子供の頃にエリーゼと名付けた柴系の雑種犬を飼っていました。
ダンボールの箱に他の兄弟達と一緒に入れられて捨てられていたのを妹が拾ってきたのです。
しかし、当時 家では犬を飼う事を禁じられていました。猫を飼っていたからです。
妹は友達と箱をかかえて家々を回り、必死になって里親を探しました。
努力の甲斐あって2匹、3匹と貰われていきましたが、どうしても最後の雌の行き先がありませんでした。子供たちが必死で頼み込み、とうとう親が根負けして、家で飼うことが許されたのです。
なので良い犬に育てなければという思いが私達にありました。
我家の子供達だけでなく、隣家の子供までもが犬の教育係です。
しかし、努力の甲斐なくエリーゼは手に負えない犬になってしまいました。
おすわりやお手はできるんですが、食べ物を前にすると凶暴になる。おあずけをすると歯をむいて唸り、待てないし噛みつこうとする。食べたくない物をもらうと埋めて、しかも埋めた事をずっと覚えていて、近くに寄れないし、掘らせない。傷んだ物を掘り出して食べるといけないので散歩に連れ出している間にかたずけるとかしていました。
空になった食器も抱え込んで離さないので、エリーゼから食器を取り戻すのも一苦労でしたよ。
そしてとにかく吠えまくる。裏口の鍵はいらない位の超番犬。
困ったのが近所からのうるさいとの苦情でした。
母はよく近所に謝っていました。
ある時、近所一体が軒並み泥棒に入られ何軒も被害にあったのです。
が、家の周り、エリーゼの目の届く範囲には一軒も入られなかったのです。
それから吠え声の苦情は無くなりました。
飼っていた猫は大人なので上手にエリーゼをやり過ごしていましたよ。
その頃 家の前の神社にはよく子猫が捨てられておりました。
母はそれを拾って来て保護し、美猫にして里親を探すということをしていました。
ある日保護していた子猫がうっかりエリーゼに近づいてしまったのです。
エリーゼの傍には食器が…
かみ殺される!と一瞬思いました。
ところがエリーゼはとても困った顔をして鼻で子猫をぐいぐい押して私の方に寄せてきたんです。
動物達にはとても優しかったんです。
九官鳥や鶏、猫とも仲良く同居できたんですよ。
エリーゼは妹の結納が入ったその日に、妹の幸せを見届けるように夕方静かに息をひきとりました。14歳でした。
長文、最後まで読んで下さってありがとうございます。
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素敵なお話に思わず・・・・・(ToT)
優しいエリーゼはきっと、天国でもみんなと仲良く暮らしているでしょうね・・・。
失礼いたしました・・・。
あの頃の猫も鶏も九官鳥も皆、遠の昔に虹の橋を渡ってしまいました。
天国できっとにぎやかに暮らしていると思います。
「おばあちゃん肩を叩いてあげる」と言って
私が肩をトントンすると、ばあちゃんが
殴られてると思って、すごい怒り吠えてたよ。
エリーゼの世話は、おばあちゃんがしていた、というかおばあちゃんしかできなかったね。
今頃あの世でおばあちゃんと一緒にいるかしら。