【前編です】
あ、それにね、花蓮も間に合うように帰ってくるのよ〜。ふふふふふ。』
えー楽しみ〜花蓮さんにいよいよお会いできるのね〜。
それにしてもみっちゃん、嬉しそうね^_^
私も嬉しいわ。みっちゃん!
それはそうと古墳の祭祀っていったいどんな事をするのかしら?
あーソワソワしちゃうわ。ドキドキ💓
ゆき!まずは爪を研いで、落ち着くのよ!
バリ、バリ、バリバリバリバリ…
『あら、ゆきちゃんどうなさったのかしら?
今日の爪研ぎは、激しいわね。ふふふ。
あ、ゆきちゃん。祭祀の前に、北側に天の磐座(あめのいわくら)があるんだけど、その磐座に新しい標縄(しめなわ)を張って、参拝をしてから祭祀に向かうのよ。
ゆきちゃん!パトロールがてら、下見をされてはいかがかしら?』
あーあ、みっちゃんにはお見通しね。
でもね、私は何よりも早く、花蓮さんにお目にかかりたいと思っているのよ!ドキドキ💓
きっとお優しくて、お綺麗な方だと思うのよ!
ワクワク、ドキドキだわ。楽しすぎる〜。
さあーてと、それではゆき!
今日は北側を中心にパトロールよ!
『お内周りパトロール隊員ゆき!ハイ!』っと
点呼 よ〜し!
あらまあ、素晴らしい銀杏の大木ね〜素敵ね〜こんな銀杏並木の下をチャトさんと歩いてみたいわ〜
あー妄想が止まらないわー。
とかなんとか、うっとりしながら銀杏の大木を見上げていたらね、『こんにちは〜。』って、ゆきの足元から声がしたのよ。
目を落として見るとね、とってもお小さい姫ネズミさんがいらしたのよ!
とーっても、お可愛らしいのよ〜。
ゆきはね、もうキュンキュンしちゃったのよ!
いやいや、しっかりして!ゆき!
『こんにちは〜初めまして。私は宇壷家のパトロール隊員のゆきと申します。』
『はい、ゆきちゃんの事は存じ上げております!
お目にかかれて光栄です!ゆきちゃんはお噂通り、お綺麗なオーラを纏われておいでですね!
それに想像通りのお可愛らしいお方ですね!
ふふふ。私は姫ネズミのコチと申します。
今はこちらの銀杏の木の巣穴で子育て中なんですよ!どうぞよろしくお願いします!』
まあなんてご丁寧なお方なのかしら。
それにとっても褒め上手でらっしゃるわ。
ゆきは、褒められて伸びるタイプなのよーアハハ。ゆき感激よー。
しかもコチママさんてね、とーってもチャーミングなのよ!
お小さくてね、まんまるお目々がツヤツヤで〜
あーあんまりお可愛らしすぎてね、ゆきね、食べちゃいたくなるわ〜イカンイカン、イカンよ〜ゆき!
これじゃ、猫本能まるだしよ〜💦💦💦
『あ、こ、こちらこそよろしくお願い致します。
コチママさん!』💦💦
『あ、そうそうゆきちゃん!もうじきママ友さんで、
野うさぎのポキママさんがいらっしゃるのよ!
ゆきちゃんにぜひ、ご紹介させていただきたいわ!』
『わあ〜うれしいです!コチママさん!ぜひ!』
トントトトトトン…『あら何かしらこの音?』
『あ、いらしたみたいだわ。あ、この音はね、今から行くよ〜って、ポキママさんが後ろ足で地面を鳴らして、教えてくださるのよ!』
『コチママさーん、こんにちは〜。』
『はーい!ポキママさん、お待ちしていましたよ〜。』
『あら?もしかして、もしかしたら、ゆきちゃんでは?』
『そうよ〜、ポキママさん!こちらが、ゆきちゃんよ!』
『はい、ポキママさん!私がゆきです!
お会い出来て嬉しいです!よろしくお願い致します!』
北側にこんなに素敵な方々がお住まいとは〜。
もうゆき、ワクワク、ウキウキしちゃう!
それにね、お二方とも冬毛のフワフワコートを着てらして、とってもお可愛らしいのよ!
あまりにお可愛らし過ぎてね、
私ったらね、後ろから飛びかかりたくなりそうな衝動を抑えるのに必死だったのよー💦💦( ; ; )
『あ、そうだわ。ゆきちゃん。近々、古墳で祭祀が執り行われるのよね?』
『そ、そ、そうなのよ!それで私、パトロールがてら、北にある磐座を拝見しに来たのよ!』と、動揺を隠しつつ…アハハ…
『ところでコチママさんとポキママさんは穴籠もりをなさらないのですか?』
『ええ、ポキママさんと私は、冬の間は子育てをしながら、穴籠もりをされていらっしゃる方々の代わりに、微力ながら宇壷庭を見守るお手伝いをさせていただいているんですよ。』
『そうだわコチママさん。今から私たちがゆきちゃんを磐座へご案内しましょうよ。』
『えーよろしいんですか?お子様たちは大丈夫ですか?』
『ええ、大丈夫ですよ。今はお昼寝中ですし、ご近所さんの椋鳥(ムクドリ)さんご夫妻が、見守りをしてくださっているんですよ!私たちママも少しは息抜きしませんと!ふふふ。』
『さあ、参りましょう!天の磐座へ。』
【後半に続きます】