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自宅から遠くの仮設に入居することになったために、これから通院が心配とのこと。高齢の女性で、自力での移動手段を持っていない。今はタクシーを使っている。
仮設に入ったあと、食器棚や掃除機など、生活に必要なものを買い揃えるのに結構お金がかかる。どうやってお金を捻出しているか尋ねたところ、クレジットカードで支払いを先延ばしにしているとのこと。支払いのアテは今のところ義援金だけ。「がんばって働かなくちゃ」と漏らす彼女は母子家庭の母親。
先日引っ越しをサポートした方からお礼の電話。彼は「今まで人付き合いを軽視してきたが、被災したことで人と人とのつながりの重要性を強く感じた」という。人との、あるいは社会とのつながりがなければ、被災後生きていくことそれ自体が難しかった。
たまたま近所の、それまでは挨拶を交わす程度の関係だった女性にいろいろと情報を流してもらい、彼は仮設に入居することができた。そして荷物の移動に困っていたときにたまたま僕らと出会った。逆に、誰とも出会わず、制度や支援の網から漏れてしまっている人たちはどれくらいいるのだろうか。
あの日から三ヶ月以上が経った。長く被災の苦しみを背負っている人たちが社会的に弱い立場にある人たちだ、というのが現場で支援をしていて思う率直な感想。これは偶然ではないだろう。
社会的に弱い立場にある人たちこそ、自力で被災の苦しみから抜け出すことが難しいのだから、社会的な支援が必要なのではないかと思うのだが、避難所にいる人の生活保護を打ちきってしまうようなことを平気でしてしまうのがこの国の現実なのだ。
これまでの社会政策のあり方や方向性を問うことなしに、本当の被災者支援などあり得ない。
しかし被災者支援に従事していると自分のことがどうでもよくなって仕事に没頭してしまう。というかせざるを得ない。常にオン状態。
被災した石巻市の住民を対象に河北新報社が実施したアンケートによると、「合併の影響は「震災に弱くなった」が35.1%。「どちらかというと弱くなった」が23.6%で続き、合わせて6割近くに上った」そうだ。石巻市は2005年4月に1市6町が合併している。
引越し支援で仙台市内を毎日走りまわっているから、だんだん道に詳しくなってきた。
今日も引越しを2件。まだまだ避難所には人が残っているよう。情報が行き届くよう、どんどん避難所にアプローチしていこう。
一旦仮設への入居が決まったにもかかわらず、仮設でかかる費用(水光熱費、食費、NHKの受信料、必要な家財…etc.)が支払えないことを理由に、入居を辞退した世帯が何件かある、という話を今日サポートした入居者から伺った。被災してもなお、金がなければ仮設に入ることすらできないのか。
今日も引越しだ。今まではプレハブ仮設への入居サポートをしてきたが、今日は初めて「みなし仮設」への入居をサポートする。
これまで話を聞いてきた限りでは、みなし仮設に入居するのは若い世帯が多かった。しかし今日サポートするのは一人暮しの高齢の女性。プレハブ仮設と違って、みなし仮設の場合は被災者自身が物件を探して入居するため捕捉が難しい。
自分で物件を探したりする分、みなし仮設に入居するハードルは高い。だからプレハブに入る人たちより「余裕」がある人が多いかもしれない。しかしみなし仮設に入る人たちが皆、必ずしもそうであるわけでもないし、支援が必要な場合も多いはずだ。
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