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日本のいまを考える #25 STOP! プライマリー・バランス黒字化目標。



祝日は玄関に国旗を掲揚しましょう


★精神学協会「日本のいまを考える」から転載

『精神学協会』
http://www.godbrain.com/gb/letter/




■日本のいまを考える #25

STOP! プライマリー・バランス黒字化目標。


いまさらですが、日本の経済政策は、この三十年というもの、ことごとく日本を繁栄させないほうへと誘導されたように感じます。

人生何事も体験であり、勉強であるという意味においては、この体験は今となっては必要だったものとして活かすしかないわけですが、プロパガンダに騙され続けるのもここまでで、これ以上はいけません。

今すでに出遅れているがゆえに、激しく日本を貶めたい勢力に囲いこまれていますが、このまま進めば後進国化し、日本人の手に成る繁栄は取り返せなくなります。

国民は、純粋というのか無邪気というのか、メディアを疑うこともあまりせず「信じる」という方向で、国会に送り出した議員さんたちに日本の針路をゆだねました。

その結果が今の日本ですが、国会の様子を見ていて、「これが私たちの選んだ結果なのか?」と目や耳を疑いたくなる機会がこの頃増えてはいませんか?

北朝鮮有事の可能性が高まっていた春先からずっと、森友・加計の話題で大切な時間をつぶし、国家存亡の危機における優先順位さえ、まともに考えられない人たちが国会議員にはたくさんいるようです。

そんななか、七月五日、自民党二回生衆議院議員二十八名(「日本の未来を考える勉強会」代表・安藤裕衆議院議員)が、「デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言」という提言書を官邸と自民党執行部に提出しました。
  
やっぱり「財政再建目標」が間違いである、これだけの理由
  なぜ自民党二回生議員は立ち上がったか
  http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52212  
  
第1回「日本の未来を考える勉強会」
   財政再建と成長の二兎を得るためのアベノミクス戦略 平成29年4月12日
  講師:内閣官房参与・京都大学大学院教授 藤井聡氏
  https://www.youtube.com/watch?v=BBLFipGeinA  
  

第6回「日本の未来を考える勉強会」
   ーデフレーションが国民経済を破壊するー  平成29年6月15日 
  講師:経済評論家・株式会社経世論研究所代表取締役社長 三橋 貴明氏
  https://www.youtube.com/watch?v=hkEaFevXWUc  

経済政策においては、消費税を上げるための仕込みとなる借金時計の嘘もひどいですが、この提言にあるように、小泉政権時代に取り入れられた「プライマリーバランス(PB)黒字化目標」も、日本経済をフリーズさせ非正規雇用を増やした原因ともなっており、日本の現状には向かない目標設定で、すぐにもやめるべきものといえるでしょう。

プライマリー・バランスは、目的ではなく結果の話です。
経済が上向けば税収は増えるので、かならず黒字の方向に推移していきます。
  
【藤井聡】 「プライマリー・バランス亡国論」 新刊紹介
  https://www.youtube.com/watch?v=ajnmhCoFiyI   
  
『プライマリー・バランス亡国論』
  藤井 聡 著  扶桑社刊   千六百円+税

プライマリー・バランス亡国論
クリエーター情報なし
扶桑社



安倍総理はよく持ちこたえておられると思いますが、安藤裕衆議院議員たちによる今回の提言が、財務省との軋轢を超えて取り入れられれば、日本経済は復活しますし、経済が上向いていけば政権にとっての安定材料になります。

タイムリーに、入野先生がまとめられた原稿のファクスが届きました。内容は以下のものです。
端的にわかりやすく書いてくださっているのでご紹介します。

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◆ プライマリーバランスの黒字化とは  平成二十九年七月八日  入野守雄
 
プライマリーバランス(PB)の黒字化とは、国家予算の支出を税収の範囲内で実施せよ、ということである。国家予算は現在百兆円で、税収は五十五兆円しかなく、政府は不足分を国債発行で国民から借りて埋めた。銀行など国民が預けた金が国債を買っていて、すなわち国民が買い、政府に貸した。国民一人当たり八百二十万円の借金を抱えていると発言する伊藤元重東大教授は無知である。日本は世界一の債権大国で世界一の金持ち金持ちの国なのに、なぜ経済が成長せず、総労働人口六千三百万人のうち二千四百万人が契約社員ないし失業者なのか。二十五年間デフレで政府の借金の国債発行残高が二百兆円から千兆円に増加した。やることはデフレを脱却することだ。
 
デフレ脱却にはPB黒字化目標を破棄して、公共投資の実施が絶対に必要である。ところが借金大国で財政が破綻すると大嘘を言う財務省が、PB黒字化のために緊縮財政を主張し、公共投資を出来なくさせた。財務省に教唆されてPB黒字化目標を実行する安倍首相は日本人のための首相とは思えない。国家予算百兆円で四十五兆円も不足なのは、国連のための経済政策だからだ。消費税増税、規制緩和、構造改革、郵政民営化、公共投資の削減など、国連や米国のための政策で、日本人のための政策ではない。
 
一九九七年、橋本政権の消費税増税と金融改革で山一證券、長銀、日債銀などが倒産し、二〇〇一年、小泉政権が上場五十二社を実名で負債が多く倒産する会社と公表し、平均株価一万五千円が七千七百円に大暴落し契約社員が発生した。不良債権強行処理で銀行は潰れ、三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ 銀行となった。PB黒字化は百兆円で回っている日本経済を五十五兆円にする超緊縮財政で、国民の所得が半分になり、国会議員、地方議員も半減し、役人も教師も自衛官や警察官も半減である。
 
このように国家を破壊するのがPB黒字化で、国債発行の借金を否定する亡国である。資本主義経済は借金で成り立っている。国債発行の借金で公共投資を実行すれば経済は成長し技術も進歩して、GDPは十倍増の五千兆円となり、国民の所得も平均三千万円を超える。これこそが財政再建だ。借金を否定し、出口戦略で国債の返済を言い立てる大学教授、メディアのキャスターや論説委員は亡国論者である。
 
明治から現代まで国債発行による政府の借金は三千万倍に増えて日本経済は近代化し国民の所得が増大した。中国は政治が共産党独裁だが経済は超資本主義で、国債発行やAIIBで公共投資を行い、GDPを二十倍に伸ばし人民の所得が伸びた。日本は国債発行否定の緊縮財政でGDPを減らし公共投資できず、国民の所得激減で契約社員が増加した。国民を豊かにする政治家は日本には存在しないのか。日本の政治家の多くが国連や米国に支配され、日本人のために行動しないのは国民の不幸である。
----------------------------------(ここまで)


ヨーロッパ先進諸国は、この先デフレ化がますます深刻化します。
ユーロ加盟国は通貨発行もできないうえに、国際協定で財政赤字は三パーセント以内にしなければならないからです。

しかし、日本はPB黒字化目標を取り下げ、国債を発行して公共投資をふやせば民間所得に回っていきます。
震災や水害の後の公共インフラ投資をはじめとして、すべき事業はたくさんありますし、防衛費も十分ではありません、介護従事者の給与水準がもう少し上がれば海外から労働力を引っ張ってくる必要もなく、移民を増やさなくて良いのです。
  
【三橋貴明】プライマリーバランス黒字化目標を破棄せよ!
   https://38news.jp/economy/10535  
  

【藤井聡】「プライマリー・バランス亡国論」、その7つの理由
  https://38news.jp/economy/10378  

日本で財政健全化目標の中身を「プライマリー・バランス黒字化目標」に変えたのは、竹中平蔵氏です。


平成二十九年七月二十一日
阿部 幸子
協力 ツチダクミコ

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