正解は林檎です。いろんな品種があるものですね。
日本で林檎が栽培されるようになったのは明治初年のこと。最初の品種は米国バージニア州が原産だそうです。その時の林檎が「国光」と「紅玉」で知られる品種です。以後品種改良が行われ、いまや多種多様な品種が作られるようになりました。
私が子どもの頃良く食べた林檎の品種といえば、「国光」「紅玉」「ゴールデンデリシャス」それに「インド林檎」がありました。「インド林檎」のインドとはアジアのインドではなく、もともと米国インディアナ州から原種が渡来したのが間違って「インド」と呼ばれるようになったようです。果実は黄緑色の実で、部分的に淡紅色を帯びているものもあり、果肉が硬く、左右不均整に肩が張り出し、甘味が強いのが特徴でした。
他の種類は今でも店頭で買い求めることが出来ますが、「インド林檎」だけは何時の頃からか姿を消してしまいました。ある年代以上の方なら懐かしく思い出されることも多いかと思います。ネットでも『インド林檎は何処で買えるか教えて』という書き込みが多く見られます。
林檎は長年に渡り、交配による様々な品種改良が行われていて、原種で残っているものが少ないのが現状です。インド林檎の原種もどこかにはあるのでしょうが、残念ながら市販・通販はされていないようで、すでに幻の林檎となってしまったようですね。そこで、どうしてもあの味をもう一度食べて見たいという方のために、交配種をご紹介しておきましょう。
「インド林檎」の交配種には「ゴールデンデリシャス」と掛け合わせた「陸奥」があります。陸奥は生育時に袋をかける有袋(赤色)とかけない無袋(黄緑色)があり、外観も味も全く違います。
無袋(黄緑色)の品種は「サン陸奥」の名前で販売されており、太陽の光をたっぷり浴びているので味が良くなり糖度が増します。但し糖度が高いものほど日持ちが悪いそうです。陸奥に限らずどの品種も無袋は味がいいのですが、日持ちの悪さと見栄えが悪くなる為にあまり店頭には出回ってない様です。生産者と販売者に都合のよい経済原理が優先し、消費者無視の態度は残念です。
もう一つの「インド林檎」の交配種は、「ゴールデンデリシャス」と掛け合わせた偶発実生種で「王林」というのがあります。これも無袋です。「王林」は福島で発見された品種で、実は黄色か青い色で斑点があり、見かけは酢っぱそうなのですが、果汁が多く甘みと香りが強いのが特徴です。果肉も実が詰まって柔らかく評判はいいようです。
三つ目は「インド林檎」と「ゴールデンデリシャス」を交配したものに、更に「インド林檎」を交配させて育成したもので「ネロ」という品種があります。これは20年位前に青森で作られたものです。私は残念ながら食したことはありませんが、おそらくこれが一番、「インド林檎」に味が近いのではないでしょうか。
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