帰ってきた“いつまでかけるか”

マイペースに日常を暮らす。

小説「近未来式時計」第2章~イッテンまで~その4

2013-03-17 16:16:23 | 小説
ところで、次の朝、可憐とニジーネは一晩中しゃべっていたので睡眠不足になった。
「このままじゃ・・・。」と思っているところに一頭の馬が。ニジーネの父が乗っていた。
「可憐ちゃん、このコに乗っていこうよ!」とニジーネの一言。でも・・・ひとりで?
「バカねえ、アンタと2人に決まってるでしょ!」
それからニジーネの父は仕事の支度をして、母はまだ幼いニジーネの弟の手を引きながらも
2人の旅立ちを見送ろうとしていた。
そしてニジーネは手綱を引いた。イッテンの街並みが少しずつ遠のいていく。
後ろを振り向くと木々に花が咲いていた。それが何の花か、可憐もニジーネも分からなかったが
確実に春は近づいているのだけは分かった。

小説「近未来式時計」第2章~イッテンまで~その3

2013-03-16 08:28:54 | 小説
「そうそう。」と言って、ニジ-ネの父は
そこで急に思い起こしたのように、ある懐中時計を取り出して
「ちょっとばかり見てくれよな。」と可憐に渡した。
「俺が、その昔買った時計なんだがね。」可憐は時計職人としての自分は
まだまだヒヨコだと思っていたが、それでも、その時計に何かを感じた。
「実は俺もお嬢ちゃんと同じように何かあると思うんだ」
でも、これは時計職人を目指しているキミにだったら、と言って
可憐に、その懐中時計を預けると言ってくれた。

美術館の話。

2013-03-10 15:18:21 | 日記
美術館に限らず、ギャラリーなんかでも絵を見たりするのは
おれは好きです。京都では今度ゴッホ展があるみたいなので
見に行きたいと思います。以前、京都市内に住んでいたころは
ピカソやムンク、ピーナッツの原画展(たしかスヌーピーやチャーリー・ブラウンが
登場する漫画ですね)なんか見に行ったり。
今、住んでいる田舎からも〝日曜美術館”の特集していたのをわざわざ市内まで行ったり、
たまたま行った寺町京極のギャラリーで〝田島征三”の個展がしてたり。
すみません、自慢話になりました。
もっといろんな意味で余裕があれば、美術館やギャラリー巡りしたいけど・・・。
自分の創作意欲も湧きそうなんですが。
今、京都駅でやってるアルフォンス・ミュシャ展も
見たいけど・・・。欲張りすぎかなあ。

3.11を前に。

2013-03-10 14:29:28 | 日記
どうしても今日にブログを書こうと思うと、やはり・・・。
3.11のことを避けては通れない。
といっても、おれは当事者ではないし。
でも、以前に行った東北の人たちのことを考えると
他人事とは言いきれない。ニュースやドキュメントも見るけど。
今すぐ、おれが現地に行ける状況じゃないしなあ。
やりきれないっす。
よく言われているけど、それぞれの立場で
できることをするしかないか。うん・・・。

小説「枕元さんのオナヤミ相談室」その4

2013-03-08 19:01:12 | 小説
待合室の人たちは、今か今かと待ちきれない様子だ。
仕方なく、ネドコが応対しようとすると
枕元さんが相談室から出てきた。
「ごめんなさい、みなさん今日は待ちに待ったでしょうが・・・。
さあさあ、こちらに仮眠室があるので。こちらで、寝てて待ってもらえますか?」
すると、何人かはポカ~ンとしていたが、なじみ?の人たちは
待っていたかのように仮眠室に入り、昼寝をしだした。
その間、請け負っていた相談者の話が終わったようだ。
時間はもう夜になっていた。
そして、昼寝していた人たちを起こし、まだ待合室で待っていてくれた人たち、
話が終わったところの相談者を一堂に集め、枕元さんは感謝するように言った。
「おなやみよ、いったん、おやすみ。」





第1部・完。