昨年上半期に行った3000人アンケートの結果、多くの学生がアルバイトを行っており、学生の「労働者化」ともいえる現状が見えてきました。そこで、POSSEでは学生の労働問題を扱う、学生班を立ち上げ、その実態を調査すべく、2006年11月~12月にかけて、都内中堅私立大学の学生を対象に、学生の生活・労働実態に関するアンケート調査を行ないました。
延べ128名の方から回答を頂き、その結果から、「学業よりも趣味や遊びが優先」「アルバイトといっても片手間の小遣い稼ぎ」「モラトリアムを享受する無責任な存在」という一般的な学生像とは大きく異なる実態が見えてきました。以下ではその報告を簡単に行いたいと思います。
1.大学生だって忙しい!
学生はどのような生活スタイルを営んでいるのでしょうか。生活時間の内で多くの時間を割いているものを1位~4位まで回答してもらい、1・2位の組み合わせで集計しました。
1位「授業」・2位「バイト」 30%
1位「授業」・2位「サークルか部活」 13%
1位「バイト」・2位「授業」 9%
学生は遊んでいるイメージが多いかもしれませんが、実際には授業とバイトが生活時間の大半を占めている結果が表れました。中には、授業よりもバイトを優先している学生も数多くいました。また最近では、出席が厳しくなってきているらしく、とても日中遊んでいられるような状況ではありません。
2.モラトリアムはどこへ?
学生時代がモラトリアムとは言えなくなっている現状も明らかになりました。
・将来のために「何かしている」と回答した学生の割合と内訳
1年 32%(「資格をとる」29%、「進学の準備をする」3%)
2年 30%(「資格をとる」30%)
3年 50%(「資格をとる」27%、「就職活動をする」13%、「進学の準備をする」7%、その他3%)
4年 37%(「資格をとる」26%、「就職活動をする」5%、その他3%)
「青田買い」の常態化は多くの学者・ジャーナリストが指摘するまでもなく、大学3年からの就職活動は常識となっています。この背景には、大学の就職課の圧力や昨今の就職難から来る不安感があるようです。モラトリアム=「猶予期間」であったはずの大学は、いまやいくばくの猶予も無い「準備期間」になってしまったようです。
3.「労働者化」する学生たち
学生のアルバイトはもはや常識です。今回の調査では、83%もの学生が「現在バイトをしている」と回答しました。学生は未来の労働者であると同時に、すでに現役の労働者でもあるのです。職種は様々でしたが、特に飲食店でバイトをしている学生の割合は「現在バイトをしている」と回答した学生のうち38%、コンビニでバイトをしている学生の割合16%でした。第三次産業の労働現場が学生を必要としているといえるでしょう。
そのほか、学生の「フリーター」、「ニート」に対するイメージ、低賃金・無保証・長時間労働など不当な労働状況にある学生たちなど、今の学生のリアルな姿を浮かび上がらせる結果がアンケートから現れてきました。より詳細な報告は次号フリーペーパーなどに掲載する予定です。ご期待ください!
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