#TANKA 新着一覧
しとしとと
しとしとと雨の降る日に窓を開け近づけた空気に羽ばたいていく
猛毒の
猛毒の優しき嘘は赤々と深呼吸をし喘ぎをとめる
わけめなく
わけめなく嫉妬と自由の往来に孤独の花は暁のもの
読み終えて
読み終えて本を閉じて抱かれ忘れさまざまのバラに名を秘める
しましまの
しましまの光と影の木々しげる中をゆくのは流離の思い出
名を知るため
名を知るため言葉を使い暁にこころとからだを眼の縁に入れ
絶佳に残る
絶佳に残る君の声はなつかしさにいまなおくすぐられている
はつなつに
はつなつに閉じ込めた機微を宣言しとこしえのこと思い起こす
同質の
同質の空間としてありながらきのうとは違うぼくやきみや
そよぐ
そよぐひとつの花に恋をして石のうしろに書いた名前また夢
ひと粒の
ひと粒の種を落としてわすれてて大地を鳴らす恋したものは