夏過ぎて汗まだ苦き舞ひの連れ
吾亦紅虚構の愛に墓碑もなし
秋晴れや総身に我が血を浴びて死ね
狼藉の夜一夜明けて今朝の秋
秋夜長架空の死をば共に死に
断頭台ほどの重さの秋の空
禁を犯し今年は秋の早く来ぬ
花野往き踏み敷く愛の轢死体
時は記憶記憶は香り金木犀
中秋のくちづけ月の無い小路
菩薩抱く肉の地獄か彼岸花