灯の入るを待てばほうたるぶくろかな
雨を衝く列車線路は夜の川
満腔を満たせ魔の花栗の花
剪れば血を水盤に受け黒牡丹
満帆の悲しみ五月の船疾し
薔薇の雨愚かならざる戀はなし
研ぎたては白くして裸身より重し
断頭台ギロチンの弦月南中して五月
影が牡丹色に染まるよ君待てば
奪ふべし一期の愛を栗の花
髪踊る夜風残り香致死量