製造業ITが虎視眈々と何かやるブログ

 IT部門社員です。いわゆる「ひとり情シス」ではないですが、孤独を感じることもあります。
 みんな、プログラム書こうよ!

我が社のRPA事情

2020-11-14 00:05:00 | IT
 僕の勤める会社は、B2Bな製造業。客先からの注文をEDIで受け、製造し、EDIで納品指示を受けて出荷する。
 今のところ、受注業務について、RPAを導入済だ。経営層は、製造業務もRPAで省人化したいとか言ってたけど、なーんか勘違いしている気がするなぁ。



 正直なところ、RPA云々よりも、言いたいことが実はある。同じA社であっても、第1工場と第2工場とで、データフォーマットやEDIシステムが違うことは、全然珍しいことではない…これは非効率だろ!と、客先に向かっては言えないが、すごく言いたい。
 納品先の数(我が社の場合は50~100くらいかな)だけプログラムを用意しなければならないって、ムダだよなぁ。EDIFCTやANSIX12のように、統一してくれないかなぁ。競争原理の働かない競合ほど、無意味なものはない。そこは協調して欲しいものだ。
 中小企業共通EDI標準なんてのも登場したけど、「中小企業」なんて銘打っちゃうあたりが、残念だわぁ。

 話が逸れてしまった。
 正直、客先システムという不確定要素の塊に対してRPAを適用するというのは、あまり得策ではない。
 図のような異常事態も考えられる。



 何故、異常事態が起こりうるのにRPA化したかというと、誤作動を起こしていないか人が監視することにしたからだ。
 元々、省人化ではなく、過密な出荷スケジュールを遅延なく執行することが、RPA導入の目的だったのだ。3名ほどのスタッフが、EDIで当日や近日中の納品指示を受信していた。突発的な欠勤などで手が足らなくなると、出荷予定時刻やデータ配信時刻に間に合わなくなってしまう可能性があった。
 そこで、RPAで予定時刻通りにデータ処理を行うようにし、スタッフ3名は他の業務をしつつ、交代でRPAを監視するという体制にしたのだ。

 まぁ、そんなわけで、我が社の場合、RPAで激的効果を得られたとは、微塵も思っていない。
 が、RPAこそ最先端テクノロジーだと勘違いしている人が大勢いる。その人達の本心は「オレが働かなくても給料もらえるように、お前がRPAで自働化しろ」といったところか。まぁ、流石にそこまでではないかもしれないが、「RPAかシステム屋が、オレが何もしなくても、上手いことやってくれる」ぐらいには思っていそうだ。

 そんな人達には、図のようなフローを見せて、まずは己が働くことを促している。



 ただ、結局のところ、RPAで対応できるのは、個人の細々とした作業ぐらいなもんだ。大規模になればなるほど、「あれ?これって、市販のパッケージソフト導入すれば良かったんじゃない?」ということになりかねない。

 そもそも、RPAもプログラミングの一種なので、どうせプログラミングするなら、きちっと組織として全体最適を図り、それなりのシステムを構築すべきだろう。今は、ローコード開発だとか超高速開発ツールというものがあるので、一昔前よりもシステム構築がしやすくなっている。
 RPAなんてものが流行っているのは日本だけで、海外ではローコード開発が流行っているんじゃないかな?




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RPAブームに思うこと

2020-11-12 21:32:32 | IT

 最近、RPAブームらしい。RPA自体は便利な道具だとは思う。が、世間の期待は過剰というか、的外れなところもあるように感じる。

 RPAブームに対する批判は、この記事がわかりやすかった。

OGPイメージ

日本だけでバカ売れするRPA、愚かな結末を改めて警告する

 いやぁ、白旗を揚げたくなるような気分だ。問題点や将来のリスクを何度も指摘してきたが、もはや多勢に無勢。ITベンダーからは「木村さんが何と言...

日経クロステック(xTECH)

 我が社もRPAを導入したが、社内には、こんな誤解がある。

 ①なんでもかんでもRPAで自働化できる。

  ⇒できません!まず、最低限、作業手順書を作って、新人でも誰でも作業ができるようなものでなければ、RPA化はできません。

   これを無理矢理RPA化したとしても、最悪、ワケのわからない誤作動をして、社外に迷惑をかけることになりかねません。

 ②RPA化すれば、後のことは何も気にしなくても良い。

  ⇒気にして下さい。特に画像認識ベースで動くRPAは、動作不良を起こすものだと思って下さい。

   また、社外システムをRPAで操作する場合は、要注意です。社外システムは、予告なく変更されることがあり、RPAは停止/誤作動する可能性があります。

 ③RPAこそ、最先端テクノロジー。

  ⇒ないない(笑)RPAみたいなものは、実は20年以上も前からあります。昔から、プログラマは利用してます。

   例えば、Webシステムのテストをするさい、VBAとIEオートメーションの組み合わせで、テストを自動化していました。

   が、InternetExplorerのシェアをChromeが奪ったことにより、IEオートメーションでのテスト自働化ができなくなったのです。

   そこでRPAなるものが出てくるわけですが、プログラマのテスト目的だけに使うのはもったいないということで、売り手は世間に流行らせようとするわけです。

 ④RPAは、万能。

  ⇒絶対ない。Webサイトの自動操作であれば、cURLでスクリプト組んだ方が安全だし、完成も速いことが多いです。

 ⑤RPAを前提としたシステムが主流になる。

  ⇒絶対ありえません。RPAは、裏技中の裏技だと思って下さい。

   例えば、Webサイトとして構築された客先システムは、人が操作することを前提としているはずです。

   コンピュータによる自動処理であれば、昔ながらのFTPや、最近であればSOAPなりRESTの方が効率が良いし、間違いもないからです。

   それをわざわざWebサイトとして用意しているということは、人に操作をして欲しいからです。

   客先との信頼関係を裏切ってまで、こっそりRPAで自働化しますか?

 とは言え、我が社はRPAを導入しました。

 そのうち、ブログのネタにしたいと思います。




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