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NPO法人POSSE(ポッセ) blog

奨学金制度の実態とNPO法人POSSE(ポッセ)の取り組み


図:【大学学部(昼間部)】の奨学金利用者生活費
JASSOのホームページより作成。


奨学金を利用している大学生の生活費の中で、より多くの割合を奨学金が占めるようになっているというデータが日本学生支援機構(JASSO)から発表されました。これを見ると、奨学金が大学生の生活に欠かせないものとなってきたと言えます。では、利用している学生にとって奨学金は生活を安定させるものになっているのでしょうか。

雑誌『POSSE vol.6』で奨学金制度の問題に関する記事を紹介しているように、JASSOが運営している奨学金には様々な問題があります。
まず、雑誌『POSSE vol.3』でも紹介したブラックリスト化の問題です。ブラックリスト化というのは、奨学金の返還を延滞している人の個人情報を信用機関に流し、延滞者がカードを作ったり、ローンを組んだりできなくする制度のことです。

しかし、年収が低く奨学金を返せない人に対しても、低収入を理由とする猶予は5年以上は認められません。特に非正規雇用率の高い若者にとっては深刻な問題です。雇用状況がこれだけ悪化している中では、5年を経過したからと言って経済的な困窮が無くなるわけではないのにもかかわらず、私たちのヒアリングに対して、JASSOは「自己責任だ」と回答しました。

しかも、JASSOの発表した統計では、6ヵ月以上の延滞者の84%は年収が猶予水準である300万円に満たない人であることがわかったのです。奨学金の問題に関しては、猶予の期間が不十分であることや、猶予が利用者に行き届いていないことなど、利用者の経済状況の悪化に制度が追いついていないことにこそ目を向けるべきではないでしょうか。


「どうせ借金だから苦しいけど利用しない。」
私たちが大学生を対象に実施しているアンケート調査で、奨学金を利用していない人の多くがこのような回答をしました。制度の不十分さは、貧しい学生にこそ降りかかってくるのです。現在、JASSOは、奨学金について、将来の返還を十分考慮してから利用するように呼びかけています。奨学金が現在のような制度である限り、こうした「借金」としての側面のみが強まり、貧しい学生の経済的支援という側面は弱まります。
給付制の、本当の意味で「奨学金」であれば利用したいと考える経済的に困窮した学生にとっては、借金である以上は、現在の奨学金は利用しづらいものとなってしまいます。

現在、民主党が給付型奨学金制度の創設を示唆していますが、現時点で、先進国で給付制の奨学金が存在しないのは、日本だけです。給付型奨学金を創設し、貸与型奨学金に関しても年収に応じた返済制度へ改正するなどの措置を早急に講じなければ、上述のような学生は増える一方です。
他にも、本当に貧しい家庭で育った子どもが奨学金を利用できずに進学を諦めてしまったり、卒業後に返す自信がないため本業である学業に専念できなくなるほどのアルバイトをしなくてはならなかったりする若者の声がPOSSEに寄せられています。


そこで、私たち奨学金ワーキングチームでは、「ブラックリスト」化の廃止、返済の猶予・免除、給付制奨学金の創設を目的として、大きく分けて6つの取り組みを行っています。

①アンケートなどの調査活動
 奨学金を借りている人の実態などを調査し、現状を把握します。
②JASSO・各機関への働きかけ
 日本学生支援機構(JASSO)などに聞き取りをして、上記の実現を直接訴えています。
③メディア・議員などへの働きかけ
 ①のアンケート結果を基に、一般の人に対する発信のための記者会見や、国会議員などにロビイングを行っています。
④奨学金、教育問題に関するイベントの開催
⑤相談
 奨学金に関する相談を実施し、その解決を図っています。
⑥ボランティア募集説明会
 奨学金ワーキングチームで共に活動していくボランティアスタッフを募集し、より早期の、より確実な目的達成を目指します。

奨学金ワーキングチームでは、学生が中心となって隔週でこれらの取り組みについてのミーティングを行い、奨学金に関連する教育問題や格差社会・貧困をテーマとした学習会を行っています。調べた内容については、HP・ブログでアップしていきます。私たちの取り組みに興味のある方は、随時説明会を開催しますので、下記の連絡先までご連絡ください。



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NPO法人POSSE(ポッセ)は、社会人や学生のボランティアが集まり、年間400件以上の労働相談を受け、解決のアドバイスをしているNPO法人です。また、そうした相談 から見えてきた問題について、例年500人・3000人規模の調査を実施しています。こうした活動を通じて、若者自身が社会のあり方にコミットすることを 目指します。

なお、NPO法人POSSE(ポッセ)では、調査活動や労働相談、セミナーの企画・運営など、キャンペーンを共に推進していくボランティアスタッフを募集しています。自分の興 味に合わせて能力を発揮できます。また、東日本大震災における被災地支援・復興支援ボランティアも募集致します。今回の震災復興に関心を持ち、取り組んで くださる方のご応募をお待ちしています。少しでも興味のある方は、下記の連絡先までご一報下さい。
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NPO法人POSSE(ポッセ)
代表:今野 晴貴(こんの はるき)
事務局長:川村 遼平(かわむら りょうへい)
所在地:東京都世田谷区北沢4-17-15ローゼンハイム下北沢201号
TEL:03-6699-9359
FAX:03-6699-9374
E-mail:info@npoposse.jp
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