著者は70代そうです団塊の世代です。
2025年問題の団塊の世代
競争社会を生き抜いてきた世代
努力が報われると思っている世代
安保学生運動の世代
そんな著者が50年前を振り返る回顧録。
<本文より>
「一九六四年の入学式」
いまのぼくは七十歳で、これから書こうとしているのは十五歳の自分だ。その間には半世紀以上の隔たりがある。でも、つい先日のことのような気がする。そのころのことを思っただけで、胸が苦しくなる。十五歳の人間にとって、未来は闇に閉ざされている。自分がこれからどう生きるか、何もわからない。希望とか夢といったものはなかった。高校の先には大学がある。とりあえず受験勉強をするのが高校生に与えられた課題だが、受験勉強をして大学に入っても、そのあと自分が何をすればいいのか。そこから先の展望が見えない。自分に何かの才覚があるとも思えなかった。高校の入学式を迎えたぼくには、不安と無力感があるばかりだった。
と始まる文章、人の人生それなりに波瀾万丈なのですが何だか落ち着いて読めました。