カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

初夏の創作怪談・黄昏の邂逅

2021-07-15 21:08:03 | 突発お題

 海水浴客で賑わう少し前の季節になると彼女と会うのが数年の習慣となっている。黄昏時の浜辺に一人座る彼女の側に私も座り、お互い無言のまま海を眺める。やがて周囲が闇に包まれ始めると彼女は海に背を向け一人で歩き出し、独りになった私は決して自分を濡らさない波と戯れるのだ。

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