NPO法人POSSEではこの夏、「社会を変える力になろう!労働・貧困問題と闘うインターンプログラム」を開催します。
2006年の設立以来、POSSEでは若者の労働・貧困問題に取り組んできました。企業が多くの若者を低賃金で過酷な労働環境で使い潰しているなかで、若者自らが声をあげる活動を続けてきました。学生や若者のボランティアが労働者や貧困者の闘いを支援してきました。
加えて、私たちは近年、職場で深刻な労災被害にあう技能実習生や、社会保障から排除されて生存を完全否定されていると言っても過言ではない仮放免者の権利行使のサポートを始めました。なぜなら日本で働き、暮らすことには民族や国籍の違いで分けることはできないからです。
ところが日本社会において、それらの問題はまだまだ解決する様子が見えないどころか、日に日に悪化の一途を辿っています。そんななか、より多くの働く人々や困窮の中に暮らす人々が声をあげる必要があります。
こういった状況を変えるためには、労働問題・貧困問題を抱える人々の権利行使を支援する人々が必要です。そこでこの度は、社会を変えるための力をつけたい若者を対象に、インターンシッププログラムを開設することにしました。例えば、プログラムでは、労働者ひとりひとりに声をかけ(アウトリーチ)労働組合に入っての権利行使に繋げます。
■プログラム
7月下旬・8月上旬開始(一ヶ月間)
①労働運動
工場・倉庫前でのアウトリーチ、労働者の相談受付、証拠集め、団体交渉、抗議行動など
②反貧困運動
生活相談の受付、生活保護の申請同行
③社会問題学習会
社会問題連続講座、ドキュメンタリー鑑賞、ディスカッションなど
なぜ、労働問題や貧困問題、そしてそれらと密接に関わる性差別やレイシズムといった問題が生じるのかを、背景となる社会構造や資本主義システムの観点から学び、議論します。それにより、問題を根本から変えるための実践に繋げていきます。
トピックの一例:
非正規雇用、「ブラック企業」、労働災害・過労死、移民労働・難民問題、性差別、家族、教育、公害・エコロジーなど
■POSSEボランティアの声
山本健太朗
私は大学時代にアメリカでフードパントリーでの食料配布のボランティアを行っていました。毎週食料を配っていても、パントリーの門前に毎週途切れることのない移民・難民・貧困者の長蛇の列を見て、「なぜ貧困は生まれるのだろうか」「どうやったら根本から貧困をなくせるのだろうか」「食料を配るだけでなく、もっと自分ができることはないのだろうか」と考えるようになりました。
帰国後に日本での活動を探していた時にPOSSEと出会いました。2020年当時も技能実習生の「失踪」や窮状がメディアで取り上げられていて、「外国人労働問題」に関心がありました。しかしニュースで取り上げられている惨状は問題の表面だけだと感じていて、何かをしたいと思っていました。
POSSEは、2020年に技能実習生にセクハラ・暴言・暴力を行っていた農業法人の問題に取り組みました。助けを求めてきた実習生を説得し、学生と若者で毎週のように農業法人と監理団体の前で抗議を行いました。
私たちの抗議行動を受けて、農業法人の経営者は書類送検され、管理団体は認可取り消しとなりました。相談から問題を明らかにするだけでなく、実際に当事者と共に企業の責任追及するところまで学生や若者が中心に関わっていました。
参考:【無料公開】Z世代座談会「社会を根本から変えるような運動がしたい」(vol.48掲載)
パンデミック期の労働問題・貧困問題の激化をきっかけに、社会運動に関わるようになったZ世代のメンバーが、その後の運動での経験について語っています。
■POSSEメディア掲載(一部)
朝日新聞・毎日新聞・アメリカ CNN・NPR・Jacobin・イギリス BBC・ドイツ Spiegel・フランス Libération・ポーランド国営ラジオなど
■対象
若者・学生
(海外留学勢大歓迎!)
参加無料(交通費や食費は自費負担)
■説明会日程
・7月23日 13時〜17時
・7月30日 13時〜17時
@POSSE下北沢事務所
日程が合わない場合、別日程での個別説明を行なっているのでご相談ください。
■連絡先
https://line.me/R/ti/p/%40bug0288j
(担当:山本、岩本)
※インターン・ボランティア証明の発行はしておりません。