋から冬に掛けては、国仲平野へ群れで降りて来ていた。

今までの放鳥場所は、第1回、第2回は野生復帰ステーションの近くから、
第3回目以降は野生復帰ステーションから直接放鳥を行っています。

以前、小佐渡東部で分散放鳥計画があったが、野生復帰ステーションに放鳥ケージがあるために、
計画が変わって一カ所からの放鳥に変更したらしい。

今、農家の方々から、群れを作って田んぼに入って稲を荒らしてしまうのは、
この放鳥方法に問題があるのではないかと言う言葉が聞こえて来ます。

餌場の選ぶよし悪しは、朱鷺が選ぶので人間が思ったようにはなりません。

サドガエル

2013年06月16日 | 朱鷺

佐渡島の国仲平野を中心に小佐渡、大佐渡の一部の生息しているカエルです。

ツチガエルによく似ているが鳴き声とお腹から足に掛けて皮膚が黄色いカエルで1997年に発見された。 

秋から冬に掛けて餌が少なくなった時に朱鷺の餌にもなっています。

トキと人の共生・共存って・・・

2013年06月13日 | 朱鷺

「このままで行ったら10年後にはトキは害鳥になる」衝撃な言葉でした。トキが餌場にしている農家の方の生の意見でした。

2008年トキが放鳥される前に、佐渡島内の各地域でトキに対する意見交換の場が開催された。
その場に集まった人たちは、「植えたばかりの稲を倒してしまう」中には「実った実を食べるのを見た」とまで言う人までいまいした。
トキは数が減って目にすること自体少なかったと言う時代に、トキが害鳥だと言うDNAが農家の方々に代々植え付けられている感じでした。

トキの研究を長年されていた佐藤春雄氏は、トキが田んぼを荒らしたと言う情報で駆けつけてみると、そこにはカモの羽が落ちていたり、
タヌキの足跡が残っていたらしいです。早朝、カモやタヌキが田んぼを荒らしてから、その後行って餌を食べていたトキが犯人にさせられていたらしいです。

今年も2回に分けて30羽のトキが放鳥されます。その前に農家の方々の集まりが各ヶ所で開かれたそうです。
数が増えてくると群れで田んぼに入ってしまうので、稲が倒される被害があり収穫が少なくなってしまうと言うことを危惧される意見がでたそうです。

「トキに稲を倒された米」としてブランド化したらと言うお話を聞きました。トキが集まる田んぼは餌となる生物が多くいて、農薬を使用していないと言うことに
繋がります。

トキと人の共生・共存って、農家の協力が絶対条件となると思うのですが・・・

第8次放鳥

2013年06月13日 | 朱鷺


2013年6月7日(金)から、第8次放鳥が行われました。
翌日から、2日間佐渡島へ取材に行ってきました。
放鳥当日は13羽の朱鷺が佐渡島の空に舞い、放鳥場所に数羽の群れでの捕食の模様が確認されました。
今まで放鳥されたトキたちが餌場が、今回の放鳥されたトキの餌場になっていて、放鳥時から他へ移ってしまった。
                      
                   ♂♀ 
第1回試験放鳥 2008年 9月25日      5 5 10 ハードリリース
第2回試験放鳥 2009年 9月29日 - 10月3日 8 11 19 ソフトリリース
第3回放鳥    2010年 11月1日 - 11月6日 8 5 13
第4回放鳥    2011年 3月10日 - 3月13日 10 8 18
第5回放鳥 9月27日 - 9月28日 11 7 18
第6回放鳥 2012年 6月8日 - 6月10日 10 3 13
第7回放鳥 9月28日 - 10月1日 3 14 17
第8回放鳥 2013年 6月7日 - 6月10日 13 4 17
   合計 68 57 125


今回の取材で、今回の「トキと人の共生・共存」事業の、今後のあり方を
数多くの農家の方々からお聞きすることが出来ました。

昭和時代に佐渡島ではトキが害鳥扱いされていした。

これからの佐渡島で、トキが同じような扱いにならないことを望みたいと思いでした。