氷期にも夏は来にけり鉄風鈴
鳴る神の御霊慰む夜の驟雨
火の泪垂らして果てし花火かな
玻璃の靴魔曲を踊る栗花の夜
あらけなき汗の香苦し舞踏病
草よりも薄き身汗の香を羨む
緑陰の滴り止まず胸の毒
新緑の堪へがたきまで緑なり
雨後の芝飽かず嗅ぎをり立夏の夜
舞ひ舞ひて乳房汗ばむ夏来たり
舞衣の薄くなる日や夏立ちぬ