PRESSMAN GOGO

オートバイスポーツ、トライアルを中心にディレクター生野涼介が日々の気がついた事、取材した時の思いなど、日常のブログです。

大阪オートメッセ2016

2016-02-22 14:26:59 | 日々の事
関西最大級のモーターショー「大阪オートメッセ2016」の取材に行ってきました。
4輪がメインのイベントですが、昨年よりお世話になっている「モーターゲームス」が主催の「ヨッシーデモ」があるので呼んでいただいた次第。
今回はヨッシーに小型カメラを着けてもらい、ライダー目線でのバックフリップも撮影出来ました。




「大阪オートメッセ」は今年20年周年アニバーサリーということですが、「モーターゲームス」は3年目。今年は3人のキャンペーンガールを採用です。






番組は彼女たちのレポートで進行。
しかし彼女たちが歩くと、カメラを持った方々がざざざーっと集まってきます。


レポート撮影中に人垣はできるし、彼女たちは撮られるのが仕事だからポーズをとるし、無理矢理レポートに入ってもストロボがバチバチで、うわあ、この状況は想定していなかったなあ。交通整理のADさんが必要だあ。

さらに「ギャル・オン・ステージ」というキャンギャルのショーでは、僕はお仕事なので最前列で撮影ですが、その頭の両側にヌーっと天体望遠鏡のような巨大レンズ。あたしゃまるでガンタンクです。


司会者も「今日は比較的暖かくてよかったね〜」という露出度のギャルが沢山いて、一瞬何のステージを撮っているのかわからなくなるくらい。


僕は満員電車の中で撮影しているような状態で、三脚は蹴られるわパンも出来ないわで、四苦八苦。
でもこういう皆さんがモータースポーツ界を支えてくれているんだから、ありがたい話です。


まるでカメラのモビルスーツのようなカメラマンもいました。

でもこの装備じゃもみくちゃ環境には入れないので、この人はギャルより車やパーツ目当てかな?

このモーターショーは「車の楽しさを追いかけるカスタマイズ」をテーマに、様々なアフターパーツを提案しています。
展示ブースにはエンジンやパーツがいっぱい。






吸気から排気までを抜き出すと、きれいに食べたサンマの骨のようだなあ。


トライアルファンには懐かしい名前のRAYSのブース。


映像工房クエスチョンの2カメさんが好きそうな、薪ストーブとチェーンソーのブース。




取材はよりどりみどりでしたが、番組ではちょっと渋めのクラッチやシートのブースを覗いてみました。




今回のオートメッセは車種別の展示ゾーンも工夫されていて、こちらはハイエースのゾーン。


モーターゲームスガールズは、これに一番感動していたかなあ?


こちらはシールや塗装ではなく、ハンドメイドの彫刻で作られたという車。






エンジンもスペシャルで、価格はランボルギーニやマクラーレンでも数台束にならないとかなわいくらいだそう。


他の展示ブース。
運転中は自分で見られなくても、光り物はカスタマイズの基本ですね。




ここまで派手でなくても、こっそり心をくすぐってくれる光も。


今は公道では見られなくなった、こんな光り物も人気でした。


トラックという存在は、車マニアには独特のものがあるようです。
軽トラを4輪駆動のオフ車に仕上げちゃいました。




こっちも、いろいろこだわっているようです。


キャラバンをぶった切って、トラックにしちゃいました。


ドアを変えるというのも、カスタマイズの基本なのでしょうか。




ガルウイングの車は車内には文庫本を置くスペースもない事が多いけど、工夫次第では自転車が運べます。


もちろんスピードへのあこがれも強くあって、これはGT-R用のスペシャルサス。


この「バカでしょ?」としか言えないようなリヤウイング。徹底的な物は大好きです。


これらスペシャルな装備やアフターパーツの他に、もちろんメーカーからの出展もありました。
市販車に加え完全なレース車も。




こちらはル・マンに参戦している耐久ハイブリッド車、TS040。


トヨタ・フューチャー・ナンバーワンが語源というコンセプトカーFT-1。


シースルーのパワーユニットは、こちらもハイブリッド。ウイングは可変/格納式です。




これらのレーサーやコンセプトカーもいずれの車体そのものや開発技術の市販を想定しているようで、一時は壊滅状態だったスポーツカー市場も随分と復活してきているんですねえ。これはトライアルも希望がつながるかなあ?


そして取材に応じて下さったデザイナーやパーツメーカーの皆様。
モノづくりにかけるコダワリや情熱がハンパ無くて、やっぱりこのパワーだよねえ、世の中を支えたり変えていくのは。




トライアルに限らず、そういう気持ちを映像で伝える事こそ、わたしのお仕事です!

というわけで、これが割り込んだため「テッペンTrial2015」の制作が遅れております。と言い訳。
開幕戦までに間に合うかなあ?

スーパートライアル2015 第7戦東北大会

2016-01-12 23:57:19 | 日々の事
大変お待たせいたしました。2015年の全日本トライアル最終戦のDVDが完成です。
発売は1月18日からになりますが、例によって直接ご連絡いただければ18日にはお手元に届くぐらいでお送りできるかも、です。


ご存知の通り、たったの1点が勝負を分けた、最終戦の優勝争い。
トップライダー5人のその1回の足着きは全てきっちりと、(あまり見たくはないのですが)佐藤優樹選手のあの瞬間も撮ることが出来ました。
優勝とチャンピオン争いの他に、半年ぶりにJTRに戻ってきた斎藤晶夫選手も、爪が剥がれたままで頑張った藤原慎也選手も、バックフリップはなかったけど今季初の6位表彰台ゲットの野本佳章選手もしっかり入っています。

以下DVD紹介文から。

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いったいトライアルにおける減点1点の重さとは、どのくらいなのだろうか。
1g? 1kg? それとも1t?
2015年のランキングを決める全日本トライアル東北大会に用意されていたのは、イージーセクションの数々。
簡単なセクションはトップにとってはクリーンして当然である一方、たった1回の足着きが順位を大きく上下させる。
このためこの最終戦は、それぞれの選手が、重さの単位を変える1点と闘う試合となった。
そして選手たちにとっては、最終戦は勝つかどうかが来年への気持ちが大きく変わる、1年でも特に大切な試合である。
すでに3年連続5回目のチャンピオン獲得に王手をかける小川友幸に対し、ただひたすら優勝を目指す黒山健一、野崎史高、小川毅士、そして柴田暁が挑んだ。
11月の東北地方。冷たい空気の中でどの選手にも優勝のチャンスがある舞台で闘われた、2015年最後のドラマ。
特典映像には、世界選手権フランス大会の横で開催された、トライアルデモンストレーションを収録。

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CM動画は以下からお楽しみ下さい。
https://youtu.be/Ikm6E0Z5L5M

MFJランキング認定表彰式

2015-12-20 13:06:29 | 日々の事
今年も全日本シリーズの締めくくり。年内最後の取材に行ってきました。
会場は大手町の日経ホール。今年1年活躍したライダーが、いつもとは違う背広姿で集まります。


まずMFJ大島裕志会長が、1年の振り返りと来年の予定などを説明。
なんと今年はこの四半世紀で初めてライセンス人口が増えた、とのこと。

うーん、ここに数字が出ていないってことは、トライアルは減っているんだろうなあ。

さてさて各クラスのトップ3人の表彰。トライアル部門です。

国際B級

チャンピオン:山崎頌太 2位:岡村祐希 3位:松本龍二
天パの祐希選手はわかりやすいんだけど、山崎選手はすらっと背が高く小顔で、ライディングスーツとはまったく違った印象。
あやうく見落としそうになっちゃいました。


国際A級

チャンピオン:岡村将敏 2位:氏川湧雅 3位:永久保恭平
岡村選手は来年スーパークラス。目標は10位以内だそうです。
氏川選手も昇格しますが、目標は「5位以内、できれば3位以内」とのこと。
永久保選手は昇格せず、来年もトライアルを楽しむ路線だそうです。

そして国際A級スーパークラス

チャンピオン:小川友幸 2位:黒山健一 3位:野崎史高


友幸選手はキリのいい5回目のチャンピオン獲得でホッとした感じ。キリがいいなら10回目までは行かないと、と言うと「その頃45歳くらいでしょ。無理無理」だそうですが、来年上がってくるチームメイト氏川選手については「ぶっ潰してやります」だそうです(^^)


開幕戦で勝って今年は行ける!と思ったという黒山選手は、思いの外の2位にがっかりですが「もう3年連続2位が続いているので、来年は定位置に戻ります」とのこと。


野崎選手は「マシンを変えて挑んだ1年。途中2回連続の4位があって不安になったけど、最終戦では勝って実力を示せたと思う」でした。



今年はいつもの年にはなかった「海外参戦功労賞」という部門があり、トライアルからはデナシオン世界3位チーム、小川友幸、小川毅士、柴田暁が壇上に。

他の海外参戦功労賞は、アジアロードレースでの3位まで入賞選手が主でした。

トライアルにもアジア選手権があったら、日本人で上位独占でしょうね。

続いてこちらは毎年恒例の「プレス賞」。
トライアルからは「岡村家三世代」とのことで、岡村敏美、将敏、祐希の3選手が、プレス代表の藤田秀二さんから写真パネルを受け取ります。

写真アップはこんな感じ。

ランプキン一家のように、これからも日本のオートバイ文化を伝承していって下さい。

最後は全員壇上に上がっての、記念撮影。

トライアル選手はどこだどこだ?あ、いたいた。







撮影の時には山崎選手を発見できず、だったんですが、映像確認したら黒山選手と野崎選手の前に写っています。よかったよかった。

選手の高齢化が進むオートバイ業界ですが、トライアルでは若い選手が育っています。
男子3日会わざれば刮目して見るべし。最終戦から今日までの2ヵ月足らずで山崎選手がこんなに変わるんだから、みなさん来シーズンはまた見違えて発見できないくらい大きく成長してほしいものです。

あれ?左上に成長しきった元選手が写ってる(笑)

スーパートライアル2015 第6戦中部大会

2015-11-29 10:46:20 | 日々の事
さあようやくSSも終わる、と思ったところで「キュイキュイキュイ」とハードディスクから初めて聞いても明らかにやばいとわかる異音。
なんの前兆もなかったのに、いったいどーした!?
とにかくあわてて全ての作業をストップして、データ移すためAmazonじゃ間に合わないのでヨドバシにハードディスク買いに。
でも異音のHDはその後一切マウントできず、うわああ、2テラ分の動画ファイルが吹っ飛んだああああ!
どーなる1ヵ月の缶詰労働は…

そんなこんなを乗り越えて、無事完成させました!


今回は豪華3カメでの取材。ライダーのトライだけではなく、その気持ちまで表現出来たと思っております。
ただその分、またしても全尺が120分を超えてしまい、1枚のDVDに収まるギリギリの量。
用意してあった特典映像はまたの機会に、です。

今回は上記のように土壇場で編集がトラブったため、逆にそのほかの業務が先行する形となり、12月1日から発送が可能です。
皆様よろしくお願いいたします!

以下DVD解説文から。
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悲願のタイトル奪回のためには、2015年の残る2戦を全勝しなければならない黒山健一。
ところが第6戦中部大会のセクションは、トップライダーたちにとっては優し目に設定されていた。
絶対負けられない上に1回も足を着くことも許されないという2つの巨大なプレッシャーに耐え、黒山はマシンを完璧にコントールし続ける。
対する小川友幸、野崎史高、小川毅士という全日本優勝経験者たちも、ほとんどのセクションを減点0で抜けて行く。
優し目とは言っても、そこはスーパークラスのセクション。
雨という悪条件も重なり多くの選手が転倒する中、優勝争いは僅差のままスペシャルセクションにまでもつれ込む。
そして彼らはここでトップライダーしか知り得ない優勝よりも大切な、トライアルの魂を賭けた走りを見せた。
勝負に賭ける選手たちの心のヒダまでを、みっちり2時間に渡って描く。
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CM動画はこちらです。
https://youtu.be/MO7MxTY3azw

FN・Jカップin福島

2015-11-24 01:05:53 | 日々の事
今年の全日本も終わり、全国で色々なトライアルイベントが開催された、11月22日。
わたくしは福島のチーズナッツ・パークで開催された「FN・Jカップin福島」なるトライアル大会に行ってきました。


ここの特色は3つ。


①野崎史高プロデュース
 FNというタイトルからも分かる通り、ご存知スーパークラスのトップライダー、野崎選手がセクション設定や運営に関わっています。

 全部で9×2Lap+αのセクションはさすがによく考えられていて、クラス別のラインの絶妙さはもちろん、基本的にオブザーバーが1人でセクション全体を見回わせパンチまで担当出来る作り。
 少人数での運営を可能にしています。ふーんなるほどねえ。



②トレールクラス
 初心者向け「ヤングライオンクラス」、経験者の「ジュニアヘビー」、腕に覚えの「ヘビー」という3つのトライルクラスの他に、「エンジョイ」「アタック」という2つのトレールクラスが設けられています。
 このトレールクラス、参加費もトライアルより1000円安くて気軽にエントリー出来ます。セローやCRFのみならずミニトレでの参加者も。
 トライアルに関わっているとどうしてもスーパークラスの深いところにとらわれてしまいますが、このトレールクラスは見ているだけでも、オートバイに乗ることの純粋な楽しさを思い出させてくれます。


・第1セクションから水にじゃっぽん(^^)

・勢いはよかったんだけどねえ。ずるっとバタンと。

・ホイールベースの短いミニトレで、ステアを攻める攻める!ガードを着けているとはいえ、エンジンが岩にガンガン当たっています。

・絵に描いたようにセクションの罠にはまってワハハハ。


③スペシャルセクション
 草大会なのに、全日本でもIASしか走れないSSを設定。トレール車がSSを走るのもびっくりですが、トライアルクラスは60秒の時間制限まで設定されています。
 野崎選手は「普段僕らがどんだけ大変か、是非体験して下さい」と笑っていましたが、実際時間に追われて転倒する選手もいます。
 でも野崎選手はライダーから「あと何秒?」と聞かれてあわてて間違った秒数を教えてしまい、アシスタントとしては失格なのでした(笑)
 主催のトレックフィールドさんの看板娘、とれっくか〜ちゃんの元気な実況アナウンス着きで、全員が見て乗って楽しめる企画になったのでした。

・手前の水たまりを飛び越えての飛びつきジャンプ!見事にまくれ!!

・右がとれっくか〜ちゃん。歴代のゼッケン3番シールがいっぱい貼ってあるトラメガ持ってMCです。

試合終了後は、もちろん野崎選手のデモンストレーション走行や、豪華賞品のじゃんけん大会も。
僕も拙作DVDを賞品に出させていただき、参加者の皆様に喜んでいただけました。



・各クラス最下位の方にも賞品が出ます。マジックで「ビリ」と書かれていますけど(笑)

・野崎選手のデモンストレーションは、相変わらずの華麗さ。



今回の参加者は、トライアル42名にトレール16名。女性ライダーの他、野崎選手のチーム「YSP京葉×KEN OKUYAMA」のスポンサー、ケン・オクヤマの代表、奥山清行さんもご参加。ヤングライオンクラス15名中7位に入っています。

・奥山選手のライディング。結構攻める!

・女性ライダーのトライには、頼まれてもいないのにお助けがわらわら。

全日本だと転んで悔しがらない選手はちょいとナニですが、ここでは笑ったもの勝ち。

「東北に笑顔と元気を!!」というキャッチフレーズ通りに、エンジン音より高く爽やかな笑い声が響いているのがとても印象的なイベントでした。



2015年全日本トライアル最終戦レポート

2015-11-03 17:08:31 | 日々の事
何と言ってもここでチャンピオンが決まるという、2015年全日本トライアルの最終戦。
久しぶりに快晴に恵まれた試合でしたが、すでに自力タイトル奪還の可能性を失っている黒山健一選手は、スタートの時もこんな感じ。


対して3位以上なら王座確定の小川友幸選手は、元気いっぱいです。




スポーツランドSUGOに用意されたスーパークラス用セクションは、8つを3ラップとスペシャルセクションが2つ。
設定はかなり優し目とのことでしたが、そこはやはりIAS。ライダーのミスを誘う罠がいろいろ仕掛けてあります。




とはいえ優勝を狙える選手にとっては5点はもちろん、1点でも勝負に大きく影響しそう。
そんな中、前日のインタビューでは「オールクリーンも可能」と言っていた友幸選手が、1ラップ目の第2セクションで早くも足着きをしてしまいます。

たった1点とはいえ、本人は「あれでもう今日は終わったと思った」だったそう。
それを裏付けるように、ライバルである黒山選手はクリーンを続けていきます。





黒山選手はそのまま1ラップ目を、オールクリーンで走り切ってしまったのです。

スポーツランドSUGOといえば、野崎史高選手。


過去ここで2回の優勝経験を持ち、SUGOでは毎年自信に満ちた走りを見せます。

野崎選手は今回も、黒山選手と並んで1ラップ目をオールクリーンで走りきってしまいました。

もう一人、IASで優勝経験を持つ小川毅士選手。
今回はもし優勝すればゼッケン3番も夢ではなかったのですが、本人が「各ラップでやらかしてしまいまして」と語るようにいくつかのミスをしてしまいます。
たったひとつの3点で絶望的、もし5点でもとろうものなら完全に優勝争いから脱落してしまう、という恐ろしい設定が続きます。


この結果優勝争いは黒山、野崎、友幸選手の3人に絞られます。
友幸選手は結局1ラップ目の減点を第2の1点のみに抑えたものの、オールクリーンを続ける黒山、野崎の2人にどうしても追いつくことが出来ません。


2ラップ目は3人のクリーン合戦。
ところが野崎選手が第8セクションで、ついに足を出してしまうのです。


一方黒山選手は0点を続けます。


黒山選手は2ラップ目もオールクリーン。
「もう今年はチャンピオンはまずありえないですが、最終戦で勝つかどうかはオフの間の気持ち的にも、来年への繋がりとしても非常に大切です」と語っていた黒山選手。
このまま最終戦を0点を守り切り、自分にタイトルを渡さなかったチャンピオン友幸選手にせめてもの一矢を報いる事になるのでしょうか。


過去何回かの試合でオールクリーンを達成したことのある、黒山選手。
それを見ていた伊藤敦志さんに伺ったことがありますが「どんなに凄い選手がどんなに簡単なセクションに挑んだとしても、絶対にどこかでポロッとミスをする」ものなのだそうです。
この東北大会で2ラップを0点で回った黒山選手ですが、3ラップ目の第2セクションでついに足を出してしまいます。1ラップ目に友幸選手がミスをしたポイントでした。


他の2人はオールクリーンを続け、3ラップが終わり黒山、友幸、野崎の3選手が合計減点1点で並びます。
勝負は2つのスペシャルセクションに。

通常セクションから変わり、今回のスペシャルセクションはかなり難し目の設定。
まずはSSの第1。
中部大会で剥がしてしまった右手人差し指の爪が完治しないまま走っていた藤原慎也選手は、最後まで実力を発揮できずこの通り。


3人の中では最初に入った野崎選手は、ここをクリーンでアウトします。


これで1点もとれなくなった黒山選手。


「SSはクリーンクリーンの予定でした」と語りますが、もしそうだったとしたら2ラップ目の途中から早周りをしていた黒山選手がタイムで勝つことになるのかもしれません。ところが。

アウトに向かう最後の方向転換で、右手がスッポ抜けてしまったのだそうです。

目の前で起きた致命傷とも言えるライバルの大失敗にも、この表情を崩さない友幸選手。友幸選手も一瞬で同じ事になるからです。



でも自身はきちんとクリーン。
2015年の全日本トライアルは最後のセクション、SS第2に移ります。

SS第2はアウトの手前にあるこの巨大タイヤが難関。


世界戦日本大会の怪我から最終戦でようやく復帰した斎藤晶夫選手は、ここを越えることが出来ません。


野崎選手はこの最後のポイントを、こんな表情で睨みつけます。


野崎選手は、1点で登りました。


これで優勝が完全になくなってしまった黒山選手。


せめて最後はクリーンしたかったことだと思いますが、残念ながら。


最後を走る友幸選手。

クリーンなら文句なく、もし1点をついても同点の野崎選手にはタイム差で勝つことが出来ます。

【※タイムについての註】
SSが始まる前、同点で並ぶ3人についてMFJからは「タイム差で1位黒山、2位小川、3位野崎選手となっています」とのアナウンスがありました。
ただ野崎選手によると、この時点でタイムは友幸選手に勝っていたとのこと。これについては裏付けになる資料が発表されないのでわかりません。

そして。

減点1でアウトしたと確信した友幸選手は、勝ったつもりでした。
ところがパンチは5点で、友幸選手は驚きを隠すことが出来ません。


実はタイヤから滑り落ちた後輪が、セクションテープの外側にあるドラム缶に接地したため、セクションアウトと判定されたのでした。


この結果、最後の最後で優勝は野崎選手の手に。


最後に優勝を奪われ悔しい友幸選手ですが、シリーズチャンピオンはしっかり手に入れました。


優勝 野崎史高 減点2c24
2位 小川友幸 6c24
3位 黒山健一 11c23
4位 小川毅士 17c19
5位 柴田暁 23c15
6位 野本佳章 43c11
野本選手は転倒で顔に傷を作りながらも、最後に入賞を果たしゴキゲンです。


7位 吉良祐哉 44c9
8位 田中善弘 49c14
9位 斎藤晶夫 59c7
10位 砂田真彦 77c2
11位 加賀国光 80c4
12位 成田亮 87c4
13位 藤原慎也 92c4
リタイア 佐藤優樹
佐藤選手は2ラップ目の第8セクションでこの転倒。手首を傷めたためリタイアとなってしまいました。



2015年ランキング
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チャンピオン 小川友幸 129
2位 黒山健一 121
3位 野崎史高 108
4位 小川毅士 97
5位 柴田暁 75
6位 田中善弘 68
7位 野本佳章 60
8位 加賀国光 34
9位 成田亮 30
10位 吉良祐哉 29
11位 砂田真彦 24
12位 斎藤晶夫 23
13位 藤原慎也 14


2015年中国大会DVD

2015-10-21 11:13:05 | 日々の事
朝から降る激しい雨と泥で、ほとんど走行不可能なセクション群。
でもそんな環境でも挑んでいくのが、トライアルライダーであります。
僕も頑張ってそんな選手たちを(カメラぶっ壊しながら)追いかけたかいがあって、彼らの勝負にかける執念を映像に残す事ができました。

というわけで「スーパートライアル2015 第5戦中国大会」が完成です。
DVDジャケットも「スーパー全日本」時代から通して初めての、バイク無し、ライダー無し(笑)


発売は今年の最終戦の日、11月1日となりますが、良くも悪くも全日本トライアル史上に残る大会の撮れた限りの全てです。
※まだ少し時間があるので、それまではCM動画でお楽しみ下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=N_VV4C-piCY

特典映像は、本当は北海道大会に入れるはずだった野本佳章選手のデモンストレーション。
プロレスとコラボレーションという、珍しい企画です。


もうひとつ、オープントロフィーとして開催されたレディース映像。

本来はこれも特典映像クラスなんですが、例によって全体が1枚のDVDに入れられるギリギリになったので、QTV DVDのCMページのバックに使っています。
※こちらはウチの映像を使って、レディースクラス新設を推進する小玉絵里加さんの編集ですでに紹介されております。
https://www.youtube.com/watch?v=b7iU8jlqqcQ
DVD収録分はもちろん別編集となっています。

個別にご連絡をいただければ、発売日前にお届け出来る方もあるかも。
以下、DVDの解説文ですが、よろしくお願い致します。
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まさに全日本トライアル史上最低の試合。
激しく降り続く雨のためセクションはどこも泥地獄。会場内はまるで災害被災地のような様相を呈し、全日本ライダーをもってして、セクションはもとよりコースの移動すらままならないのである。
果たしてこんな環境でトライアルが可能なのだろうか。

しかし優勝が至上命令のトップライダーたちは、のたうち回りながらも泥の中を走リ続ける。たったひとつのセクションを3点でも抜ければ、ライバルに差をつけることが出来るからだ。
そんな選手たちに天候はさらに試練を与えた。あの雨が午後になって上がり、泥が流れるのをやめたのである。
会場の土は練りに練った粘土となって重くまとわりつき、タイヤは揚げたてのドーナツのよう。
しかしその中で選手たちの必死の走りは、なんと神がかったクリーンすら生み出したのである。
誰にとっても決して負けられない試合に挑んだ、闘士達の記録。

特典映像は、トライアルとプロレスがコラボ? 野本佳章選手の異色デモンストレーション。

2015年全日本トライアル第6戦 中部大会レポート

2015-10-13 00:01:27 | 日々の事
2015年全日本トライアルシリーズも、そろそろ終盤。
ここまでランキグトップの小川友幸選手は残る2戦のうちどちらかを勝てばほぼタイトルが決まるのに対し、2位の黒山健一選手は1回でも負けると自力タイトル獲得の可能性が消えてしまいます。

そんな第6戦中部大会ですが、セクションは比較的優し目。
黒山選手にとっては絶対負けられない試合に神経戦というプレッシャーが加えられ、心の中はどれほどの辛さであることでしょう。
ひとつ救いとなったのは試合当日が雨となり、セクションの難度が少し上がったことです。


雨で泥沼となった第1セクションはお互いクリーンした2人ですが、友幸選手は1ラップ目第2セクションで、ポツっと足着き。

ここをクリーンした黒山選手はその後も慎重に走り、1ラップ目第8までをオールクリーンです。

対する友幸選手は第8でも足を出してしまい、合計減点2となっています。

これは黒山選手の勝ちパターンでしょうか。


試合前に「勝負は第9から後ろですね」と言っていた黒山選手。半分以上の選手が5点となっている第9セクションに入ります。
ところがアウトに向かう登りでミス。

ここから何とか立て直して3点で抜けるも、友幸選手と野崎選手はクリーンで、黒山選手はあっという間に一気に2人に逆転されてしまいます。


さらに黒山選手は、隣の第10セクションでも痛恨のミス。


でもここまでなら、まだ巻き返しの可能性もあったかもしれません。
ところが黒山選手は1ラップ目最後の第12セクションでも、失敗をしてしまったのです。


友幸選手はここを1点で抜け、1ラップ目をトップで折り返します。


黒山選手は試合前「1ラップ5点程度で走らないとまずいでしょうね」と語っていました。
ところが1ラップ目の減点はトップ4の中では唯一2桁の13点。順位はなんと4位です。


早くも優勝とチャンピオン獲得が絶望的となってしまった黒山選手ですが、それでも2ラップ目前半には小川毅士選手を抜いて3位に上がります。




でも2位を行く野崎史高選手にはなかなか追いつくことが出来ません。


2ラップが終わった時点で、トップは友幸選手の11点。2位は野崎選手の14点。
友幸選手はここまでひとつの5点もなく、非常に安定感のある走りは相変わらずです。

黒山選手はこの時19点。残すは2つのスペシャルセクションのみで、試合はこのままの順位で終わるかと思われました。

ところがSSの第1で野崎選手は2点、黒山選手はクリーンで、2人の差は3点に縮まります。
そして最後のSS第2。
出口手前の170cmの真直角はともかく、手前のタイヤ部分はトップ4にとっては十分走破可能だったはず。
ところが先に走った野崎選手が、まさかの失敗をしてしまうのです。


次に入った黒山選手はここをノーミスでクリア。
昨年はまったく歯が立たなかった最後の真直角もクリーンで抜けて、土壇場で野崎選手を逆転。2位を手に入れました。


アウトと同時にまるで優勝したようにガッツポーズですが、これは真直角を登り最後をクリーンで決めた喜びだったのだそうです。


すでに優勝を決めていた友幸選手は、最後で5点にならないよう野崎選手が失敗したポイントで安全のための1点。

170cmの真直角はノーミスでクリアします。


こうして地元中部で大事な大事な優勝を手に入れた友幸選手ですが、アウトの直後はこんな顔。

最後のセクションをクリーン出来なかったことが非常に残念、心残りなのだそうです。
トライアルとはそういう競技なのでしょう。

これで今季4勝目を上げほぼチャンピオン獲得を決めた友幸選手に対し、黒山選手は「最終戦で勝つか負けるかで同じチャンピオンでも気持ちは全然違うんです。3週間後の東北大会では今度こそ是非僕が勝って、僕はすっきりした気持ちで来シーズンを迎えたいと思います」と語っていました。


優勝 小川友幸 減点12 c18
2位 黒山健一 19 c21
3位 野崎史高 21 c18
4位 小川毅士 34 c16
5位 田中善弘 81 c6
6位 柴田 暁 83 c5
7位 野本佳章 90 c2
8位 加賀国光 101 c3
9位 成田 亮 102 c1
10位 吉良祐哉 114 c0
11位 砂田真彦 114 c0
12位 藤原慎也 115 c0
13位 佐藤優樹 117 c0

今回12位になった藤原慎也選手は、1ラップ目第8セクションでこの転倒。

ハンドルと岩に挟まれた、右手人差し指の爪を剥がしてしまう怪我をします。
そのままリタイヤかと思われたのですが、「それだけは!」と断固拒否。
包帯が血で染まる指で前ブレーキを操作しながら「どれだけお客さんに楽しんでもらえるライディングが出来るか、です」と語っていた藤原選手のトライアル美学を、SSの最後まで見せてくれました。


怪獣酒場

2015-10-05 23:41:08 | 日々の事
初代ウルトラ世代としてはずっと気になっていた居酒屋に、ついに行ってまいりました。

入り口にはローマの「真実の口」を模したセキュリティーが設置されており、ここでウルトラ一族でないことが確認されると、めでたく入店することが出来ます。

店内ではメジャーからマイナーまで、色々な怪獣、宇宙人がお出向かえです。





こちらの熊手は、もう大盛りですね。ただQ、マン、セブンまでの第1世代限定ファンにとっては、知らない怪獣もちらほら。


なにはともあれ、まずはビールです。おお!これはマイナーこの上ないペスターぢゃありませんか。
このビール、石油じゃあるまいな、と一気にぐびーっ。


料理は何にしよう。メニューから出来るだけ第1世代に沿ったものを選びます。
まずは「ウルトラセブンを解析せよ」という名のモツ煮込み。

なるほど、セブンのアタマの中は煮込みだったのかあ。どうりでぐちゃぐちゃしたストーリーが多かった。
アイスラッガーは刃物なので危険ということで、フタは早々に下げられてしまいました。
きっと厨房ではこんな感じになっているのでしょう。


これは「大阪城の悔恨〜自虐のローストビーフ」ゴモラの尻尾輪切りを模しています。骨に見える部分は大根ですが、ローストビーフ部分もボリュームたっぷりです。

ゴモラは小学生の頃家族旅行でお正月に連れて行ってもらったどこかの旅館で見た覚えのある放送ですが、ウルトラマンがこの尻尾の攻撃でピンチになっているのに「次週に続く」で「正月くらい1時間放送しろよ!」と激怒したことを今でも思い出します。
でもそれがどこの旅館だったのか、どこに連れて行ってもらっていたのかはまったく覚えておりません。

さてさてビール2杯目。

水に弱いジャミラさん、口から火を吐いていたような記憶もありますが、ビールのアルコールではちょっと弱いような。

料理は「バルタン星人のおもてなし」というカニピラフ。
こんな店なので味にはあまり期待していなかったのですが、これはライスにカニ味噌がコーティングされていて、特にうまかった。

こちらのお皿のフタも例によって「侵略されて危険なのでふぉっふぉっふぉっふぉっ」とで早々に下げられてしまいます。

こちらは「カラータイマーを狙え」。ウルトラマンの弱点であるカラータイマーをスパイスやアボガド、トマト、チキンでぐちゃぐちゃにしようという料理です。

このマンのカラーリングは初代ですが、初代ウルトラマンではカラータイマーが弱点、という設定はなかったように思うんですけどね。
3分で完食しなければいけない、とかの方がよくないでしょか。

これは「グドンのおススメ!ツインテールフライ」

古代怪獣ツインテールはグドンという地底怪獣の餌で、肉はエビのようで美味、との怪獣大百科から発想した料理ですね。
ウルトラファンの間では「一体誰が食べたんだ?」と問題になっております。
普通にエビフライで美味しかったけど、そーかー、「帰ってきたウルトラマン」だから僕はそんなに思い入れがなかったのね。

とにかく料理の姿を見てみたくて、あれやこれやと注文しすぎ。うーむ、これはなかなか美味い、いや上手い商売だぜゲーップ。
もう食えねえ飲めねえでお勘定に行くと、当然のようにこの怪獣が待っていました。

でもこれだけ食って飲んで楽しんでお土産の怪獣小皿までついて一人5000円程度というのは、結構お得だったように思います。

おまけは、限られた人しか入れない部屋で撮らせてもらった、この写真。

元ネタはこちら。

「うふ、できたの。あなたの赤ちゃん」「え"え"っ!?」というペガッサ星人です。
ちなみにこの日のわたくしの衣装はこちら。

これで僕もめでたく最終回を迎えて、そろそろ怪獣墓場に成仏できるかな?

野崎史高選手

2015-09-11 14:55:29 | 日々の事
僕も選手も目一杯手一杯で、久しぶりに顔を合わせてもなかなかゆっくりお話などが出来ない全日本トライアルの会場。
そんな中にも時々世間話ができるライダーが、何人かいます。
※決してその選手が暇しているってわけではないですよ。フレンドリーだってことなので誤解なきよう。

野崎史高選手もその一人。


野崎選手、2戦続けて試合はちょっとアンラッキーな展開でしたが、トライアルでは世界有数のテクニシャンであることは間違いなし。
中国大会の鬼のようなドロドロの中でも、優勝した小川友幸選手と同じ2つのクリーンを出しています。


そんな史君から彼が出演している、これは雑誌ではなくムックというのかな?の情報を頂きました。
http://www.zokeisha.co.jp/dirtsports/archives/18341

史君のパートはこちら。
http://www.zokeisha.co.jp/dirtsports/archives/18213

野崎選手がトレールマシンも見事に乗りこなすのは、拙作「変身!トレールテクニック」でもご存知の通り。
http://question-tv.com/video/fumihensin/fumihensin.html
この時のマシンはWRがメインだったけど、新作はセローで作ろうかな?

ちかぢかそのプロジェクトも動き出しますので、よろしくです!