野次猫ゆきちゃんの日記

野次馬な猫のゆきちゃんが日記風に語る物語や
日常のよもやま話などなど^_^

第16話 いよいよ古墳の祭祀でゆきちゃん、お役目を全うする!

2023-07-23 02:53:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語

 あ〜よく寝たわ〜っと、のびのびしてからの、
お顔と体の身だしなみをしてっと。
いよいよ、今日は祭祀よ!
今朝はとっても力がみなぎっているわ。
 猫神様、すみちゃんお婆ちゃん!
見ていてくださいね。ゆき、頑張りますからね。
さあ、みっちゃんたちにご挨拶しに行きましょ。

 何だか、ガヤガヤしてるわ。

 『あ、ゆきちゃん、おはようございます♪
今日は、よろしくお願いしますね!』
 みっちゃん、何だかとっても清々しい感じだわ。
それに、祭祀のための装束でらして、神秘的ね〜。
やっぱり、卑弥呼感は否めないわ。
凄い、古風なオーラね。空気と一体になってて、時代を感じるわ。

 『あーゆきちゃん、お久しぶり〜』
あら、ヒメコさん!お会いしたかったわ。 
 『ゆきちゃん、私、今までネパールに行ってたのよ。ゆきちゃんにお土産があるのよ。
ヤクの毛で作られた、ショールよ。
お昼寝の時に、使ってね!』
 わー鳥とお花の柄でステキ!それにフミフミしたら気持ち良さそうね。あーヨダレが…(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ダメよ!ゆき、祭祀が終わってからのご褒美にとっておくのよ。
 
 ありがとう、ヒメコさん!スリスリっと。
あら?ヒメコさんも装束を?え?

 『ゆきちゃん、ヒメコさんにはね、今日の祭祀で
巫女舞をしていただくのよ。
ヒメコさんは静岡県出身でね、ご実家は神社なのよ。瀬織津比売(せおりつひめ)様を祀られていらしてね、天照大御神様、龍神様とも深い関わりがあるの。だから、ヒメコさんには、荒御魂のお鎮めと感謝の舞をしていただく大切なお役なのよ。』

 『みつこさん!今日はとても心が落ち着いているんです。きっと良い祭祀になりますよ!』
 
 『ゆきちゃん、おはようございます。
こちらにいらしたのね。』わー花蓮さんも装束姿よ。本当にステキね!神々しいわ。大好きよ。花蓮さん!
それに、ヨハンさんの装束も凛々しくて、お二人が並んでいらっしゃると、まるで神話の世界って感じねー。あ〜うっとりしちゃうわ。
 見惚れていると花蓮さんがね、私の首におリボンを着けてくださったのよ!それはね、真っ白で透き通っててね、おリボンの縁にたくさんの小さなハートが、ヒラヒラしているのよ🤍🤍🤍
鏡に映ったゆきはね、セレブニャンコになったみたいで、テンション爆上がりよ(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
ありがとう!花蓮さんハート💓
 『わ〜ステキよ!ゆきちゃん!今日は一緒に頑張りましょうね!』
 ハイ!猫頭ゆき、頑張りまーす!

 『あら、ゆきちゃん、ステキよ!ヨハンと花蓮で選んだものよ。祭祀の装束よ!ふふふ…
今日はよろしくお願いしますね。
猫頭、ゆきちゃん!』
 え?今、確か、猫頭って?え?💦

 『ゆきちゃん、あとね、ご紹介したい方が、お二人いらっしゃるのよ。あ、いらしたみたいね。』
 
 『みつこさん、おはようございます。』

 『モー先生、お忙しいのに、今日はありがとうございます。どうぞ、よろしくお願い致します。
あら、モーちゃん、おはようございます♪ 
モーちゃんもよろしくお願い致しますね。ふふふ…。あ、先生、こちらがゆきちゃんです。』

 『流石だね。胸元からピンク色の綺麗で優しいオーラが溢れでているよ!ゆきちゃん、初めまして。
私はね、モーUQ@ワンニャンコの病院の医師なんだよ。それから、こっちは私の娘のひゐろって言うんだよ。皆んな、モーちゃんって呼んでるんだよ。
よろしくね、ゆきちゃん!』

 『もう、パパ〜は〜もう〜私が自分で挨拶したかったのに〜もう〜ほんとにもう〜』
 あらあら、モーちゃん、モー、モー
いっていらっしゃるわ。
だから、ひゐろちゃん、モーちゃんって呼ばれていらっしゃるのね〜。お可愛らしいお方ね(≧∀≦)
それに、まんまるお目々がチャーミングだわ。

 『ゆきちゃん、モー先生は祭祀で太鼓と御神歌の奏上をお願いしているのよ。
それに、モーちゃんもヒメコさんと一緒に巫女舞をしてくださるのよ。モーちゃんにはね、和御魂と荒御魂に感謝を捧げる舞をしてくださるのよ。』

 『もう〜みっちゃんたら、もう〜』

 モーちゃん、10歳にしては醸し出している雰囲気に年季が入っていらっしゃるわね。
さっき、モーちゃんたらね、可愛らしいピンクのホッペで、私のこと、逆スリスリしてくださったのよ。
お可愛らしいわ。仲良くしてね。

 『さあ、皆んな揃ったわね。さあ、天の磐座に参拝してから、まいりましょうか。』

 
   【古墳の祭祀のはじまり〜】

 『さあ、ゆきちゃんと花蓮が作ってくれたお香で、辺りを清めるわよ。
 あ〜いい香りね。心が静まるわね。不思議ね。
あ、あらあらあら〜みっちゃんの頭の蓋が全開でね、みっちゃんの頭のホールから、ゆらゆらとしたお香の五線譜の煙に向かって、音符が飛んでいくわ。その周りにはね、お香づくりの時にもいらした、インドの象の妖精さんが、フワフワと飛んでいらっしゃるのよ。もう、ビックリよ❗️
 それにね、音楽が流れているように感じるから、不思議ね。辺りの空気が一気に変わってきてね、温度が少し下がったようだわ。空気も一層濃くなってきたみたいね。

 清めが終わるとね、

 ニャオーン、ニャオーン、ニャオーン
と竹林の外から凛々しい鳴き声が聞こえてきたのよ。

 『宇壷家の外廻りに、結界が張られました。』 え、みっちゃん、外廻り?鳴き声、え、もしかしたら、お外廻りに結界を張ったのは、マイLOVEなチャトさん?
   凄いわ。チャトさん!

   外廻りの結界が張られると、

 ピィイイ〜ピィイイ〜ピィイイ〜
と磐座にいらっしゃる、ヨハンさんの石笛の音が。
 
 いよいよ、磐座の御扉が御開きになり〜

 太鼓の音、ヒメコさんがお榊を持ち、みっちゃんが奏上する龍笛、モー先生の御歌の音に合わせて左を軸に舞っているとね、

 磐座から勢いよく、金色にお光りの龍神様がお出ましになられてね、一気に天の御柱に向かわれたのよ。
 ヒメコさんが舞うごとにね、龍神様は地から、グングンと左巻きに美しい虹色の光の帯を纏ながら、上へ上へとお昇りになられたのよ。

 ヒメコさんの巫女舞は、龍神様の荒御魂を無事お鎮めされたのよ。その証としてね、美しい光が天から差した瞬間にね、それはそれは、綺麗な清めの雨が降ってきたのよ。でも不思議とびしょ濡れにならないのよ。

 ヒメコさんの次にね、モーちゃんこと、ひゐろちゃんの舞よ。
 
 モー先生の太鼓の音がゆきのお腹に響いてきてね、益々、お腹に力が入る感じなのよ。
みっちゃんはね、今度は高麗笛を響かせるとね、
モーちゃんが鉾先鈴を響かて、右を軸に舞い始めるのよ。
そして、鈴が振られるとね、天から御柱に金のキラキラした小さな粒々がずうっと、降り注いでいて本当に美しい世界なのよ。

 そしてね、モー先生の御歌に合わせるかのように、龍神様が一気に天から御柱に向かってお戻りになられると、今度は御柱を右巻きにゆっくりと、地に向かってお廻りになられるのよ。さっきよりもさらに濃くなった虹色の帯を纏われて、より一層の御力が漲っていらっしゃるのよ。
 
 そしてね、モーちゃんの巫女舞が終わると直ぐに
花蓮さんのハープの音がそれは美しく辺りに響き渡るとね、だんだんと風が吹いてきて、木や花や鳥たち全てが新しい命をさらに宿したかのように、キラキラ、生き生きした光を放っているのが分かるのよ。

 そしてね、風がサワサワしてきた瞬間に御柱を天から地に向かっていた龍神様が、一気に御出になられた瞬間、辺りに金のキラキラした粒々を降らせながら、勢いよく磐座へと向かわれたのよ。

 その時ね、そのキラキラがみっちゃんの頭のホールへとたくさん吸い込まれて、みっちゃんもキラキラ輝いていらしたのよ。

 それにね、花蓮さんがハープを奏でている間中、花蓮さんの頭上からね、天女さんたちが花びらをたくさん降らせてらして、とっても美しかったのよ。

 さあ、いよいよゆきの出番ね。
何も考えず、御柱の前に向かって、目を閉じた瞬間に
 ニャオーン、ニャオーン、ニャオーン
   と自然に3回鳴いてしまったのよ。
 
 するとね、天から金の雫がキラキラと降ってきて、古墳全体に張り巡らされてね、御柱がさらに
しっかりと太しき立てられて、結界が張られたのよ。

 ゆきはね、ただただ驚いていたのよ。
でね、ボンヤリしているゆきの頭上から、お声が聞こえてきたのよ。それはね、

 『猫頭のゆきよ〜そなた、見事、この役目、やり遂げたぞ〜しかと見届けたぞ〜
それで良い、それで良い、ハッハッハハハ…』

 ハハア、猫神様ありがとうございます😭
 すみちゃんお婆ちゃん、ありがとう😭
 
 木の上からは姫ネズミのコチママさんが、木陰からは野うさぎのポキママさんがゆきちゃんをそっと見守っていました。

 
 
 





 
 

 





第15話 古墳の祭祀前日。ゆきちゃん、花蓮と象の妖精さんとお香を作る!

2023-07-16 01:47:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語
 『ゆきちゃん、これから明日の祭祀で使う練香を作るわよ〜。ゆきちゃんにもお手伝いして、いただきたいの。』
 あー花蓮さん、今日もおきれいね〜💓
今は花びらは降ってないのね。
でも今日は森のような清々しい香りがするわ〜
森林浴って感じね〜。空気が濃いわ。

 『ゆきちゃん、まずね、お香の材料を用意するのよ。宇壷家では、自分で原料を粉にしていくのよ。
白檀、丁字、桂皮、ニクズク、沈香、大茴香、山奈、貝香、安息香、竜脳、乳香、甘松、橙皮、かっ香を微妙な配分で調合して、ヨハンが作った竹炭、タブ粉で作るのよ。あとは、亀のとっくりさんとえりまきさんのお庭で咲く蕎麦の花のハチミツと東側にある栗の木の花のハチミツ、それにママが育てたラベンダーのハチミツで練っていくのよ。
 
 凄いわ。材料を砕きはじめたら私の鼻の通りが良くなってきたわ。たくさんの自然の材料で作るのね〜。
あら?花蓮さんが砕いている材料の回りをね、小豆くらいの小さくてポッコリした象さんがお二方で飛んでいらっしゃるわよーすご〜い、
なんてお可愛らしいのかしら♪うっとり〜

 『材料はね、一年に一度インドへ行って
買い付けてくるのよ。ふふふ、ゆきちゃん
象さん飛んでるでしょ?インドの妖精さんよ。
可愛らしいわね。お香が特別に出来上がるように応援してくださっているのね。
ありがたいわね、ゆきちゃん!』

 ほんと!ステキだわ〜
象の妖精さんのお一方は右回りに、もうお一方は左回りに花蓮さんの周りを舞っていらっしゃるのよ!

 『これをよく練って、耳たぶくらいになるようにと。 あ、少し梅酒を入れますよ。
いい感じね。ママとヨハンは違う香りを作るのよ。
それを一年間、土の中で寝かせるのよ。
ゆきちゃんと私と象の妖精さんで、3種のハチミツ入りの甘くて清々しい香を、気持ちを込めて作りましょう!
あ、いい感じだわ。少し、温度が上がっていい香りがしてきたわね。
さあ、あとは丸めて出来上がりよ。』

 あらあら〜いつの間にか、象の妖精さんが増えていて、わたしアワアワしてるとね、妖精さんが四角形にお香の上を飛んでいるのよー
で、よ〜く見るとね、美しく光る水のハンカチベールをね、そっとお香にお掛けになったのよ!
その瞬間、焚いてもいないのに、芳醇な香りが辺りに香ってきたのよ!
不思議よね?

 『妖精さん、ありがとうございます。
きっと祭祀は上手くいくと思います!
 ゆきちゃん、もう少しお手伝いしてくださいね。』

 あら?まだ作りかけのお香が残っているわ。

 『これは、ゆきちゃんにお手伝いしていただきたいのよ。ふふふ。ゆきちゃんの肉球で作ってほしいのよ。よろしいかしら?』
 えーゆきのに、に、肉球?で?

 『ゆきちゃん、さあ、お手てで。』
コロコロしてぺったんこっと、もひとつ、コロコロしてぺったんこ、コロコロぺったんこ…
 『あら〜ゆきちゃん、上手に出来たわ。
可愛い肉球で作ってくださった、このお香は海外遠征に行く時に持って行きたくて、ゆきちゃんにお願いしたのよ!ありがとうゆきちゃん😊
大切に使うわね〜』

 うれしいわ。ゆきのこの肉球が花蓮さんのお役に立てるなんて〜(〃ω〃)
今の私の肉球は良い香りすぎて、野次猫の手は
熊の手に負けないわよープンだ!
あー負けず根性が出てしまったわ。
はしたない。
アハハ…

 『祭祀のお香は乾燥させないのだけれど、ゆきちゃんのお香は、乾燥させて使うのよ!出来上がったら、一緒にお香のかおりを聞きましょう!』
 ハイ!花蓮さん!
あら、ゆきのお香にも妖精さんが、小さな渦巻きの雫を降らせてくださっているわ。今度は甘くて優しい香りが立っているわ。ありがとう!妖精さん!
だけど、象の妖精さんはインドからいらしたの?
インドにお帰りになれるのかしら?
不思議ね…

 すみちゃんお婆ちゃん!ゆきはね、宇壷家に来てから、いろいろな経験をしているのよ!明日はね、いよいよ古墳の祭祀なのよ。ゆきは、お役目を立派に果たせるよう、すみちゃんお婆ちゃん、お空からゆきのこと見守っていてね!絶対よ!

 さあ、パトロールに行ったあと、ヨハンさんのギャラリーのベッドでチャットさんが、お通りになるのを待ちましょっと

       つづく

    






第14話 ゆきちゃん、祭祀前に猫神様から祭祀のお役目を賜わる!

2023-07-07 12:15:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語
 『ゆきちゃ〜ん。これから、花蓮が帰ってくるのよ〜。今、ヨハンが空港まで迎えに行ってくれてるのよ!』

あ〜何だか素敵なシチュエーション!
だってね、遠く離れていた恋人をお迎えに行くって、とってもロマンチックよね〜。
いいなあ〜ゆきの空想劇場が始まりそうよー
止まらないわー…旅から帰った私をね、チャトさんが船着場までお迎えに来てくださるの〜
『ゆきちゃん!お疲れ様!』とか何とか、言ってくれちゃつたりなんかしちゃったりして〜。
あ、でも船着場はちょっと古風かしらね。アハハ。
あーダメダメ!しっかりしなきゃよ!ゆき!
今日はこれから、初、花蓮さんなのよ〜。
あ〜楽しみねー♪ワクワク…ドキドキ…フウ〜っと。こんな時は、爪研ぎに限るわ!バリバリ〜バリバリ〜っと。精神統一よ!

 『ゆきちゃん!二人とも帰って来たみたいよ。あらあら、花蓮、お帰りなさい!ヨハン、ありがとう!』
 『ママ、ただいま〜お変わりない見たいね。
何だか以前より若返ったみたいよ!』
 『まあまあ、ふふふふふ。』
 『あ〜ゆきちゃんね!初めまして。花蓮よ。
お会いしたかったわ。よろしくお願いしますね。
ゆきちゃん!ママと宇壷庭をお守りしてくださって、本当にありがとうございます!流石、ゆきちゃんね!
光っていらっしゃるわ!』
 
 ゴロゴロ…ゴロゴロ〜ニャニャニャーン…ニャーン…と私ね、興奮しすぎて、スリスリと頭突きを10回以上もしてしまったのよ〜
あー恥ずかしいし、はしたないわよーゆき!
あ〜もう、花蓮さ〜ん。素敵なお方だわ。お顔立ちもさることながら、立ち居振る舞いが、ほんと!艶やかでいて、嫋やかで、かつ、しなやか〜でらして〜。あ〜キリがないくらいステキ!チャーミングさも
おありだし。あ〜ゆきはもうメロメロよ〜。
だからね、無意識にまたまた、ニャーン…ニャーン…っと、スリスリと頭突きをしてしまったの💦💦花蓮さ〜ん!ごめんなさい!あ、でもね、さすがに、カミカミは堪えたのよ。
そうだわ。後で、みっちゃんが下さった毛布さんで、カミカミ、フミフミしましょ!
あのね、ゆきのね、密かな楽しみなのよ〜ふふふ。

 あ、そうそう、私の目が変なのかしら?
さっきから、花蓮さんの頭上からね、ずーっと花びらが少しずつ舞ってくるのよ!もう、びっくり‼️
 『あ、ゆきちゃんもお気づきのようね。花蓮は今回の遠征は結構、大変だったみたいね。』
 『ママ、大丈夫よ。天女さんたちが助けてくださっているし、今は少なくなったけれど、まだ花びらが降っているでしょ。』
 
 『あ、ゆきちゃん、花蓮から良い香りがするでしょ。
花蓮が色々な不協和音を調整出来ることはご存知よね。でもね、やはり花蓮にも多少なりとも見えない澱が溜まるのよ。それを天女さんたちが、お清めの花びらを降らせて、花蓮の浄化を手助けしてくださっているのよ。だからね、花の在り香(ありか)が多ければ多いほど、花蓮はその地の自然や人々、物事の不協和音を調整してきたことになるのよ。
 
 あ〜だからなのね〜香水にしては清々しくて
ずっと花蓮さんといたくなるもの。
もしね、香水なら、私がいつかチャトさんとの初デートの時、着けていきたいなあ、なんて思ったけれどバカね、ゆき。 花蓮さん、とても大切で大変な命を全うされて、お戻りになられたのね!
花蓮さんて、お美しいだけじゃなくて洗練されてて、光り輝いていらっしゃるわ。

 『ゆきちゃん、今日は皆んなで、ゆっくりしましょうね♪ そうそう、ゆきちゃんの大好物のあんこも炊くわね。昨晩、小豆を水に浸けておいたのよ。
もちろん、甘さ控えめよ!ふふふ』
 あーみっちゃん、ありがとう!ゆきのために手間ひまかけてくださるなんて〜あもう、感謝感激↗︎雨🌀ウツボさまさまよーニャワーンっと。
甘さは控えめなのね〜アハハ。
 私ね、すみちゃんお婆ちゃんと暮らしていたころね、初めてあんこを舐めさせていただいたのよ❣️すみちゃんお婆ちゃんが召し上がっていらした、苺大福のあんこをね。私ね、苺の香りとあんこのコラボがとても気に入ってしまったのよ〜。
すみちゃんお婆ちゃんはね、『ゆきちゃん、少しだけよ。って、苺の果汁とあんこを舐めさせてくださったの。私ね、とーっても、し•あ•わ•せで、フワフワした気持ちになったのよ。ケセランパサラ〜ン…
あ、でも何でみっちゃん知っているのかしら?
不思議ねー。でもうれしいわ、みっちゃん!
楽しみよ。

 『花蓮、竹林を少し歩かない?ゆきちゃんも一緒に来るかい?』
え、ヨハンさん、私もよろしいのかしら?ダメダメ、ゆき、二人のお邪魔よ!
 『ヨハン、ゆきちゃんが困っているわよ〜ふふふ。ゆきちゃん、二人で行ってくるわ。後で、私のお膝にいらしてね。二人っきりで、お話ししましょうね。』

 えーお膝?二人っきり?
いやいや、正しくは一人とニャンコ。そこは、ゆきも立場をハッキリしておかなくては。キリっと。
あーもう、想像するだけでうっとりよ〜。

 『ゆきちゃん、明後日の祭祀に向けて、明日は練香を作るのよ。古墳の回りを私とヨハンと花蓮の3人で作ったお香を朝一番に焚いて香りを燻らして、辺りを清めるのよ。この時期はね、移い菊の薫物をつくるのよ。時に合わせたものを作って、おもてなしの心を最大限にして祭祀に臨むのよ。ゆきちゃんにもぜひ作る工程を見ていただきたいわ。』
 
 あ〜なんて古風で美しい響きなのかしら。
ゆきはね、うつろうとか、たきもの、くゆらす、って
言葉をすごく気に入ってしまったのよ〜。
楽しみだわ。

 今日は午後のパトロールを早めにしましょ。
その前に少しお昼寝よ。花蓮さんとお話しするために、頭を休めないと💤
あら、また夢かしら?
 『ゆきよ!古墳の祭祀の終いを其方に任せるぞ〜。天照大御神様の命にて其方、猫頭として
終いに、古墳の結界を張る力も授けるぞ〜
確と上から見守る故、任せたぞ!良いな猫頭ゆきよ!ハハハ…』(( _ _ ))..zzzZZ
 はっはー猫神様、畏まりました〜


 『ゆきちゃん、お目覚めのようね。こちらにいらして!起きるのを待っていましたよ〜ふふふ』
 あ、花蓮さんがね、私をお膝に抱っこしてくださったのよ!うれしいわ。ハートが体中から飛び出していないかしら?💓ちょっと恥ずかしいわね💓

 『ゆきちゃん、私がいない間、いろいろとありがとう!これからもよろしくお願いしますね。ママはゆきちゃんが来てくださってから、とても楽しそうなのよ。娘が一人増えたって。ふふふ。だから、私も安心して、また遠征に出かけられるわね。』
 何だかね、私、涙が出そうよ。
花蓮さん!ゆきは、宇壷家に来られて沢山の方々に大切にされて、本当に幸せよ!
すみちゃんお婆ちゃん、ゆきは幸せ者、いや幸せニャンコね!これはね、シクシクうれし泣きよ!

 『そうそう、明後日の祭祀ではゆきちゃんには、大切な任務があるみたいね。』
 
 あ、確かさっき夢をみたわ。
何でも祭祀の終わりに結界を張るらしいんだけど…どうするのか、やり方は?猫神様は、なにも仰らなかったわね。困ったわ。

 『ゆきちゃん、心配されなくても大丈夫よ!
祭祀が始まったら、自然にしたくなったことをなさればいいのよ!
私はゆきちゃんのされることを信じて、見守りますよ。ゆきちゃんなら、大丈夫よ。
ご自分と猫神様を信じて!』

 えっ、えー、ゆきにそんな大役が?出来るのかしら?あーもうー爪研ぎしたい〜。でもなぜかしら?やる気がみなぎってくるわ。恐るべし、猫神様!
ゆき、頑張ります!猫神様、すみちゃんお婆ちゃん、見ていてくださいねᕦ(ò_óˇ)ᕤ

 『あらあら、ゆきちゃん、ゴロンゴロンして〜、
とってもお可愛らしいわ!
アイグー…あら私ったらママの影響で、韓国ドラマの見過ぎだわね。ついつい、アイグーって言っちゃうわね。ふふふ。ゆきちゃん、ママが作ってくれた、苺大福を一緒に食べましょう!』

 うれしいわ。花蓮さんもすみちゃんお婆ちゃんみたいにね、お膝に乗った私に、甘酸っぱい香りの苺の果汁とあんこをね、そっと舐めさせてくださったの。ゆきはね、それはそれは、嬉しかったのよ!
 
 あーやっぱり、苺とあんこのコラボはサイコーね!

 みっちゃん、少ししか食べられない私のために、あんこを炊いてくださってありがとう!

 明後日の祭祀のことを考えるとドキドキ、ワクワクが止まらないわ。
今夜は早寝してフワフワたんぽぽ綿毛の夢がみれたらなあ…ケセランパサラ〜ン…

       つづく



 




 

番外編 ゆきちゃん、七夕で、すみちゃんお婆ちゃんと再会する!

2023-06-30 07:52:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語
 『ゆきちゃん、今日は七夕様ね🎋
今ね、ヨハンが笹を採ってきてくれたのよ。テラスに飾りましょう!』
 みっちゃんと初めての七夕様ね〜ふふふ。

 私も小さな頃、すみちゃんお婆ちゃんが、笹に短冊を飾り付けついるのを見ていたのよ。
すみちゃんお婆ちゃんはね、短冊に書く墨のお水にこだわっていたのよ。
毎年、朝早くお芋の畑に、一緒に行ったことを思い出すわ。お芋の葉っぱに溜まった雫をね、コロン、コロンと器に落として採った、その雫で墨を擦ったのよ。すみちゃんお婆ちゃんがおっしゃるにはね、お芋の雫で擦った墨で、短冊に文字を書くとね、字が上手になるんですって。ふう〜ん、って思いながら聞いていたけど、確かにすみちゃんお婆ちゃんは字がお上手で、お若い頃は書道教室をしていらしたんですって。
懐かしいわ。すみちゃんお婆ちゃん!
思い返すだけでウルウルしてきゃうわ。
まだまだゆきは、すみちゃんお婆ちゃんを忘れる事は出来ないみたいよ〜お、お婆ちゃ〜ん!

 『ゆきちゃん、今から朝1番のお芋の葉に溜まった雫を採りに行くところなのよ。お散歩がてらご一緒しましょうよ。いかがかしら?』
 わあ、みっちゃんとお散歩、楽しみ〜
みっちゃんもお芋の雫を使うのね〜。

 わあ〜一面お芋の葉っぱだらけね。
私から見たら、芋の葉屋敷って感じだわ。
素敵。何よりも朝1番だから、空気も澄んでいて気持ちがいいわ。
 そんな私を見てね、みっちゃんがそっと抱っこして、雫を見せてくださったのよ!
コロンとしていて、とても可愛らしいわ。
 みっちゃんがおっしゃるにはね、朝露じゃなくて、お芋さん、自らの水分らしいのよ。
凄いわ!お芋さん!
 
 『さあ、沢山採れたわね。
帰ったら早速、硯に雫を移して墨をするわよ。
ゆきちゃん、お散歩に付き合ってくださって、ありがとう!』

 『さあ、お願い事を書きましょう!ゆきちゃんの分も代わりに書かせてね。ふふふふふ。』
 みっちゃん、楽しそうね〜。
ゆきもうれしいのよ〜。みっちゃん!
いつもありがとう!

 あ〜思い出すわ。すみちゃんお婆ちゃんとの最後の七夕様を。私ね、すみちゃんお婆ちゃんが、短冊に書いた願い事を何気なく見てしまったの。
そうしたら、すみちゃんお婆ちゃんたらね、『私、亡き後、年に一度、夢でもいいから、どうかゆきちゃんに合わせて下さい。』って、書いてあったのよ。
私、もう、たくさん泣いたのよ!ニャンコだってさ、鳴くじゃなくて、泣くこともあるんだから!プン!あ、怒るとこじゃないわね。アハハ。
そう、私ね、うれしくて、うれしくて…でもね、とっても切なくもあったのよ。
それにね、すみちゃんお婆ちゃんは私のためにね、『私が亡き後、ゆきちゃんが幸せに暮らせますように。』とも書いてあったのよ。
あー涙が止まらないよー。
 
 だから私もね、猫神様に心からお願いしたのよ。
『あ〜どうか猫神様、夢でもいいから一年に一度は、すみちゃんお婆ちゃんに合わせて下さい!
ゆきはお利口にしますから。』って。
つい、ぼんやりと昔を懐かしんでたら、
みっちゃんがね、『ゆきちゃん!今日はゆっくり七夕様を楽しんでね!きっと良いことが起こりますよ!
ふふふ』
 みっちゃん!何でもお見通しね。💦

 その日の夜、ゆきはね、夢を見たのよ!
すみちゃんお婆ちゃんが鶴に乗って、ゆきに会いに来てくれたのよ!
それが、とーっても美しい光景だったの。
すみちゃんお婆ちゃんの回りにはね、星がキラキラしていて、たくさんの花筏の葉っぱと鷺草のお花たちのお伴が、すみちゃんお婆ちゃんをお守りするかの様に、辺りに散りばめられていて、それはそれは、見事な景色だったのよ。

 『ゆきちゃーん!一年ぶりね!みっちゃんとの生活にも慣れたかしら?ゆきちゃんは賢い子だから、きっと大丈夫ね!お婆ちゃんも、お空からゆきちゃんを見守っているのよ〜。頑張っているわね。』

 『え〜ん、え〜ん…( ;  ; )すみちゃんお婆ちゃ〜ん…ゆきはもちろん、幸せ者よ!でもね、赤ちゃんの時からすみちゃんお婆ちゃんと、ずーっと一緒にいたのよ。だから、そう簡単にはゆきは、忘れることなんて、出来ないのよ、すみちゃんお婆ちゃ〜ん…( ;  ; )だってね、楽しい時も悲しい時もぜーんぶ一緒だったんだもの。
 それにね、ゆきは、すみちゃんお婆ちゃんに何も恩返しをしていないのよー( ;  ; )
だから、今日はゆきがすみちゃんお婆ちゃんの笠地蔵さんになるわ。

 だってね、小さい世界しか知らないゆきには、それしか思い浮かばないの。ごめんなさい!すみちゃんお婆ちゃ〜ん…(涙)

 ゆきがまだミルクを飲んでいたころね、よくすみちゃんお婆ちゃんが、読んでくださった『笠地蔵さん』のお話しがゆきの心に残っているから。
笠地蔵さんはお米やお野菜をお返ししたけど、ゆきはなにも出来ないの。( ; _ ; )/~~

 『ゆきちゃん!お婆ちゃんはね、今日ゆきちゃんと再会することが出来て、本当に幸せなのよ。だってね、私の家族はゆきちゃん、あなただけなのよ。
だから、毎日毎日、ゆきちゃんに会える事だけを思っていたのよ。
それにね、ゆきちゃんが猫神様に頼んで下さったでしょ!お婆ちゃんに会いたいて!
 ありがとう!ゆきちゃん!本当は掟破りらしいんだけれど…ふふふふふ。
でもね、私はそれでもいいと思ったのよ。
ゆきちゃんとお婆ちゃんの心が軽くなるのなら。
それにね、いつの日か、ケセラセラ、ケセランパサランって思える日まで、神様はきっとお許しくださると思うのよ。
 それにね、毎日、テレビを観るみたいにゆきちゃんの素晴らしいお姿を見守れるのよ。ゆきちゃん!春になったら、きっとチャトランさんと仲良しになれるわよ!
お婆ちゃん、楽しみにしているのよ〜。
早く、孫?ひ孫?を見たいわ。ふふふ。

 いゃ〜ん、すみちゃんお婆ちゃんたら〜
夢の中でゆきをからかうなんて〜(//∇//)
 
 でもね、いつでもゆきの側にいてくれていたのね!すみちゃんお婆ちゃん、ありがとう!そう思うとゆきもね、毎日、頑張れるわ。それにね、すみちゃんお婆ちゃん!
宇壷家と宇壷庭の皆さんってね、それはそれは、お優しい方々ばかりなのよ!

 『あ〜良かったわ。ゆきちゃんは心がピュアだし、優しすぎるから、お婆ちゃんは、ゆきちゃんのガラス細工のような心が心配だったのよ。いろいろな事があってもね、ゆきちゃんはお婆ちゃんにとって、特別な存在だって事、忘れないでね!
あ、それからゆきちゃん、猫頭の命を賜ったんですってね!おめでとう!
でもね、ゆきちゃん!ゆきちゃんはゆきちゃんらしく、日々を大切に生きればいいのよ!ゆきちゃんならば大丈夫!
いつでも、いつまでも、ゆきちゃんを見守っていますよ!大好きよ、ゆきちゃん!』
眠い💤

あら〜みっちゃんの黄色と赤の短冊がゆきの所に飛んで来たわ。なになに、え、『ゆきちゃんが、前の飼い主さんと再会出来ますように!』え、『ゆきちゃんが宇壷家でも楽しく、幸せに過ごせますように!』
で、ですって!えーん、えーん…ありがとう
みっちゃん!大好きよ!

あ〜眠いよ💤 
何だか今ね、とーっても幸せで、フワフワした気持ちよ!
ケセランパサラン〜フワフワね〜


第13話 後編/古墳の謎と北側、天の磐座の謎に迫る!

2023-06-25 13:53:06 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語

       【後編】

 『さあ、ゆきちゃん!ここから、この小高い裏山に入っていくのよ。
あ、コチママさんは木を伝って行くから、私が磐座までご案内しますね。
大体、小半刻(約15分くらい)かしらね。
ゆきちゃん、よろしいかしら?』
『はい、大丈夫ですよ!ポキママさんも子育てのお忙しい中、ありがとうございます😭』
感謝感謝だわ。

 『この山はね、春になると四方八方に赤紫の片栗の花が咲いてね、それは美しいのよ。
また春になったら、ご一緒しましょう!』
『はい、楽しみにしています!』
あ〜宇壷家に関わりのある方々って、皆さんお優しくて素敵な方ばかりね!
何だか、ゆき、ウルウルしてきたわ。
あーすみちゃんお婆ちゃんと暮らしてた時を思い出すわ。
『すみちゃんお婆ちゃん!ゆきは幸せに暮らしていますよ!心配しないでね!』
さあ、気持ちを切り替えてっと。

何だか視線を感じるわ〜と振り向くと狛犬さん?心の中で、こんにちわ!

 『あら、水の音がするわ。』
『ああ、この音はね、湧水の音よ。
この音が聞こえてきたらもう直ぐの合図なのよ。』
『あ、鳥居があるわ。』
 『こちらの祠はね、雷(いかづち)の神様なのよ。』
『それにね、こちらの祠の下から、水が湧いているのよ。祠が磐座の入り口なのよ。』
『ゆきちゃん、もう少しよ。こちらの祠の左側を通って行くと、ほら!見えてきたわ。』
 『わー凄いわ。磐座ってこんなに大かったのね!』
 『お待ちしてたわよ、ゆきちゃん。』
 『あら、コチママさん!お早いのね。』
 『ふふふ』

 『あ、そうそうゆきちゃん、コチママさんは、こちらの磐座の言い伝えにお詳しいのよ。』
 『そうなんですね〜。ぜひ、お聞かせください!』

『その前に、皆んなで、湧水をいただきましょう!
こちらの湧水はね、浄化の力があるのよ。
宇壷家と池にもこちらの湧水が引かれているのよ。』
 だからなのね〜宇壷家の方々と宇壷庭の方々は、皆さん澄んだ気の良い方々ばかりなのね。
納得!

 『こちらの磐座はね、太古の昔からこの小山に鎮座されていてね、ある大雨の日に、それはそれは大きな響きの雷が轟いて、雷の神様が磐座と共にこの小山に降りられたそうなのよ。それにね、雷の神様は水神様のお筋の神様なんだそうよ。
なんでも、高貴な神様がご降臨される前に、雷の神様がまずこの地に降りられて、磐座を祀られたんですって。その高貴な神様は、天照大御神様でらして、こちらの磐座には、天照大御神様の荒御魂がお祀りされていらっしゃるのよ。
荒御魂はね、古くなって劣化してしまったものを流して、新しいものに変えて、産み出してくださるお力がお有りなんですって。変化、変幻とでも申しましょうか。決して古いものを無くすのではなく、その時々に見合った形を産み出してくれるエネルギーなのだそうよ。

 だから、古墳の祭祀に向かう前には、
こちらの磐座にお詣りされてから祭祀をされるのよ。古墳はとても古いものでしょ、古きを重んじながらも、新しき力も大事にして祭祀を執り行う事で、天地の均衡がたもたれるのだそうよ。』

 『あ〜その為の祭祀なのね!』

 『そうなんですよ。そのためには、敬意と畏怖の心を持ちながら、生きる姿勢をこの祭祀でお見せし、変化を恐れずに進む事が大切なんだそうよ。』
 
 恐るべし宇壷家よ〜💦💦

 『あ、そこでね、音がまず大事なんですって!
祭祀の最初には、まずこの磐座の御戸を御開けいただくのよ。そのお役目が花蓮様のフィアンセのヨハン様がお務めされるのよ。』
『え、え?ヨハンさんが、何をされるのかしら?』
『はい、ヨハン様が石笛の音を響かせるんですよ。』
『石笛を?』

『ええ、その時にはこの磐座も光り輝いて、磐座から天照大御神様にお仕えされている、龍神様がお出ましになられて、物凄い勢いで、古墳に向かわれるんですよ。
そして、天と地を結んで聳え立つ、美しい御柱の地から左巻きにコイルを描き、虹色の渦を巻きながら天へお昇りになられるのよ。その後から、花蓮様が美しくもお優しいハープの音色を奏でるんですよ。

 するとね、天にお昇りになられた龍神様が、今度は虹色の渦を纏いながら、右巻きにコイルを描きながら地に向かって降りてこられるんですよ!』 
何だかゆき、眩暈がしてきたわ。あ、湧水湧水っと。フウー。
 『龍神様は一瞬、地に降りられたかと思ったら、一気に小山の磐座へと舞い戻られるのよ!』
アタフタしちゃうわ💦

 『あ、コチさんもポキさんもお疲れでしょう!
湧水をどうぞ、お召し上がり下さい!』

『ゆきちゃん、大丈夫ですよ。
ゆきちゃんにお伝え出来ることは、大事なお役目だと思うのよ!ありがたいわ!』
 『え〜ん!涙涙だわ。ありがとうございます😭』
 
 『ゆきちゃん、あちらの古墳はね、昔は昔、大昔に、祭祀を執り行っていらした方のお墓らしいのよ。天照大御神様とのお約束でこの地にお眠りになられて、あの美しい御柱を、お守りしていらっしゃるらしいわ。そのお陰でこの地の安寧が保たれているのよ?凄い事よね!』
 
 凄すぎて、ゆきはヘロヘロよ〜
 でもなんだか涙が出ちゃうわ。

『天照大御神様は、太陽を司っていらっしゃる、天が下の御賜でいらっしゃるから、生きとし生けるもの、全ての賜なんですよ。そして、宇壷家ではこの祭祀を司れる、主が、必ずお産まれになられるんです。』
 
 みっちゃんも大切なお役目がおわりなのね。
ゆきも、みっちゃんのお役に立ちたいわ。
みっちゃん!

 『そうそう、この北側の磐座と西側の古墳に少しでも異変があった場合にはね、ポキママさんからの合図で、私が、とっくり様とえりまき様の所へお知らせに行く、お役目も賜っているんですよ!
あ、でも今の時節は土公神様の所に向かうんですよ。』

 『ところで、ポキママさんはどうやって、コチママさんに合図をされるんですか?』

 『ええ、私、ポキが異変を感じたら、直ぐにコチママさんに、後足で地面を響かせるんですよ!』

 『トントン、トトトン、トントン、トトトン、トントトトンって。』

 『凄いお役目なんですね!その音を受けて、
姫ネズミのコチママさんが走るのね。
こんなにお小さい体で!』

 『ゆきちゃん、ご心配してくださってありがとうございます😭でもね、私は小さいからこそ、何処でもすり抜けられるし、木登りも大得意なんですよ!
だから、最短距離でお知らせに向かえるんですよ!』

 『そうだわ。お困りな事が起こった時やお話しになりたい時には、私が直ぐ駆けつけられるように、ぜひ、ポキママさん!ゆきにも、合図をお願い出来ませんか?』

 『もちろんです!ゆきちゃんには、こんな感じはいかがかしら?』

 『ドンドコドン、ドコドコドン、ドンドドドーン!』よ!

 あ〜すみちゃんお婆ちゃんとこっそり、糸電話ごっこしたのを思い出すわ。
ウルウル。おっと、しっかりゆき!

 『了解しました!ゆき隊員はお二方のお手伝い隊員としての任務も賜りました!
最後のドーンが良い感じね!ありがとうございます♪』
 
 『頼もしいわね!コチママさん!』ふふふふふ。

 
 あ〜今日も素敵な出会いがあったわ!
あ、今日で東西南北をお守りされていらっしゃる方々、全員とお目にかかれたのね〜

 春になって御殿にお邪魔する事が楽しみだわ。
ご夫妻にパトロール報告のし甲斐があるわ…
ふふふ。
春、春、春よ〜♪っと、チャトさ〜ん!
アハハ。おバカね〜ゆきは〜アハハ。