2021年ノーベル文学賞の受賞理由としてアカデミーは「文化のはざま、大陸のはざまにおける植民地主義の影響と難民の運命への厳しくも共感あふれる洞察に対して」授賞すると発表した。
受賞者はタンザニア出身英国在住の作家に決まった。
物理学賞は地球環境、文学賞は植民地時代それに続く難民とどちらも現代のタイムリーなことです。
村上文学のタイムリー性はまだ来ていないということなのでしょうか。
期待していたので残念です。
さて1Q84は
500頁が3巻の長編だ、途中で飽きてしまわないだろうかと心配したが稀有に終わり、続編は?と思ってしまった。
主人公・青豆と天吾の話が一章毎に交互に進み
徐々に接点が見えてきてどこで話が交わるのか
2人は出会うことができるのか?
「青豆のクールな顔立ちは、劇的なまでに一変した。
あちこちに深いしわが寄り、実が素早く奥に引っ込み、鼻と口が暴力的に歪み、顎がよじれ、唇がまくれあがって白い大きな歯がむき出しになった。
それを目にした相手は、そのすさまじい変容ぶりに肝を潰した。
だから彼女は知らない人の前では、決して顔をしかめないように心がけた。」
ハードボイルドの様だ。
村上春樹の長編小説にはニ系統あるように思える。
ひとつは「1Q84」や「騎士団長殺し」、もう一つは「ノルウェーの森」「国境の南、太陽の西」
どの小説も最後には力強い希望がある。