#TANKA 新着一覧
いっせいに
いっせいに目覚め始める春よ ねえ肌に触れてて風の謳歌
歌う声
歌う声心もとない短歌の時間美しきさがは取り零さずに
晴天の
晴天のなかでまざまざある月を歌う人がいてもいいだろう
周囲には
周囲には喧騒があり確固たる二人の泡は割れては包まれ
夏の終わりに
夏の終わりに名前を聞いて午後のことかなかなかなのなかでつぶやく
満月の
満月の月の光を頼りにし獣の牙を心根にさす
人間の
人間の存在として個がひとつ湖に立った鏡うつしで
素敵とは
素敵とはなぜ敵なのと雨は降りかなわないひと雨音により
雨を見て
雨を見ておもうことは明日かも世界が覆う日いくつもの波紋
虹彩と
虹彩と雨のキスに複数のかぞえきれない波紋が広がる
石の下に
石の下にねむる夢を口に発して指針がとんと時計と合う