#創作怪談 新着一覧
晩秋の創作怪談・切り貼りされた手帳
コラージュが趣味という彼が持つ小さな手帳は幾枚もの頁に様々なモチーフが貼り付けられ、既に完全には閉じられない扇状と化している。ただしその手帳が異様なのは外見ではなく、例えばアイスを表現...
春の創作怪談・桜鬼
桜は死者の霊魂が宿りやすい樹木で、花が咲く時期になると生前の姿に似た鬼が現れることが...
晩夏の創作怪談・祟る
祟る家は概ね、拒むか誘うかのニ種類だと彼は言った。前者は侵入者を異物として徹底的に排...
夏の創作怪談・晩夏の匂い
入浴中、いつもの習慣で体を洗おうと手に取った石鹸に鼻を近付けると、いきなり青臭さに煙...
夏の創作怪談・発車します
マッチ箱のような車両がホームに滑り込んで停車すると、車掌が降りて切符の提示を求めてき...
初夏の創作怪談・溝鼠の話
昔、バイト先の掃除中に棚の下で半ば崩れている溝鼠の骸を見付けた事がある。腐肉の狭間を...
春の創作怪談・軋みの果て
久し振りに軋みを感じた。職場の人間に、片付かない空間に、どれだけ歳月を経ようと何者に...
初夏の創作怪談・黄昏の邂逅
海水浴客で賑わう少し前の季節になると彼女と会うのが数年の習慣となっている。黄昏時の浜...
梅雨時の創作怪談・人形の家
友人はあまり人形の類が好きではない。理由を尋ねたところ外観は可愛いと思うが、ああいう...
梅雨時の創作怪談・黒い糸
昔から人間に絡み付く黒い糸が見えた。それが人間の怨恨から発するものだと気付いたのは最...
春の創作怪談・笑う妻
妻は常に笑顔を絶やさない、ただし笑顔のままで非常にキツイ事を言ってくる。この間も晩飯...